「体調が悪い時に観る夢」アナと世界の終わり とうさんの映画レビュー(感想・評価)
体調が悪い時に観る夢
疑問に思ったこと▼
ツッコミどころがありすぎて、でもそれもこの作品の良さの一部な気がする。
・リサとクリスはなぜテレビをつけたあとテレビの後ろに隠れていたのか。
・都合よく現れないゾンビよ。
・なぜそんな暗い道(クリスマスツリーのとこ)を歩いていくんや。やめとけ。急がば回れ。
・サヴェージ(副校長)、急にそんなとち狂ってどうした。
・そんな鈍器でちょっと叩いただけで血ぶっしゃーならんでしょ。
・首はねても死なない最初の設定フル無視で、一旦殴ったら動かなくなるゾンビよ。
・ゾンビは音に反応しているの?目で反応しているの?何を基準に襲ってきてるの?
印象に残ったシーン▼
・スノーマンゾンビをバックで殴り倒すシーン
・リサの歌唱シーン→サヴェージが卑猥だ!ポルノだ!とヘッドフォンを投げつけるシーン
・親友のジョン、クリスマスツリーの暗い道から無事脱出してきてよかったねぇ〜からの手を広げた瞬間手の甲を噛まれる。え、、、今、、、?!
・街はきっと無事だよ!からの木がグォーって燃えてるシーン
・ジョンのクリスマスツリー柄セーターをピカッと光らせるシーン。「クリスマスを着ているみたい」と苦笑いをするアナとのやりとりが微笑ましかった。
・気分を新たに歌い踊る主人公の後ろで、急にバタバタ人が死ぬコントラストに気持ちが追いつかない歌唱シーン
感想▼
・この映画のミソは、ゾンビものじゃなくても成立する話であるということである。アナと冴えない仲間たちの青春物語で良かった。でも、誰もが頭の中では誰もが妄想したことがある、ゾンビがもし街に現れたら、という妄想。自分はヒーローになってやりたいことをやって、好きなことをして生きる。それは、ゾンビなんか現れなくても少しの勇気さえあればできるんだってこと!
・主人公一行はゾンビ前とゾンビ後、どちらも変わらなかった。死を恐れずスマホに映像を残す者、街の外へ出たいと願う者、自分の言葉で現状を記す者、愛する人と愛を確かめ合う者。いつ何時でも変わらないもの、それが夢であり愛であり希望である。
・イケてない、冴えない高校生達が1人1人フォーカスされ、それぞれ抱えているものがあることが明示される。鬱々と過ごす日々。ハリウッドみたいなエンディングはない。淡々とした日々。大学に行って、就職をして、、、冴えない日々が今後もずっと続いていく。あぁ、何か面白いこと起きないかな。何か劇的に変われるきっかけが欲しいな。と思っている矢先にゾンビが現れる。その瞬間、イケてない彼らは映画の主人公になる。
・ハイスクールミュージカルにウォーキングデッド大さじ3、ホームアローンを小さじ1って感じ。
・テンポが良い。そして画面の切り替え方がバラエティというかコメディ。でも、シリアスな場面ではちゃんと泣けるし、ふざけすぎず、真面目になりすぎず、泣いたり笑ったり唖然としたり、感情が忙しい。
・親の子離れ、子の親離れの話。親は最後の最後で子を認め、生きていればいい。と言う結論に辿り着く。子は親がどうしようもなく自分を愛してくれていたことを思い知る。(もし、ゾンビが出ていなかったらアナもニックも家を飛び出し、喧嘩別れになっていただろう)
・「最後くらい、正しいことをしなさい」と言ったニックの父、「最後くらい、言うことを聞きなさい」と言ったアナの父。まさかその2人が対になっているとは。チームドリーム、親の反対を押し切る子供を持つ親の葛藤。最期のお願いが、自分の娘息子の生存であることに涙した。
・「メリークリスマス」と、アナと父が最期の別れ際に言うが、これは日本語に翻訳すると「いってきます」になるのだと思う。「愛してる」より、父と娘の微妙な関係性にはその言葉が何より適していると思った。
・田舎町から出たいと思っている人だけが生き残り、街から出て行ったのだと思った。よって、この映画で死んだ人はこの街を出る気がない人たちなのだと思う。(リサとクリスは結婚してその街にとどまる、親友のジョンはアナを引き止めようとしていたし、海外に行けないことに安心していたからこの街に残る、親世代はその街から出ることはない、など)
・サヴェージがソロで俺に従え!と歌っているシーンでは、可動式の大きな壁越しに生徒たちがゾンビに押されていて、プレッシャーや圧力をかけられている子供達を表しているのかと思った。
・ニックとサヴェージはかつての親友だったと思う。(小さな田舎町だし)で、演劇を一緒にやっていたんじゃないかな、と。誰かに(娘に)スポットライトを当てる役を担うニックと、自分が主役になりたい(先生になりきれない)サヴェージのコントラストが鮮やかだった。
・クリスマスにもう1度観たい
・私はこの映画は過去1番くらいに好き。
・歌がいい。特に、リサとステフの声が良い。
・最後にニックが生き残ったのも、なんかリアル。こういうイケてる一軍の奴ってどんな状況にも対応できる柔軟性と、強さがあるよなぁ。
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