「嘘は人を不自由にする・と思いました。」天才作家の妻 40年目の真実 えんぞさんの映画レビュー(感想・評価)
嘘は人を不自由にする・と思いました。
私見ですが 人間ウソをつくことそのものの是非は難しいんですよね… って書くの教育上よくないですかね。。。
ただし嘘は 程度の差はあれ必ず当人を不自由にさせる。 小さい嘘、優しい嘘、嘘も方便・とか いやーあの嘘は仕方ないでしょう、等々
どんな事情があろうが なんであろうが 嘘は必ず人を不自由にしていきます
妻は真実を忘れなかった
夫は嘘をついたことを忘れてしまった
そういう映画かと思いました。
最初はね、ちょっと妻ったらなんでいまさら・て思ってました。 記者なんかにカマかけられたとはいえ・ですよ。 だってここまできたんじゃないですか。
そもそもゴーストライターじゃなく共作じゃないすか、少なくとも初作は。 ジワジワ累積してきた不満とかさ、『妻は書きません』ていうのも体裁を整える口上として それも込みでわかってて覚悟してきたんじゃないの?! 気分的にピンチでもソコは自慢の理性で乗り越えてくださいよ。
人間の極限だの、妻の爆発だの、主演女優の迫真の演技だの、そんなよりも 自分的にはやっぱり、彼女賢いのになんでこのタイミングで・という視点でみてましたよ。
嘘をつき続けるには覚悟がいる
嘘はよくない、正直でなくてはならない、全部吐き出して悔い改めるべき・とか、そういうことをアカの他人がとやかく云うのは無粋です。 いいか悪いか? それはともかく腹をくくるなら、自覚し続けられるなら、真実を忘れないなら、嘘にも意味があります。
「嘘」を「秘密」としてもいいでしょう、そういう意味では 夫の浮気も含めていいかなと思います。
墓場までもってったっていいんです。 そういう人は大勢いるし、問題は それで自分が幸せになれるかどうか?これしかないんだと思います。 そしてそれは最後(最期)まで 本人にしかわかりません。
秘密には力がある それが秘密である限り
嘘にも意味はある 真実を忘れない限りは
夫役ジョナサン・プライスよかったです。 男はどこまでもマヌケで、支配的で、優しくてそして弱い。 気のいい巨人にみえて小男、文学的でカラッポな話し言葉が虚しくて印象的でした、お見事!
グレン・クロースもよかったです、ちゃんとおばあちゃんに見えたのが。 迫真の演技とかそんなのよりもね。
そしてスレーター。 悪くなかったんですよ、でもなんというか「え、この人昔から全然老けてなくない?!」としか見えなかったです、ホント申し訳ない。。。
もう、レビューが長尺なので控えましたが、個人的にはこの妻ったら 最後にやっちゃうんですね、、、あの男に嘘を「つき続ける」ことの片棒を担がせるんですね。 よりによって、あの職業の男にです。 そう解釈すると痛快コメディーでした。
なるほど。
夫は、妻は書かないという嘘が"嘘である"事を忘れてしまった。浮気なんかしてないという嘘が"嘘である"事を忘れてしまって本気で妻に反論した
という事なんですね。