劇場公開日 2018年11月16日

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「原作の大切な部分が省かれてしまった気が」人魚の眠る家 まりえさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0原作の大切な部分が省かれてしまった気が

2018年11月17日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

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まりえ
アンディぴっとさんのコメント
2020年1月15日

東野さんの本は好きで何冊か読んでいますが、これはまだ未読です。映画がなかなか良かったので原作は読むのをやめようと思っていました。原作の方が良いのは想像がつくので(今までの映画、ドラマほとんどが原作の方が面白い)読んでしまうと映画がつまらなく感じてしまうのも悲しいので。
でもまりえさんのレビューを読んで、やっぱり読みたくなりました。近いうちに読みます。

アンディぴっと
グレシャムの法則さんのコメント
2018年11月22日

ラストについての蛇足。
原作ではプロローグで宗吾くんは部屋の中の薔薇を見ていますが、香りは嗅いでいません。けれどラストの空き地は何故か薔薇の香りに惹きつけられて辿り着いたかのように描かれています。嗅覚は人間の五感の中で最も古い時代に獲得した感覚であり、瑞穂ちゃんが心臓という臓器だけでなく、よりプリミティブな部分で息づいていることも表していました。映画では香りを表現するのが難しかったけれど、観る人それぞれにプリミティブな繋がりを想像して欲しかったのだと思います。でも出会ってはいけない人達なので、空き地にせざるを得なかった、という苦しい事情もあったのかもしれません。

グレシャムの法則
まりえさんのコメント
2018年11月18日

琥珀さん
コメントありがとうございます。
そうですね。そんな場面ありました。
登場人物も極力絞っていますしね。
原作で読んだ薫子という女性の多面的な魅力を私は映画では知ることができませんでしたが、どこまで表現するかの限界もありますよね。
ラスト直前のハートの木を家族で見つけたことで恐らくは受験や介護のために離婚しない夫婦へ瑞穂からの今度こそは偽りではない夫婦再生のプレゼントだったのでしょう。
そのあたりも原作とは微妙に結末が違うかもしれないと今も迷いつつ(苦笑)。

まりえ
まりえさんのコメント
2018年11月18日

Bacchusさん

そうですね。
原作にあまりにこだわりながら映画を観るのも野暮なのですが、推理という見せ場をまるまるカットしてしまったのが映画で薫子の心の動きが分かりづらく、周囲の本音もよく分からなくなってしまった一因かと思います。
ただ原作の推理は映像で持ってこられない部分なので、今はこれはこれで良かったのかなと。
ラスト直前に警察沙汰を経て親子4人でハートの木を見つけた、そこに瑞穂からの家族再生とも受け取れるプレゼントとも受け取れる場面があったのでそこから具体的なものは必要なかったかもしれませんよね。
レビューなので勝手なこと言い放題ですが(苦笑)。

まりえ
Bacchusさんのコメント
2018年11月17日

コメントありがとうございます。

唐突と感じたのはそれまで誰も主人公に向き合わせようとする部分がみえず、本人にも葛藤がある様子すらなかったからかなと。
少しでもその感じがあれば違ったのかなと思います。

ラストは前向きでも後向きでもはっきり示すと安っぽかったり、がっかりだったり、あえて示さなくて良かったとはおもいますが…ドナーとレシピエントの距離感が引っ掛かりますし、どうせ委ねられるならこのシーンはまるまるいらないと思いました。

原作を読んだら又違うのかとも思いますが、やはり映画化するに際し省略と補完は難しいのでしょうね。

Bacchus
グレシャムの法則さんのコメント
2018年11月17日

まりえ様
女教師の章がこの原作に凄味を持たせていると私も思っていますが、やはり2時間の中に収めるのが難しかったのだと思います。「後ろめたさを紛らすためでしょ!」的なニュアンスの抗議は薫子自身も実は罪悪感のようなものを抱えているからこそ出てくるのだということを表すための脚本の苦心の結果だと考えています。時間の経過もカレンダーでしか表現出来ない中では頑張ったほうかなと。
ラストは瑞穂ちゃんとのサヨナラ、そして生人くんや若葉ちゃんがトラウマを抱えないための区切りであり、前向きな選択(生人くんの転校も含めた引っ越し)の象徴だと私は捉えています。

グレシャムの法則