天才作家の妻 40年目の真実のレビュー・感想・評価
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夫の無邪気さに呆れ
夫は浮気者ですぐ年概もなく若い娘にフラフラ。才能のある方はもてるのでしょうね。
その才能が本物なら。
夫の身の回りの全てを請け負い、手がかかるじーさんで、食べた口元からメガネまで。
本まで自分が書いてたりしたら、いらないでしょ、もう旦那。
そんな旦那が偉そうに本の自慢なんかしてたらそりゃ~。切れますよね。
でも、そうさせたのも自分で、納得してたんじゃない、結構愛してるんじゃない?って感じる場面もあり。消化出来ないフツフツとしたものを抱えて、でも公表してぶち壊すこ
とはしない位には愛が残ってる。ゴーストの部分より夫婦の物語
人生の本質に迫る名作
予告編で大体のことがわかる。女流作家が正当に評価されず、せいぜい一過性のイロモノとして扱われる時代に、文才のある妻が才のない夫の名前で小説を出版していたという話だ。
そのままの生活が続いていれば、夫婦間のひずみやわだかまりに目を瞑って平穏な毎日を送ることができた筈なのだが、ノーベル文学賞の受賞者になってしまったことから、夫婦間の関係性が一変する。
もともと相手に対する尊敬と自分のプライドの間で揺れ動くことはあったのだろうが、生活を守り世間体を保って家族を維持するという共通の価値観のために、ふたりは自尊心を押さえつけて生きてきた。謂わば共同体の秩序を保ってきたのだ。しかしノーベル賞という名声は、自尊心を押さえつけるにはあまりにも巨大であった。
一般に、ストレスはある程度以上の感情的な負荷がかかったときに生じる。喜怒哀楽のいずれの場合でもストレスは生じるのだ。ノーベル賞受賞という大きなストレスに押し潰されそうになる夫婦の様子がいじらしい。
夫婦はそれぞれに葛藤と戦うのだが、これまで目を瞑ってきた夫婦間のひずみやわだかまりが大きく肥大して、もはや耐えられなくなる。授賞式をやり過ごしても、その後の夫婦関係は修復しがたい。
性欲や恋愛感情と名声や世間体のバランスは常に危うい。穏やかに思える我々の日常は、実は薄氷の上に乗っているのだということを、改めて思い知らされた気がした。人生の本質に迫る名作である。
何故か大竹しのぶを連想した。 若い頃の役、キレイな女優さんと思った...
何故か大竹しのぶを連想した。
若い頃の役、キレイな女優さんと思ったら
本当のお嬢さんなのですね。
息子役はジェレミーアイアンズの息子さん。
The wife-夫と妻の物語
自身の才能が故に、承認欲求と打算の無い慈愛心の間で心揺れる妻の葛藤が鮮やかに表現される。
夫の浮気は、妻と比べての劣等感からだったのかと納得しようとしていると、「ただの病気でしょ」と家人に一蹴された。男女を問わず、浮気症か、そうでないかの違いだけだという。
それでも、「天才作家の夫に孫の顔を見せてあげたかったな」と私は思う。
鑑賞しながら、「これは実話を元にしているのか?」と錯覚したが、実話ならエライ事だ。「実話のわけないでしょ」と、これまた家人に一蹴される。
実話でないとしても、世界最高峰の『権威』ある賞レースを舞台にしていることで、『権威』の危うさと脆さが浮き彫りにされている。
『評価する側と、評価される側』それは、『認める側と認められる側』でもあり、夫婦間の機微にも通じる。何十年も連れ添った夫と妻の関係も常に危うさと脆さを内包しているのだ。たった一つの嘘や隠し事あるいは思い馳せの足りない一言によって、それはあっさりと出現する。
「男と女の間には、長くて深い河がある」という歌詞があるが、男と女に限らず、人と人の間には、永遠に長くて深い河があり、その河を越えようとする努力が試され続けるのが人生なのかもしれない。
自分を人と比べることは意味がないと思いつつも、人からの承認を求めずにはいられない人間の本質のようなものを、じっくりとあぶり出すような映画だ。
映画の評価なんて自分が気に入るか気に入らないかでいいじゃないかと思いつつ、やはり気になる・・・さて、オスカー(主演女優賞)の行方はいかに?
信頼って
必要な時だけすり寄って来て、
いざとなったら自分の手柄で感謝も忘れちゃう。表面とか人前でだけ褒めたって嘘はバレる。
いつも2人で2人の作品が出来たとベッドの上ではしゃいでいたのに、ノーベル賞を取ったら、私の作品が賞を取ったとか、そういう小さな本当が信頼を失う。
どんなに愛していても、いや、愛していたら尚更それは深く傷つけていく。
そういう事がわからないやつだから、奥さんの才能を愛と言って利用して、
本当に最悪だ。
愛してたからやってきたし、来るしくも、作品を作るのは好きだったはずの奥さん。
しかし、好きは嫌いと表裏一体。
愛が深い程、憎しみにも変わる。
複雑な心理に胸が痛くなる。
こんな男を知っている。
作っているのは小説じゃないけど。
だからより身に染みるた。
クソジジイ 男と女は別の生き物
天才作家の言う言葉がいちいちむかつきました
俺が辛くなかったと思うのか?!俺がそんなに薄弱な男と思うのか?!とか、言ってた気がする
おれが!おれが!ばっかり
奥さんに愛してるとかそばにいてくれとか、甘えてばっかり
最悪の男
昭和の男って感じ
人から言われて、あ!わたし我慢してたんだ…辛かったんだ…って気づく奥様の感じもよく分かります
離婚したい!って切り出して、やっと自由になれる〜と思ったら、旦那が心臓発作で
この時わたしは、あーあ 嫌いな奴の介護しなきゃいけないとか最悪すぎるー
旦那このまま死ね〜 生き返るなんて許さん!と思っていました
リアルだぁ
妻の映画だ
プライドばかり高いけれど才能はない夫の名前を借りて書いていた妻。
夫の名前で認められて、夫の浮気への怒りを次の作品のバネにする。妻となり夫の影に隠れ、書けて、作品は評価され、家族を養ってきた。ある意味二人三脚と言えなくもない。
彼女は自分のズルさを夫以上に自覚している。
夫はどんどん有名作家になり(すまし)、浮気相手には苦労しない。子どもたちまで作家の夫を尊敬する…
この後彼女は自分の名前で書くのだろうか?
スゴい演技
グレン・クローズの演技はスゴい。表面的に交わされる会話とは裏腹の感情を、大げさでなく感じさせる。
ただ、映画としてそれほど面白いかな…
過去に二人で決めたこと、それは何事もなければ納得ずくだったけれども、ノーベル賞受賞とそれに対する反応から夫への思いが変わってくる…その様子をつぶさに描いていることが価値だろうか…
"Lessons in Chemistry"(2022)
(2022.7.5.)
Bonnie Garmusによる上記の小説を2022年の春に読んだ。舞台は1961年のアメリカ合衆国。1968年以前、結婚し主婦、妻、母として生きるのが普通の時代に、女性が化学者として自立し認められる道はあまりにも狭かった。が、希有な才能を持った主人公Elisabeth Zottは、常に前を向き、セクハラ、嫌がらせ、自分の論文内容を盗用されるなどに遭遇しながらもまっすぐ、正直に客観的に生きる。将来のノーベル賞受賞者(!)と目され引っ張りだこで気難しい若き天才化学者Calvin Evansに出会い恋に落ちるも彼女は結婚しない。彼の名に依存せず自分の名で化学者でありたいから。未婚で同棲も当時は有り得ない。が、彼は理解し行動する。彼と彼女はソウルメイト。二人とも幼い頃から家庭に恵まれず悲惨な子ども時代を送り友人も居なかった・・・。
この小説の話を知り合いにしたら、この映画を思い出した、とその知り合いが言った。私も見たなあと思ったら見てた。でもレビュー書いてなかった。よほど胸くそ悪かったんだろう。
時代は変わるが世界の中でも信じられないほど旧態依然の日本。でも絶望しないで生きていきたい。若い人達、自分の子ども達の世代を応援し支援する。
嘘は人を不自由にする・と思いました。
私見ですが 人間ウソをつくことそのものの是非は難しいんですよね… って書くの教育上よくないですかね。。。
ただし嘘は 程度の差はあれ必ず当人を不自由にさせる。 小さい嘘、優しい嘘、嘘も方便・とか いやーあの嘘は仕方ないでしょう、等々
どんな事情があろうが なんであろうが 嘘は必ず人を不自由にしていきます
妻は真実を忘れなかった
夫は嘘をついたことを忘れてしまった
そういう映画かと思いました。
最初はね、ちょっと妻ったらなんでいまさら・て思ってました。 記者なんかにカマかけられたとはいえ・ですよ。 だってここまできたんじゃないですか。
そもそもゴーストライターじゃなく共作じゃないすか、少なくとも初作は。 ジワジワ累積してきた不満とかさ、『妻は書きません』ていうのも体裁を整える口上として それも込みでわかってて覚悟してきたんじゃないの?! 気分的にピンチでもソコは自慢の理性で乗り越えてくださいよ。
人間の極限だの、妻の爆発だの、主演女優の迫真の演技だの、そんなよりも 自分的にはやっぱり、彼女賢いのになんでこのタイミングで・という視点でみてましたよ。
嘘をつき続けるには覚悟がいる
嘘はよくない、正直でなくてはならない、全部吐き出して悔い改めるべき・とか、そういうことをアカの他人がとやかく云うのは無粋です。 いいか悪いか? それはともかく腹をくくるなら、自覚し続けられるなら、真実を忘れないなら、嘘にも意味があります。
「嘘」を「秘密」としてもいいでしょう、そういう意味では 夫の浮気も含めていいかなと思います。
墓場までもってったっていいんです。 そういう人は大勢いるし、問題は それで自分が幸せになれるかどうか?これしかないんだと思います。 そしてそれは最後(最期)まで 本人にしかわかりません。
秘密には力がある それが秘密である限り
嘘にも意味はある 真実を忘れない限りは
夫役ジョナサン・プライスよかったです。 男はどこまでもマヌケで、支配的で、優しくてそして弱い。 気のいい巨人にみえて小男、文学的でカラッポな話し言葉が虚しくて印象的でした、お見事!
グレン・クロースもよかったです、ちゃんとおばあちゃんに見えたのが。 迫真の演技とかそんなのよりもね。
そしてスレーター。 悪くなかったんですよ、でもなんというか「え、この人昔から全然老けてなくない?!」としか見えなかったです、ホント申し訳ない。。。
現代悲喜劇の傑作
現実社会にあって、最も有効な虚構を生み出す装置は映画だ。
「天才作家の妻」はその装置を使った虚構の中の虚構と言うところが見所。
この映画は虚の二重否定というところ。
何処にもある夫婦像をリアルに描いた悲喜劇の傑作。
原題が素晴らしい
2019-009@アップリンク吉祥寺パルコ
原題がThe Wife この言葉の前には邦題がちゃちく思えてしまう。
長年連れ添った夫婦の話を自分はどこまで理解できたのか。
もし自分なら、家族には本当の事は話していたと思う。
劇中では旦那が悪いように描かれているような気がするけど、旦那には旦那の思いがあるわけで。
旦那が浮気するのは小説のため。それは決して考えすぎではないような気もした。
この映画は、多分観た方が良い作品だと思う。
役者が素晴らしい。
上映時間は短く、すっきりとテンポ良く物語が進んでいく。
待ちに待ったはずのお祝い。
そこで生まれる違和感、疑念、そしてそれは確信へ…
何しろ役者たちの表情含めた演技が凄くいい。
ラジオ番組での町山さんの紹介でストーリーの核心部分を聞いていなければ、もっとのめり込むことができただろう。
…と言って、聞かなかったらこの映画に足を運ぶことはなかったかも知れないし、観たとしてもその作品の背景や役者達の凄さに十分気付けたかというと、そうではないだろうけど…。
なかなか難しいよね。
大女優の迫力
冒頭、老夫婦のセックスから始まって、どーゆー映画なんだろ? と、戸惑いましたが。
作家である旦那の過食、浮気癖、虚言癖、他人や息子への尊大さ、自分勝手な理由での排泄的セックス。
虚栄心のバケモノで、嫉妬深く、コンプレックスの塊な人間の屑。
明らかに過度のストレスで「壊れた」人間だということを、様々なシーンで丹念に積み上げていき。
対して、奥さんは常に貞淑で、落ちつき、旦那をたて、家族の健康と幸せを祈る、「内助の功」を体現したすごい人だというシーンを、これまた丹念に積み上げていく。
しかも、旦那はノーベル文学賞を獲るが、実は旦那名義で発表された作品はすべて、この奥さんが書いたものだった。
その奥さんを演じるのがグレン・クローズ。
彼女の演技がすごい。
引き込まれる。
特に、40年間耐えて耐えて、その恨みつらみが爆発するシーンの、目がすごい。
彼女の演技を観るだけでも、行った甲斐はあった作品でした。
万人に薦められない作品ですが、私的には大傑作。
でも、夫婦で観に行くのは避けたほうがいいですな。
特に女性は。
旦那の欠点になる行動の理由が見えて、熟年離婚をしたくなること請け合いですw
流石!グレン・グローズ!
ノーベル文学賞を受賞した作家。しかし、彼の作品は、彼の妻が書いていた。
物語の舞台は。1992年と結構昔です。劇中、懐かしきコンコルドもCGで復活していたりしています。それにしても、フェイクニュースであふれている“いま”であれば、「あぁ、そう言う事も有り得るよね」と思いますが(まぁ、それでも、物凄いスキャンダルになりますが)、1992年にこんな事が起きていたら、想像を絶する大騒ぎになっていたに違いありません。
タイトルの通り、妻側に焦点があてられたものですが、その妻を演じたグレン・グローズが、(当然ですが)凄い。夫のノーベル文学賞受賞の報を聞いて、自分の心の葛藤と戦う表情、夫が称賛されるにしたがって強張っていく表情。素晴らしい演技です。第76回ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞するのも納得です。アカデミー賞は、まだ結果が出ていませんが、当然、主演女優賞にノミネートされています。
ゴーストライター
夫のゴーストライターであった妻。帰りの飛行機のなかで息子にすべてを話すと語る。そこで話は終わってしまった。私はてっきり息子のゴーストライターを買ってでるのかと思ってた。息子も母比べれば才能ないんだから、お母さんを言う通りにしなさい・・てな具合に展開するのかと・・個人的には尻切れ蜻蛉に終わった感じがします。
40年間ゴーストライターでいられる妻の神経もわからないが、それに甘んじてる夫の神経はもっとわからない。
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