劇場公開日 2018年3月1日

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15時17分、パリ行きのレビュー・感想・評価

全314件中、1~20件目を表示

3.5当事者起用の狙いは

2018年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

日本においては押しも押されぬ大巨匠といった扱いのクリント・イーストウッド監督だが、本作でもサラリと良い映画を撮ってしまっている。この時はどう撮れば良いか、ああいう場面ではどうすべきか、骨身に染みて映画の撮り方を知っているという印象を与える。指摘しやすい個性を持った映像ではないが、最後まで釘付けにさせる手腕に衰えは見られない。

本作では、事件の当事者をメインキャストに据える大胆な方法を採用した。こうした手法はメジャーハリウッド映画では珍しいが、しばしば用いられており、古くは映画史上最初のドキュメンタリーフィルム『極北のナヌーク』まで遡れるかもしれない。最近ではダニス・タノヴィッチが『鉄くず拾いの物語』で実践している。

この手法の肝は虚実の境にいかに迫れるかということだ。映像はそこにある様をそのまま切り取れる表現手段だが、映像の演出は嘘をつく技術でもある。キアロスタミの『クローズアップ』はそのことに最も自覚的な作品のひとつだが、本作はそうした先達の作品群と比べれば虚実の境を追求する姿勢は薄い。

なので当事者の起用自体は筆者はあまり大きな意味を感じなかったが、それでも上質に映画に仕上がっているし、等身大の彼らの活躍に胸打たれた。人生の積み重ねに焦点を当てたのも良い狙いだと思う。

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杉本穂高

3.0異色作とはいえ、巨匠ならではのアウトサイダー的な目線はしっかりと刻印

2018年3月27日
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鑑賞方法:映画館

もしもこの映画を、監督名を伏せた状態で観せられたとしたら、私は「何だこりゃ!」と突っ込んだかもしれないが、その見方は決して正しくない。むしろ本作はきちんと監督名を踏まえた上で臨むべき映画なのだろう。

テロ事件を描いているとはいえ、それは『ユナイテッド93』とは恐ろしくかけ離れた構造を持つ。「当事者たちを起用する」という驚きの決断もさることながら、テロそのものよりも、彼らが幼少期から辿ってきた人生に何一つとして無意味なものなど無かったのだという「運命の導き」に焦点を当てている点もまた、イーストウッドらしいアウトサイダーへの温かい目線だ。

学校にも馴染めず、軍隊生活でも脱落を繰り返し、しかしそのアウトサイダーの彼らが、何かを成し遂げ、脚光をあびる。その姿を描くのに、本作もまた、教科書通りの作りを放棄して、見たこともないようないびつなアウトサイダー的な作りで臨んでいる点こそ非常に興味深い。

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牛津厚信

5.0この3人だから、映画にしたのだ。

2024年11月7日
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劇映画の説得性を高めるため、衝撃的な実話の映像化にリアリティを付与するため、事件の当事者である3人の若者を本人役として起用した。

というのは完全なる間違いである、事態は全く逆であり、
“この3人を主演にするために、3人にまつわる劇的な事件を題材として取り上げた”のだ。

そんな出鱈目を吹聴したくなるほどに、スペンサー・ストーン、アンソニー・サドラー、アレク・スカラトスの3人の若者は、個々の持つ被写体としての魅力、そして3人の関係性によって、同世代としての羨望と共感の雨を心にさめざめと降らせてくれた。

3人は幼馴染だった。
キリスト教系のスクールで、教師に目の敵にされていた3人。
大学生になり、軍隊に入り、遠く世界の果てにいながら、オンラインで近況を報告しつつ旅行の予定を立てる。
旧友との久しぶりの再会、かつて共有した時間に裏付けられた気楽さを享受しつつ、お互いの少し真剣な思いを交換する。
劇的でも何でもないシーン、アムステルダムのクラブの翌日、昼のカフェで遅い朝食を食べる3人がパリ行きを決める会話の場面に、深い感動を覚えたのは、彼らが今の若者の実直さ、堅実さ、素直さを、いささか理想的な形で代表していることに対する羨望と共感によってである。

映画を観る自分は、白人でも黒人でも、軍人でも、パリの旅行者でも、仏大統領に名誉勲章を授与される英雄でもない。
しかし間違いなく、彼らと同じ、現代を生きる若者の一人である。
彼らが僕たちを代表してくれた。
そしてイーストウッドが、彼らの実直で、堅実で、素直な姿勢を敏感にキャッチし、それをありのまま画面に乗せるという、大胆かつ繊細な決断をしてくれた。
そのような繊細な感覚によって人物を見ることができる者のみに、映画を観、語り、撮る資格があるはずなのだ。
と同時に、それは至極当たり前のことであると信じたい。

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Ka!

4.0素人のくせに良い雰囲気

2024年4月14日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

素人のくせに良い雰囲気出しているんだ、3人が。特にアンソニー。本来友達にならなさそうな雰囲気が却ってリアル(まぁ,本人達ですから)。アンソニーとスペンサーの少しつまらなそうなヨーロッパ旅行は、腐れ縁の友達同士って感じが出てて良かったです。
スペンサーは面構えも良いですね。「会ったことないけどジェイソン・ステイサムの遠縁の親戚なんだ」と言われたら信じちゃいそうです。もっともスペンサーはそんな嘘は言わなそうですが、、

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SUZ

2.5世界仰天ニュースでやったほうが面白い

2024年1月25日
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鑑賞方法:VOD

なぜこんなに無理に引き延ばすのだろう
イーストウッドだと鑑賞後に知ってショックだった

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WALLE

3.53.85いい映画見ちゃった

2023年10月29日
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いい映画だったなー。構成から見せ方まですべてが満足。
こういったジャンルは、得てしてアクション映画になってしまいがちだけど、始まりから終わりまでドキュメンタリーのように人間性にフォーカスされ、結末までGoodな流れでした。知名度バツグンの役者じゃないところもGood

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asa89

2.0手法は斬新だけど

2023年7月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

うーん。最後エンドロールでクリント・イーストウッドの名前が出てきて「マジか!?」と驚いた。シンプルにつまらなかったから

いや!分かるよ、分かる。言いたいことは分かる。もちろん、自分もその手法や演出はなかなか面白いと思うし、実話の登場人物をそのままキャストにした伝記としてはよく出来ていると思う。彼らの生い立ちがあってこそ、その"行動"の重さや意味は大きく変わってくるはずだ。

映画としての面白さを度外視してこのあたりリアルに、忠実に描いたという意味では賞賛に値するし評価はしてる。

つまるところ、それらを差し引いてこの星の数だ、ということだ。

結局ね、どこまでいっても映画に求められるのは"映画としての面白さ"だと俺は思うから。この手法は面白いとは思うんだけど……アイディアだけの映画だったかなぁと。この撮り方を貫きながら映画としての面白さを両立させていたら、本当に紛れもない天才監督だなと言ったところだったんだけれどね。

意欲作、かつ異色作としての評価は高いし見るに堪えないほど酷い映画という訳でもない。退屈ではあるけど、やっぱり撮り方は上手いなって思うし。けど、俺は映画として観るとしたら星2以上はつけられないかな。

違う切り口での評価点だったらまだ分からないけどね。三人の勇気は本当に素晴らしいと思うし、この実話を知るキッカケになるという意味では価値のある映画だったと思う。三人の勇気に敬意を

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Cro

5.0実話であることだけを知って、あとは何も知らないで観るとよいです。

2023年6月12日
PCから投稿

スリラー、サスペンス最高潮ですが、何故か酷評されてるらしいです。
その理由を考えてみましょう。

① 有名な事件なので顛末を知っている人:何が起こるのか、どう終わるのかわかっているので冗長に感じるのでしょう。→ 批評家を含めた殆どのアメリカ人
② 実話であることも含めて前提知識が全くない人: 最後に事件が展開しますが、中盤まではかつての問題児たちの人生をダラダラ描いているだけなので、途中放棄するでしょう。
③ 実話であることは知っているが、事件の内容は全く知らない人:前項の通り中盤までは何も起きないので飽き気味ですが、実話だしイースト監督だし何が起きるんだろう、というサスペンスが持続して実に面白く感じます。→ 私

イースト監督、相変わらず話の進め方が上手いです。

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越後屋

2.5実話とは知らず

2023年5月7日
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いつ面白くなるんだろうって思っていたら映画のメインの部分までならなかったんだけど、そのシーンは異様に生々しくて怖かった。
リピは無し。

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ぎょうざ

4.5テロ事件にまつわる実話と聞いてはいたが、

2023年3月31日
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鑑賞後、その3人が本人であると知り、ただただ驚き!
自然でドキュメンタリータッチな演技が素晴らしい。
特にスペンサーの軍隊での、なかなかうまきいかない、でも、人の役に立ちたい…本物の俳優レベル
 クリントイーストウッド作品、ハズレなし。すごい。

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トッキー

4.0全員事件当事者

2023年2月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

2015年に起きたタリス銃乱射事件というテロを描いた、列車内の撮影では監督と映画スタッフ以外は全員事件当事者という前代未聞の映画。実際にその事件で銃撃された被害者まで本人だというから驚きのキャスティングです。
主演の幼馴染3人は善良で平凡な人、平凡な人の平凡な日常にもこのようなことが起こりうる、なぜ彼らはテロリストに勇気を持って立ち向かうことができたのか、明らかにされます。
長年映画界に名を轟かせる87歳のイーストウッド監督が到達した境地は、本人が演じる実話に勝る映画はないということでしょうか。

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ミカエル

3.023008

2023年1月29日
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鑑賞方法:VOD

実話で、本人たちが出演とは。
映画としては微妙ですが、勇気を貰えました。

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たかたかたか

2.5これはNHK特集かなんかですか

2023年1月2日
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鑑賞方法:VOD

見た後でこれが実話で主人公は当事者本人、クリント・イーストウッドが監督という事を知った。そう言われて見ると確かにありがちな列車内パニックと一味違うリアルさ追求の映画と感じなくもないが…それがないとなんとも中途半端な映画としか言えん。予備知識前提で味わうべきというのは……邪道だよなぁ。

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あっきゃん

3.0素材の勝利

2023年1月1日
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面白かった!クリント・イーストウッドの作品はその思想が受け付けなかったが、これはよかった。素材を壊さなかったのは彼の手腕だと思う。プロパガンダ臭は相変わらず抜けないが、この作品は好きでした

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Yoichiro

3.5アメリカ映画らしい

2022年12月23日
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落ちこぼれに見える三人組が、真っ直ぐ勇気を振るう話。実話かな?

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adamsmith

3.5164位/529中 2022.12.14現在

2022年12月14日
iPhoneアプリから投稿

評価が難しい、、、、
自分は結構イーストウッド作品は
好きです。
ただイーストウッドの作品の中では
下位かなとは思うけど
自分が観てきた作品の中では
真ん中よりは全然上のランキング。

このテロ事件について
映画を作ってくださいと言われて
こういう作り方は思いつかない!
もちろん凡人の自分と
比べてはいけないけど
やっぱイーストウッドは
すごいなぁと思う。

ただ、作り方はすごいなぁと思ったけど
何日か経ってみて感動は薄いかも。

でも、考えさせられる映画ではある。

自分は、カッコつける訳ではないけど
あぁいう場にいたら
犯人に向かって行ってしまうタイプ。
と言っても、多分今は違う。
娘が産まれて父親になってから
自分は人生が激変した。
自分の命より大切だと思える。
だから、もしあの場にいたとして
娘のことを考えると行けないかも、、、
そういう人もいると思う。
でも、何もしないで全員死ぬか
立ち向かって倒してヒーローになるか
でも
立ち向かって
ヒーローになって死ぬ場合もあるし
ヒーローにもなれず
なにも出来ずに死ぬ場合もある。
彼らは素晴らしい英雄だけど
本当に本当に判断は難しい。

映画の話からは若干ズレてる、、、
でもいざというときのために
自分はどうするのか
考えておくことは大事だし
そういうことを
考えさせてくれる
素晴らしい映画だと思う。

初回鑑賞年齢→42歳
(2022年時点42歳)
初回鑑賞場所→自宅 スマホ
鑑賞回数→1回
記憶度→85%

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がんたく

0.5早送りは避けられず

2022年12月2日
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鑑賞方法:VOD

寝られる

「運命」とか「何事も無駄無意味なことはない」と言いたかったのだろう。
でもね。退屈すぎ。
なぜ観光旅行の様子を見せられなきゃいかんのだ?
ついつい早送りしちゃったよ。

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みっく

5.0こまります

2022年11月23日
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■好きなところ
マッチョたくさん
お母さん綺麗、街で会う女の子もカワイイ。
ー本当に監督の趣味がいい。
実話
パリがよくないという伏線回収
若者の挫折の描かれかた
まさかの本人起用でも違和感なし

■嫌いなところ
アムステルダムに切り替わった所が
分かりにくかったが、どうでもいい。。

人助けしてもそんなに人生変わらない
と思う。変わるのは多分3か月くらい??

でもそんな、光の差した人生の一部を
残すのが映画だと思う。
映画を作る人はそれが使命と感じて
いるのではないでしょうか。

涙が出るのをガマンしてましたが、
最後にノンフィクション作品で、
あと監督名を知って、、いつもの
監督の手法だと知りました。

監督の思い通りに感動していまい、
本当やめてほしいと思って泣いて
しまいました。

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プチトマト

3.0映画化決定!

2022年11月23日
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を地で行く映画
イーストウッドミュージックを堪能できます

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マルボロマン

4.5鑑賞後の心の落ち着かなさこそ醍醐味

2022年11月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

素人を主役にしても映画になってしまう、っていう恐ろしさ。
再現VTRにならないこの映画力ってなんなんだろうと思いながら鑑賞しました。
未知なる凄いものを観たって感じ。

そしてイーストウッドの作品をある程度見ているとこの作品の到着地点がとても重層的な意味を持つことがわかり、こんな気持ちにさせられるのも稀有なことだ。
説明するのも野暮だけど、イーストウッドはこの主人公3人のことも、称賛する政治家も、熱狂するアメリカ人(映画を見て熱くなった我々)も、薄っぺらく明日にはどちらに裏返っているかわからない、っていう前提のこのラストなのであって、あーー、なんて気持ちにさせるんだよー、って思いました。
とにかく稀有な傑作。

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あした