「平成最後のエンターテイメント映画、になりえるか?」億男 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)
平成最後のエンターテイメント映画、になりえるか?
数年前にあるタレントさんが『お金の奴隷解放宣言』と称した
一連の発言が話題となり波紋を呼びました。
わたしはおおむね好意的に受け止めました。言い得て妙だと。
(※この発言の焦点はまた別の所にありますが…)
はたして私たちは、お金の奴隷なのか?
本作『億男』は、そこまでやいば鋭い社会的テーマを描いてはいないものの
【価値観のゆらぎ】や【本当に大切なもの】といった普遍的なテーマに
おもきを置いて表現した作品だと思いました。
お話の推進力も構造も分かりやすく、俳優さんたち個々の演技のメリハリも良く
わたしは素直に楽しめました。
さて、原作者の川村元気さんと言えば
平成の映画会の隆盛の一端を担った立役者であり、時代を築いたクリエイターの雄。
平成映画の顔と言っても差し支えないと思います。
あと半年足らずで平成から新元号に移り変わります。
そういう意味では、この時代の節目にふさわしい映画だったんじゃないのかな?
ですが、もっとエンターテイメント性をより意識したものを想像していたので
わりとシリアスなトーンで構成されてい少々気落ちしました。
原作は未読で言及できませんし
基本的には他の作品も原作と切り離して観るスタンスのわたしですが
欲をいえばもっとコメディー要素を注入して
メリハリとエッジの効いた作品が観たかったかな…
「ない物はないモロッカンストリート」と言われてますが
そんな物で溢れる『生命』の象徴のような場所も
少し離れれば広大な砂漠が広がり『死』の香りがたちまち漂う…
そんなイメージと映画のテーマが交差する時
このお話の本質が見えてくるのだろう。
追記 : わたしが今年、一番ハマった俳優は「高橋一生」さんに決まり!!
次のハ○キルーペのCMはぜひ!藤原竜也さんでお願いします!!
2018/11/15劇場にて鑑賞
ユナイテッドシネマグループの会員制サイトから転載