「大変変わった作品である」15時17分、パリ行き ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
大変変わった作品である
大スクリーンで観るようなものでなく、どちらかとアート系の映画館で見たほうが楽しさ倍増できるイーストウッドのシネマスクエアとうきゅう路線。それをサスペンスものみたいにして当てようという配給会社の感覚は未来の映画の観客のことを何も考えていない。
作品は既に、というか何作も前から達している極みの上から人間社会をゴーストのように眺めている感覚のまま、淡々と進んで、淡々と終わる。その一瞬、その偶然へのメカニズムというか、運命の歯車を高みからみせる。それを事件の当事者(素人)で。そんなリチャードリンクレイターがやりそうな実験的映画で、もちろん予告のようなエモーショナルさはないが、なぜかそこに大いなるものを感じて人生、というか、この世界、を感じる。
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