「不満点、ほぼ0」ゴジラ キング・オブ・モンスターズ まつりばばやしさんの映画レビュー(感想・評価)
不満点、ほぼ0
今回のハリウッドゴジラ二作目にしてモンスターバース三作目である本作。
文句無しの星5でした。
今回、ハリウッドらしく壮大なスケールのCGで怪獣たちを見せてくれます。
自分はCG否定派ではないのですがゴジラという作品にGCがマッチするか見るまでとても不安でしたが、それを見事に払拭してくれました。
確かにCGの節約の為に怪獣を一部切り取ってしか映さないというカットの仕方は散見されましたが、それでもハリウッドの誇るCG技術が無ければキングギドラの首それぞれに個性を与える事やラドンと戦闘機の空中戦を表現できなかったでしょう。
日本の特撮の高評価を受けているイリスの空戦もSOSモスラとF15の空戦もCGですしね
次に話の展開ですが所々に日本のゴジラシリーズのオマージュ、リスペクトがあり監督のゴジラ愛が伝わってきます。
ゴジラを殺せと書かれているプラカードがゴジラvsデストロイアの英題であったり、海洋基地のメーサ、ギドラのモンスター0、南極基地の名前などなど…
しかし、ここで残念なのが日本人の芹沢博士に核を射たせた事に対する批判です。
「何故、芹沢博士に核を射たせたんだ!」と批判する人の多い事…
目にする批判ではありますが、ゴジラに核を与えるという行為は既に日本のゴジラでやっております。
ゴジラvsキングギドラでは旧日本軍の生き残りがキングギドラを倒す為に原潜を使いゴジラを復活させています。
だからこそ言わせて頂きますが芹沢博士がゴジラに核を与えたのは54年のオキシジェンデストロイヤーの対表現であり、VSキングギドラのオマージュなのです。
この事に気づいている日本人の少ないこと…悲しいです
また、これに伴いゴジラを只の正義の怪獣にしてしまい薄っぺらいと批判する日本人も多いのも気になりました
ゴジラは確かに当初の理念は人間への警鐘であったものの、時が経つにつれて東宝が人類の味方であるウルトラマン的な設定にしてしまったのを知らないのでしょうか?
極端な例ですがゴジラ対メガロなんて正にそれです
その事を棚に上げて監督を批判するなら、まずゴジラをこどもの国向けの大衆娯楽品にしたてあげた70年代の製作陣を批判すべきなのです。
これに関してはシンゴジラで原点回帰を果たしましたが…それはまた別の映画の話になってしまうので割愛します。
最後に不満点としてはモスラとラドンの戦闘シーンがほぼワンカットで終わってしまった事でしょうか
この戦いをもっと丁寧に描写して欲しかったですね。
しかし、本来のディレクターズカット版は上映されたものよりも40分近く長いという話。
もしかしたらそこにカットされた戦闘シーンがあるかもしれませんね