「自分の子供だったら…。」人魚の眠る家 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
自分の子供だったら…。
原作は、単行本発刊同時に既読。
ミステリーの帝王・東野圭吾にしては、珍しい「脳死」をテーマとした、社会派ドラマ。
但し、そこには、東野作品らしい歪んだ愛情から生まれるミステリーに彩られた内容も含まれています。
著者自身、「こんな内容の小説を書いていいのか」と自問自答したと言います。
確かに、子を持つ親には厳しい内容かもしれないし、映画だから涙流して終わるけど、もし、自分の子供が脳死だったら…⁇
映画の母と同じように藁をもすがる思いで「生」にこだわるのかもしれない。その正しい答えは無いのだろうと思う。
内容は、娘の小学校受験のために仮面夫婦を演じる夫婦。しかしその娘がプールで溺れ、脳死状態に・・・。更に思っていなかった臓器提供を勧められる。その葛藤の中で、藁をも縋る思いで看護をする母親の姿と揺れ動く夫婦の絆を、堤監督らしいヒューマンタッチで描いています。
親と子の絆とは?
死とは何か?
を今一度、私たちに問い直す、難しいテーマの作品です。
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