億男のレビュー・感想・評価
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ミスキャストでしょう
見ていてこんなにドキドキしない映画も初めてでした。
なんでなんだろうと考えた時に、佐藤健の設定に無理があり過ぎだったと思います。
だいたい高橋一生と同学年って、無茶の極みですよ。高橋一生何年ダブってんって話(爆)。全然同年代に見えない。
佐藤健に小学生くらいの子供がいるっていうのも、全然見えない。まだまだ歳が離れた兄妹でも通るような、見え方でした。
佐藤健が童顔で綺麗すぎるからでしょうね。
借金抱えた生活に疲れたオッサンに全然見えなかったから、感情移入しにくかったんだと思います。
宝くじが当たった時のリアクションも薄かったし、本当にこの人この作品ヤル気あったのかな?と疑いながら見てたので、すごくシラケました。
映画の内容も次から次へとアクの強い人が出てくるだけで、ただただ不愉快なだけでした。
モロッコのシーンは幻想的で、まあ綺麗だったと思います。
原作未読です。
うーん、予告編観て面白そうと、思って観たけど、な~にこのつまらなさ。
その一言しか、言い様がない、つまらなさ。
北村一輝演じてた、奴がすごーく不愉快で
イライラが、半端なかった。
キャスト陣が、豪華なのになーんでこの
つまらない映画になるんだろ。
はっきり言って、今年公開した映画の中でも、期待はずれ1位だわ。
個人的の独り言です。
先週公開した映画も、ゴミ映画だったけど、
今回も、期待はずれのゴミ映画とは。
時間とお金を無駄にしました。
現代版リメイク「芝浜」
九十九は、三億円という大金を手にした一男に奈落を見せた。そして心が入れ替わったころを見計らって現れて、三億円を返した。まるで「芝浜」のようだ。いや、「芝浜」だけじゃない。芥川龍之介「杜子春」の読後のような気分だ。九十九はまるで、「杜子春」に出てくる仙人のように一男をいたぶっておきながら、最後に、ふっと浮ついた慢心を解きほぐしてくれた。
吃音やら、九十九の人物造形にはもっと深みがあるようなのだが、尺の制約のせいか、掘り下げてはくれなかった。(だいたい、唐突に三億円が消えるところから始まる時点で、性急なストーリー展開は覚悟はしたが。)もう少し九十九という人間を表現してくれれば、ラストがもっと納得できたかもしれない。
笑顔の値段
『ハゲタカ』『るろうに剣心』の大友啓史監督最新作。
宝くじ3億円に当選した主人公が人生の立て直しを図るが、その3億円を親友が持ち逃げ。
親友の行方の手掛かりを追ううちに大金に翻弄されていく姿を描くドラマ作。
大金を手にした人々のとんでもない姿と、主人公とその親友の金では換算できない交流を
描き、結局何に人は金を使うのか?という部分が見えてくるエンタメ作になっていました。
楽しかったし、男2人の友情を描いた部分には胸も熱くなったのだけど、
個人的に大きな不満点もあったので、ちょい厳しめだがまあまあの3.0判定。
…
主人公・一男を演じた佐藤健は、いつもより地味で縮こまって見え、本当にその辺りに
居そうな普通の人に見えたし、他のエキセントリックなキャラを受ける形でうまく機能。
そして彼の親友・九十九(つくも)を演じた高橋一生が良い!
金の計算などの論理的な話や、練り上げられた落語をするときは淀みなく喋れるが、
自分の意思を示そうと懸命に喋るときは途端にどもってしまう変化が自然かつ滑らか。
掴み所のない雰囲気を漂わせているだけに、感情をストレートに伝える場面が心に響く。
彼ら2人の大学時代の屈託ない笑いと、大人になってからの疲れた表情の対比が良かった。
冗談と本音を高速でまくしたてる北村一輝、胡散臭さ全開の宣伝トークが笑える藤原竜也、
お金大好きだがちょっとハートもある池田エライザ、地味な主婦だが妙に艶っぽい沢尻エリカ、
それぞれのスタイルで大金に向き合うどの登場人物も、キャラが立っていて面白可笑しい。
万札ほいほい投げ散らし、パーティで競馬で怪しげセミナーでどんちゃん騒ぎに乱痴気騒ぎ。
札束を競馬につぎ込んだり、「1万円は0円です」という訳の分からない催眠商法に
参加させられたり、あんな人達とずっといたら誰だって金銭感覚おかしくなりそうである。
…
とはいえ主人公は、最初のパーティでは浮かれていたものの、思考は常に
借金3000万の返済にフォーカスしていたし、大金を手にしたばかりに転落
するような真似もしたくないと調べるような、割と現実的な人間である。
妻の心に気付くのは遅かったが、早い段階から彼は親友・九十九を通して
「お金の価値」に気付きかけていたという気もする。
一男と九十九の“ふたりで完璧”コンビ。
互いに互いの身を案じ、尊敬しあえる、そんな存在は当然金で買えるもんじゃない。
親友たったひとりのために、砂漠で打った最後の『芝浜』は、二人にとって
どれだけ高名な落語家の寄席より価値のあるものだったろう。
ものの価値とは何なのか? 人は金を何のために使うのか?
足元見られてボられても、それで親友が助かるなら適正な価格になることもあるし、
逆に、親友と楽しく話をできるのであれば、安い宿や飛行機でも良かったりする。
娘に買った自転車も、自転車が欲しいことを覚えてくれていたことが笑顔を生む。
お金は結局、自分や誰かを笑顔にするために使うのが一番なのかも。
まあ、高い骨董品やら大量の娯楽機材やらを買い漁って身を滅ぼしたら
元も子もないので、そこはもちろん生活を崩さないレベルでという話だが……
あれだけ万札が当たり前に画面に登場すると「あれ、なんでこんな印刷紙に
自分振り回されてんの?」という気分にはなってきます。こぉんな紙切れぇ~い。
…
しかし、本作での一番の不満点は……
黒木華演じるあの奥さんが清廉潔白すぎて、リアリティを感じられなかったこと。
だって奥さん3億円ですよ、さ・ん・お・く・え・ん!!
娘さんの学費やバレエ代を差っ引いても、余裕で一生食ってける額ですよ?
うまい棒3000万本分ですよ?(いらない)
愛想を尽かしかけてる旦那とはいえ、「三億円当たった、もう君たちも生活に
困らないよ」と言われて、あんな薄い反応見せる奥さんておるもんかしら?
そりゃあの奥さんが「3億円欲しい」とか言い出したら話のテーマ自体が台無しになってしまうけど……
他のエキセントリックなキャラより、彼女が一番非現実的に感じた。
そこを描くなら主人公が3000万の呪縛に囚われて妻子をないがしろにする様子を
もっと詳細に描くとか、3億円で心は揺らぐが断る、とかの場面がほしかった。
あと本作は、最終的には「お金を何に使うか選択する余裕がある人」の物語で終わる。
生活する為のお金に余裕があるかは言わずもがな人によりけりな訳で、例えば自分のように、
「毎月の収支は±トントンだが大きなトラブルに見舞われたら不安」という程度の人間には、
2億7000万円を自由にできる人間の言葉の説得力はやや弱めに感じてしまったかな。
…
以上! 色々と書いたが……
自分が何に金を使っているか、これからどう使うかを考え直す一助にはなる映画だったと思います。
来る11月は自分の父の誕生月である。無理しない範囲で何か買ってあげるかねえ、と。
<2018/10/20鑑賞>
原作読んでの感想です
川村元気さんのファンであり、原作を知っている状態で映画に臨みました。
映画に関してですが良かったと思います。
前作に引き続き佐藤健さんを起用しており、個人的にナイス!って思いました笑
ただ今回凄かったのは高橋一生さんですね。
原作通りに九十九のどもりを再現しており、演技としては素晴らしかったです。
あと2人とも落語が上手かった笑
好きな俳優さんの1人である藤原竜也さんが起用されており楽しみにしてましたが、もう完璧でしたね笑 楽しめました。
他の俳優さんも原作通りのイメージで素晴らしかったです。
音楽に関してもモロッコ風?のBGMが所々で使われており面白いと思いました。
主題歌のBUMPの「話がしたいよ」も内容とマッチしててリピートしてます笑
原作との比較について話すと
少々残念なところがあったなと思いました。
単純に省略が多いところです。公開時間の都合上仕方ない所もありますが、個人的には
娘と接するシーン(娘の凄くいいシーンがカットされてた?)
銀行とのやり取り(映画だとすぐに九十九の所に会いに行ってる感じがする。葛藤が見たかった)
十和子との会話(夫と話すシーンもあったんですが映画ではカット。故にちょっと物足りなさがあったかも。あと十和子が原作と少しテイストが違う?)
モロッコの旅(もうちょっと尺長めで九十九の心情とか詳しく描いてほしかった)
万佐子との出逢い(個人的にはこれが一番痛いかも。凄く素敵な出会い方をしているんですが図書館で本を紹介するシーンが少しだけ。もっと見たかったです.....)
と色々文句を言ってますが出来は良いです。
終盤の一男と万佐子との会話で、「借金に囚われ金を返すことのみを考えてばかりな結果、生きる欲を失くした。家族が大事なら一緒に協力して少しずつ返せば良かったのにそれをしなかった。」
正直かなり心に響きましたね。一男としては迷惑をかけたくないから1人で抱え込もうとしている。万佐子は家族3人でいることが大事だから一緒に返そうと思っている。
お金がなくても家族があれば幸せになれる。
お金がないと家族が幸せになれない。
この違いが2人の結末を迎えたんだと思います。
バレエのお金に関しても一男と万佐子では食い違いが起きましたし。
万佐子はお金に囚われてなかったんですね。
娘は両親が離婚するのがわかっている→三人で観れる最後の発表会だと思い踊る姿に涙を流す2人のシーンはほんとに良かったです。回想シーンと相まってより感動を与えてくれました。
お金と幸せの答えは明確には出てきません。
もともと、いろんな億万長者に会って、それぞれのお金の考え方を知り、そこから答えを考える形であり、ストーリーとしては落語の「芝浜」のオマージュです。
映画を見終わった後は「芝浜」がどんなストーリーか調べてみるのも良いと思います。
原作ではチャップリンの「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ」
がよく出てきます。
個人的にはこれが答えなんだと思います。
証拠に九十九はまた旅に出ようとしてます。ほんの少しのお金を持って。一男のお陰で気づいた九十九。
一と九十九を足して100。
ほんとに上手い表現だと思いました。
最後にですが落語研究会の飲み会に出てくる女の子が可愛かったです笑
"よそう。また夢になるといけねえ …。"
東宝のプロデューサーである川村元気の原作小説の映画化。
川村元気は若干39歳ながら、プロデューサーとして数々のヒット映画を企画していて、テーマ(原作)・監督・キャスティング・クリエイティブといった人材の化学反応を見事に引き出す。なかでも有名なのは、やはりアニメ「君の名は。」(2016)の空前の大ヒットであろう。また原作者としても、「世界から猫が消えたなら」(2016)や、「映画ドラえもん のび太の宝島」(2018)の脚本を書きおろしている。映画の企画屋としての成功者である。
本作はつくづく"企画屋さん"の考えそうな仕掛け映画である。決して悪い意味ではないが、"TSUTAYA CREATORS'PROGRAM"の作品(「嘘を愛する女」や「ルームロンダリング」)と同じ匂いがする。アタマで計算してヒットを狙った感じだ。
主演に佐藤健と高橋一生。共演に藤原竜也や北村一輝、沢尻エリカ、いまが旬の池田エライザ、そして引く手あまたの黒木華である。
きっとライバルの映画プロデューサーたちも憧れる、思い通りのキャスティングといっていい(勝ち組はなんでもできる)。
失踪した兄の借金3000万円を肩代わりした主人公・一男(佐藤健)。借金に追われる一男に愛想を尽かした妻(黒木華)は娘を連れて別居状態である。そんな一男に3億円の宝くじが当選する。高額当選に不安になった一男は、大学時代の親友・九十九にアドバイスをもらうため訪ねたが、酔いつぶれてしまい目が覚めると、九十九は3億円とともに消えてしまった。
なるほどこの映画、古典落語の"芝浜"なのね。夫婦の愛情を暖かく描いた、サゲ(オチ)のある屈指の人情噺だ。
"芝浜"の主人公は、魚の行商をしている勝。大酒呑みでうだつが上がらない。ある日、妻に朝早く叩き起こされたが、魚市場は時間が早過ぎたためまだ開いていない。誰もいない浜辺で顔を洗っていると、大金の入った財布を海中に見つける。仕事もせずに飛んで帰り、さっそく飲み仲間を集めて大酒を呑む。翌日、二日酔いで起きると、妻に"こんなに呑んで支払いをどうするのか"と問いただされる。勝は拾った財布の金のことを訴えるが、妻は"夢でも見たんでしょ"と言う…。
映画は、"芝浜"を原案としているものの、サゲが異なる。むしろ主人公の2人は大学落研に所属していて、"芝浜"のフレーズがたびたび出てくるので、ネタバレ前提のオマージュといったらいいか。ただし、ちゃんと人情噺にはなっているので、それなりに膝を叩くことができる。
"よそう。また夢になるといけねえ …。"
古典落語が永く愛されるのは、そのテーマの普遍性である。そういう意味では古典落語の中にはまだまだ映画化できるものが多くある。
同じコンセプトでいえば「らくごえいが」(2013)を思い出す。古典落語の"ねずみ"、"死神"、"猿後家(さるごけ)"を元に現代アレンジしたオムニバス映画だったが、なかなかよくできていた。
ちなみに"死神"を原案とした「ライフ・レート」では、山田孝之と安田顕、女優デビュー直後の本田翼が出演しているので、この機会にあらためて観てみるのも面白い。
(2018/10/20/TOHOシネマズ日本橋/ビスタ)
簡単なネタバレ
落語の「芝浜」を現代風にアレンジした作品です。主人公の佐藤健さんも劇中で「芝浜だな」と言っています。なぜ主人公たちが落語研究会だったのか?ここで分ります。
本作を見る前ではなく見た後に「芝浜」のストーリーを確かめる方が、本作を楽しめるのではないか?と思います。
その盃、お断りします。
適当に振ったバットにボールが当たって、みたいなヤツが年に数本あるけど、これがそうだとは。。。ホームランとは言えないけれど。
三億円と共に消えた、かつての親友を探す一男は三人の男女の元を訪れます。三人は三様に金について語ります。クリスマスキャロルみたい。
百瀬は、金には実体などなく流れ消えて行くものだと言う。彼にとって、金は留まることなく右から左へ通り過ぎるものなのでしょう。
千住は、金は神様の様なもの。皆がひれ伏す宗教だ、と力んで主張。彼自身が金に平伏しているのに、神になった気の様です。
十和子は金に背を向けた様な生活を送っていましたが、実のところ、金で女を買う男達と、金で自分を売る女達から隠れる場所が欲しかっただけみたいです。実際彼女は、金を壁に襖に扉の裏に隠して、札束に囲まれた部屋にこもっています。
一男に金の何たるかを考えさせたのは別居中の妻、万佐子でした。万佐子が一男の元を去ろうとしているのは、借金のせいでは無い。借金を返す事だけのために、愛やら子供の夢やらと言う甘ったるいものを忘れ、すっかり変わってしまった一男が嫌だっただけ。
九十九が金を持って姿をくらませたのは、一男に金の正体を知って欲しかったから。電車の中、フラリと容を現した九十九は、手付かずのままの三億を、一男に返します。モロッコから10年を経た後、再び語り合う2人。変わらない九十九は、変わってしまった一男に答を探して欲しかったのでした。
99と1。落語も、金の正体の答も、その名の通りの2人。200億でも夢は売れないと考えた九十九。家族に値段を付けるなどあり得ないと思っている一男。九十九が持ってないもので一男にあるもの。足して100。
金とは、人のこころ以外なら、なんでも手に入れる事が出来るもの。金に使われる事とは、金では買えないこころ、幸せを手放す事。でも、金を変えるのは人。人が変われば金も変わる。
九十九は、夢になってはいけない、と言い残し、モロッコに飛びます。今度は一人で夢を見つけるために。
一男は、娘を幸せな気持ちにする為に金を使い、妻の笑顔を取り戻せそうです。彼は「金を使う側の人間」になれそうです。
まず、役者さんが全員良かった。池田エライザ含め。
黒木華の最後の笑顔が凄く好き。一瞬の笑顔で、一男への失望が氷解して行く未来を予感させてくれるから。たまーに、この人の芝居は凄いと思う時があります。
役者が良い映画に外れ無し、なことも無いが、この映画の良さは、多分、それが全てだと思う。
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