劇場公開日 2018年3月1日

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「87歳にして実験作⁉️」15時17分、パリ行き 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)

3.587歳にして実験作⁉️

2018年3月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館、DVD/BD

イーストウッド監督は「アメリカンスナイパー」「ハドソン川の奇跡」とどんどんノンフィクションにシフトしているように見えるが、今回は実際に事件に遭遇した人々を起用してしまった。何ということだろう? それも意外に違和感はなかったのである。また、自分はテロ事件の顛末を見るためにこの作品を観に来たのだが、テロのシーンは全体から見ればほんの少しだけだった。それよりも何だか青春映画を観ているような感じだった。監督はテロよりもどういう人間が、なぜ事件に関わったのかに興味があるようで、彼らの子ども時代から描いてみせる。落ちこぼれで、先生からはADHDだから薬を飲ませた方がいいとまで言われるような子どもたち。軍人といってもバリバリの軍人ではなく、あまり要領がよくない軍人。そんな彼らだが、人の役に立ちたいという思いがあった。だから、その時もどんなに多くの犠牲者が出たかもしれないその時も、そんな行動がとれたのだ。そして、監督は彼らを決して色眼鏡で見ることなく、正面から描いてみせる。淡々とただ事実だけをカメラで追ってゆく。決して英雄的ではない彼らが実際に多くの人々を救ったというその姿を描いてみせる。「事実は小説より奇なり」というけれど、本当にそうだなぁと思う。

瑞