「老体のヒーロー」デス・ウィッシュ kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
老体のヒーロー
主人公ポール・カージーは、オリジナルのチャールズ・ブロンソン版では会計士だったが、本作では救急病院の外科医だ。
この設定が効いていて、夜な夜な(昼間も)悪党を退治をしながらも、勤務先であり且つ娘が入院中の病院を上手く使って正体を 隠し、怪我をしても自分で処置できてしまう。
本作の娘役のカミラ・モローネはモデルさんだそうな。
だから少し大事に扱われているのか、ブロンソン版の娘のように犯されないし、心が荒れたりもしない。
妻を演じるエリザベス・シューは、「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」に続いて今年二度目のお目見えで嬉しい限りだが、無惨な最期を遂げる。
この妻子にブルース・ウィリスはちょっと高齢過ぎないか。
老体に鞭打って、悪党退治に悪戦苦闘する。
妻の葬儀で再会した義父が、密猟者にライフルをぶっ放す過剰防衛思想の人物で、これが自警に目覚める一つの要因となる。
もう一つの要因はテレビで見たガンショップのCM。
…しかし、知的なエリザベス・シューの父親が、あれなの?
ブルース・ウィリスは、最初はオロオロしながらも、たちまちマクレーン刑事よろしく片手で銃を撃ち抜けるようになる。
若い頃のように格好よくはないけれど、迫力は増した。
ブロンソン版では、「狼よさらば」でニューヨークの一人自警団となって悪党どもを殺しまくるが、続編「ロサンゼルス」では復讐鬼となって強盗団を追いつめる。
これ以降一作ごとにB級色を強めていく。
本作では、前半一人自警団、後半復讐鬼という展開なのだが、B級アクションにはなっていない。
クライマックスは、小道具を活かした室内銃撃バトルだ。
ここでウィリスは、もうプロフェッショナルな戦いを見せる。
ガンショップのボーナスグッズが逆転のアイテムになるというジョークがいい。
戦いを終え、刑事の粋な計らいで大団円となる。
やっぱりシリーズ化するとB級になっちゃうだろう。
本作は、メジャー級。