「神話の王vs架空の怪獣」ゴジラ キング・オブ・モンスターズ てむさんの映画レビュー(感想・評価)
神話の王vs架空の怪獣
今作品は、前作GODZILLA(2014)の5年後の世界として描かれている。
今回は、GODZILLAはもちろん、キングギドラ・モスラ・ラドンなど多くの怪獣が登場してくる。メインとして戦うのはこの4種類の怪獣たちであるが、作品の中には前作で敵として戦ったムート、次回作でGODZILLAと戦うキングコングも登場する。
キングギドラは作品の中で”宇宙から来た生命体”と言われており、自然界の法則に反して、なくなったはずの首が生えてきたり、巨大な竜巻を起こしたり、ほかの怪獣たちを呼び覚まして破壊行為を行なったりする。そんな圧倒的強さを持ったキングギドラに立ち向かうGODZILLAの姿は単純な言葉だが、すごくかっこいい。一度は敗れてしまうGODZILLAだか、GODZILLAと心を通わせていた”怪獣の中の女王”であるモスラの呼び声に応えるようにもう一度キングギドラと戦うための力を蓄え始める。GODZILLAの損傷は激しく、monarchは核爆弾のなかの核エネルギーをGODZILLAに与え、GODZILLAを救おうとする。そのシーンでは、渡辺謙演じる芹澤博士が、放射線濃度が濃い海の中、GODZILLAの元へひとり向かっていく。GODZILLAの前で核エネルギーを放出することは、GODZILLAを救うと同時に芹澤博士の死を意味している。そんなシーンで芹沢博士は最後の言葉をGODZILLAにかける。「さらば、友よ」。このシーンを見た時、芹沢博士のGODZILLAに対する思い、また、そこを英語ではなくて日本語で表現した意味を感じ取ることができた。芹沢博士の最後はとても勇敢で、そしてとても悲しいものであったと思う。しかし芹沢博士は後悔することはないだろう。
いよいよGODZILLA対キングギドラの直接対決。そのシーンではやはりキングギドラがやや押している状況。そこにラドンが現れて、GODZILLAは絶体絶命かと思われたが、モスラもGODZILLAに加勢。モスラはラドンに致命傷を与えた後にキングギドラの手によって死んでしまう。しかし死んだ直後、GODZILLAにモスラのエネルギーが流れていく。ここにGODZILLAとモスラの仲を垣間見ることができた。そのおかげでGODZILLAは見事キングギドラに打ち勝つことができる。
今作品は、恋愛、家族愛、友人愛、仲間愛がテーマとして含まれているように感じた。GODZILLAとヒトvsキングギドラと怪獣。1秒も目を離すことのできない作品。何度見ても感動する。