「原作読んでの感想です」億男 ワガさんの映画レビュー(感想・評価)
原作読んでの感想です
川村元気さんのファンであり、原作を知っている状態で映画に臨みました。
映画に関してですが良かったと思います。
前作に引き続き佐藤健さんを起用しており、個人的にナイス!って思いました笑
ただ今回凄かったのは高橋一生さんですね。
原作通りに九十九のどもりを再現しており、演技としては素晴らしかったです。
あと2人とも落語が上手かった笑
好きな俳優さんの1人である藤原竜也さんが起用されており楽しみにしてましたが、もう完璧でしたね笑 楽しめました。
他の俳優さんも原作通りのイメージで素晴らしかったです。
音楽に関してもモロッコ風?のBGMが所々で使われており面白いと思いました。
主題歌のBUMPの「話がしたいよ」も内容とマッチしててリピートしてます笑
原作との比較について話すと
少々残念なところがあったなと思いました。
単純に省略が多いところです。公開時間の都合上仕方ない所もありますが、個人的には
娘と接するシーン(娘の凄くいいシーンがカットされてた?)
銀行とのやり取り(映画だとすぐに九十九の所に会いに行ってる感じがする。葛藤が見たかった)
十和子との会話(夫と話すシーンもあったんですが映画ではカット。故にちょっと物足りなさがあったかも。あと十和子が原作と少しテイストが違う?)
モロッコの旅(もうちょっと尺長めで九十九の心情とか詳しく描いてほしかった)
万佐子との出逢い(個人的にはこれが一番痛いかも。凄く素敵な出会い方をしているんですが図書館で本を紹介するシーンが少しだけ。もっと見たかったです.....)
と色々文句を言ってますが出来は良いです。
終盤の一男と万佐子との会話で、「借金に囚われ金を返すことのみを考えてばかりな結果、生きる欲を失くした。家族が大事なら一緒に協力して少しずつ返せば良かったのにそれをしなかった。」
正直かなり心に響きましたね。一男としては迷惑をかけたくないから1人で抱え込もうとしている。万佐子は家族3人でいることが大事だから一緒に返そうと思っている。
お金がなくても家族があれば幸せになれる。
お金がないと家族が幸せになれない。
この違いが2人の結末を迎えたんだと思います。
バレエのお金に関しても一男と万佐子では食い違いが起きましたし。
万佐子はお金に囚われてなかったんですね。
娘は両親が離婚するのがわかっている→三人で観れる最後の発表会だと思い踊る姿に涙を流す2人のシーンはほんとに良かったです。回想シーンと相まってより感動を与えてくれました。
お金と幸せの答えは明確には出てきません。
もともと、いろんな億万長者に会って、それぞれのお金の考え方を知り、そこから答えを考える形であり、ストーリーとしては落語の「芝浜」のオマージュです。
映画を見終わった後は「芝浜」がどんなストーリーか調べてみるのも良いと思います。
原作ではチャップリンの「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ」
がよく出てきます。
個人的にはこれが答えなんだと思います。
証拠に九十九はまた旅に出ようとしてます。ほんの少しのお金を持って。一男のお陰で気づいた九十九。
一と九十九を足して100。
ほんとに上手い表現だと思いました。
最後にですが落語研究会の飲み会に出てくる女の子が可愛かったです笑