「御涙頂戴路線になってしまったのが残念」人魚の眠る家 Marikoさんの映画レビュー(感想・評価)
御涙頂戴路線になってしまったのが残念
この前『人魚の眠る家』観てきました。
原作が東野圭吾さんだし、大丈夫かなと思ったのですが。。。
プールで溺れて脳死状態になった6才の娘の父親が西島秀俊、母親が篠原涼子。
「私が死ねばよかった」と自分を責める祖母役に松坂慶子。
脳死を死とするか、心臓死を死とするか。
が今回の大きなテーマ。
植物人間になり動けず意識も戻らないが、まだ呼吸もし温もりもある娘を前に、母親はどうしても脳死を死とは受け入れられず、医者から提案された臓器移植も拒んで家で世話をし続ける。
海外では脳死は死として定義されますが、日本ではまだ心臓が止まらないと死とはしない。
ですが、臓器移植を希望すれば、正式に[脳死判定]が行われ、呼吸器を外すことができます。
つまり、医学的に【死】とします。
西島秀俊の経営する会社が身障者の運動機能を助けるロボットの開発をしていて、坂口健太郎演じる研究者が、ロボットではなく、身障者の体に信号を送ることで体を動かせるようにする技術を開発、西島さんは自分の娘に試すことに。
ここからが、ボタンの掛け違いの始まり。
機械から送られた信号を脊髄に伝達して手や足、やがては口角まで動かし、無理矢理笑顔(のようなもの)をつくるところまできて、徐々に気味悪さを覚え始める父と祖母。
弟は学校で友達から距離を置かれ、娘を嬉々として車椅子で散歩に連れ出すようになった篠原涼子は近所からも奇異の目で見られるように・・・
だって、どうしても遺体を連れ回しているように見えてしまうのだから…
篠原涼子がおかしくなっていく様がリアル。
目が覚めて、良かった。
これじゃあ女の子は成仏できないんじゃないか…なんて、いらぬ心配をしてしまった。
子を深く愛し、その死を直視したくない親の気持ちは痛いほどわかる。
とてもデリケートな問題ではありますが。
題材自体は悪くないし、テーマも深い。
俳優も悪くないし。
でも、全体的に邦画にありがちな過剰な演出が目立ち、特に女の子の元気だった頃の回想シーンが多用されると冷めた。
絢香の歌うエンディングテーマ「アイコトバ」もいい曲なんだけど、いかにも泣かせようという匂いがして、また冷める。
過剰な演出は、逆効果ですね。
人間は押し付けられると拒絶したくなる生き物なのです(笑)
ということで、星ふたつ★★✳︎✳︎✳︎
あくまでも私個人の独断と偏見です^^
あ。西島さんのお父さんが自宅の囲炉裏で焼き鳥食べるシーンはいらなかったと思う。
「お前たちは神の領域を超えてしまってるよ」と息子を諭すいいシーンなのに。なんで囲炉裏?普通の家に?と不思議で気が散った🤭残念。