心と体とのレビュー・感想・評価
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鹿の夢が繋ぐ年齢差のふたり
この鹿の夢が彼らの深層心理(要求)の現れなのか?最初は分からないが、二人の関係性が変わっていくにつれて、夢は変化していく。
左手に麻痺のあるエンドレ、記憶力は凄まじいコミュ障のマーリアと言う少し変わったふたりに起こる心の変化が始まると物語はゆっくり進み始める。
お国柄と言うか、奔放な女性が出てくるので、マーリアと上手くいかなかったエンドレがモヤモヤを職場の女性とのSEXで晴らすみたいなシーンがあるけどやったらすぐ帰らせるとか、男って…とは思う。(笑)
マーリアは記憶力こそ凄いが、精神的な部分に発達障害がある様子で他人とのふれあいを怖れている。
その二人が夢を通して、惹かれあうのだが、食肉工場が出てくるので、血と肉が出てきて、生と性を想像させられてしまう。
マーリアが色々頑張って、ぎこちない誘い方したのに伝わらないのはもどかしかった。
入浴シーンはセクシーであったが、リストカットシーンでもあった為、このままバッドエンド一直線かと不安になったが、そこはそれ(笑)
素直な二人に幸舞い降りる(笑)
ただ机の上のこぼれた欠片をそっとかき寄せる手には何か不安を感じさせられた。
特殊な恋愛譚と思うが、好きになると不安になるのは誰もが経験するものだから、これは良い作品と思う。
【透き通るが如き白い肌のコミュニケーション不全の美しき女性と孤独な中年男の愛を、静謐に描く物語。ローラマーリングの”What He Wrote”が流れる映像の美しさと儚さは比類なき作品である。】
ー イルディコー・エニュディ監督が18年振りに発表した長編ハンガリー映画。ー
・マーリアを演じた、アレクサンドラ・ボルベーイの”漂白感”が圧倒的な静謐な美しさで、この作品の世界観を支えている。
・マーリアが働き始めた精肉工場の片腕が不自由な上司エンドレとマーリアの不器用な恋を”雄雌鹿”の山中での姿を象徴的に絡ませて描き出す。
・冒頭と、それ以降随所に現れる雄雌鹿のモノトーンに近い映像が秀逸。
・コミュニケーション不全故、漂白の肌の、マーリアの手首から流れ出る鮮血・・。
・”ローラマーリング”の”What He Wrote”が流れる映像の儚さ、美しさは比類がなく、何故か落涙してしまった作品。
旅から戻り、”ローラマーリング”のCD数作を購入した事は言うまでもない。
<イルディコー・エニュディ監督の独特な世界観、映像に圧倒的された、とても好きな静謐な美しさを醸し出す作品でもある。>
<2018年8月14日 旅先のミニシアター"京都シネマ"で鑑賞>
無残な失敗作。
生きる
痛々しい陶酔劇
白雪姫
いかれてる映画でした
ファンタジーのようなリアル
観終わったあとに無表情になる。 そしてその評定のまま”頑張らねば”って少し励まされる。じんわり良い映画。
がっつりラブストーリーかと思いきや、ヒロインの人間成長的な側面も強くて良い意味で裏切られた。愛だけではない。
前半は食肉処理場の生理的な不穏さと共通して見る夢の謎/ミステリーな要素の緊張感でひっぱる、がめちゃくちゃ惹き込まれるわけではありませんでした。
しかし中盤からヒロインのマーリアが変わっていく……いや変わろうとしていく描写が始まってからが素晴らしい。
マーリアは人とのコミュニケーションのとり方がわからない傾向がある。前日に会話のシミュレーションをしたり、ルールから逸脱できなかったりする。
そんな自分の個性をしっかり認識して、人に相談して、自分で変えようとして変化していく。その様子がステキ。
他と違う人だって、それを認識して努力してるんだ。そのために人に相談してもいいんだ。
そんなことを教えてくれる映画。
変わっている人をシリアスとコミカルを含みながら描くのはNHKにようこそ!を思い出した。
ただシリアスとコミカルのバランスは反対かな。本作はシリアス/アート的な側面が強い。
ここらへんが日本と海外の映画/エンタメの違いだなぁ。邦画ではこんな作品にはならない
ラストの朝のシーンの意味は……なるほど、人生ですな。ヨーロッパ映画らしい。
昼のシーンが多い前半から夜のシーンが増える後半。なんだか映画全体で1日だった感覚。
人生全部じゃなくて、人生のちょこっとを切り取った物語なのかも。
ラブストーリーであるし、”人生”、”生きるってこと”はどういうことなのか教えてくれる映画。生きづらく感じてる人ほど響きそう。
ポスターなどの印象ほどは重い/暗い作品ではなかったです。軽い作品でもないけど;そういう意味では人生ここにあり!にも近いかな。
あと夢に現れる鹿の神秘性には目を奪われる。鹿の顔ってすごいな。神様みたいだ。目と毛並みを見ているだけで体の血がドクっと脈打った。
あと演技が完璧。CG?
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