劇場公開日 2018年12月21日

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「繊細な演技と演出」アリー スター誕生 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5繊細な演技と演出

2018年12月23日
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鑑賞方法:映画館

『スタア誕生』のリメイク、4回目の映画化と知って観たくなり、行ってきました。

レディ・ガガの歌唱力が素晴らしいのはわかっていましたが、改めて彼女の歌の持つ力に驚かされました。
ガガは俳優としてはどうかと思いきや、かなり良かった。

それ以上によかったのが、W主演であり、本作が監督デビューとなるブラッドリー・クーパーの、演出・カット割りの上手さ。
難聴なジャックの挙動演技がいちいち染みる。
相手の言葉を受け止めるのに聞こえる側を向けたり、アリーに顔を近づけて会話したり、都合が悪く聞きたくない話の時は普通の人と同じように振る舞い耳を傾けなかったり(笑)、などで「徐々に聴力を失っていっている」ことを表現していたり。
あと、この人元々アル中から抜け出すのに苦労した方だから、耳の辛さや売れていくアリーへの嫉妬で酒に逃げるあたりが、迫真の演技で怖いくらい。

ただ、エンタメ濃度は薄め。
上記のような演出に玄人評論家は喜ぶだろうけど、一般客にはこれ、受けない気もします。
繊細過ぎてわかんないパターンね。

何より、原作やリメイク元の映画が古典過ぎ。
お話は良くも悪くも『スタア誕生』まんま。
他の作品にパクられまくったあとだけに、話に意外性はなく、展開は読みやすい。
人によっては、「ありがちの域から出てない」とか、「話が薄っぺらい」としか感じられない可能性が高いような気もします。

さらに、日本では特に直近でエンタメ性の高い『ボヘミアン・ラプソディー』があったため、「歌映画」として比べられちゃうのもあるし。

ガガの歌に没入できれば、特に問題ないんですけどね。

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コージィ日本犬