響 HIBIKIのレビュー・感想・評価
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原作のファンとして納得の作品
映画化のプロモーションを見てから原作を読んでみたら想像以上に面白くて、10年ぶりに単行本全てを定価で購入しました。
本作はほんの僅かに原作と違う部分はあるものの、脚本も演出も原作にとても忠実でした。
主演の平手さんは響とほとんど同じ現役高校生で、なりきっていたので今後歌や踊りをしてる姿を見たら「あ、響が踊ってるな」と私は思うでしょう。
ひとつだけ残念だったのは、漫画で一番好きだった「東京ディスティニーランド」のシーンが無かった事です。
左の棚に置くべき作品
原作は読んでいませんが、欅坂46のファンなので観に行きました。
観終わってからモヤモヤが収まりません。
それはこの映画にメッセージ性がないからです。
メッセージ性が無くなっている主な原因は脚本です。
他のレビューで指摘がありますが、原作から登場人物や場面がいくつかカットされているようです。
これについて、私はもっともっと慎重な取捨選択の上でストーリーを削って良かったと思います。
特に矢野浩明との対峙は不必要だったと思います。
あれは記者会見場でのアクションシーンに説得力を持たせるためだけに用意されたと考えられます。(とは言っても、そこでの暴行は鮎喰響の感情によるものではなく、花井ふみが責められたからとされているので、あえて事前に矢野が響を煽っておく必要はない、という矛盾があり説得力に欠けると思いますが)
さらに言えば山本春平に関する場面も不要です。
最後まで報われない、希望を見出せることができない"凡人"と天才を対比させて何が面白いのでしょうか?
これも響が電車を停める場面を作るためのセッティングだったように感じ、しかもこのシーンはかなり非現実的で醒めました。
小栗旬が名演技を見せているだけに、悔やまれます。
響が天才であるゆえに周囲にたくさん敵を作ってしまう、というのは理解できますが、1本の映画としては焦点を絞ったほうが良いと思います。
脚本がどのポイントに集中させたかったのかが分かりません。
例えば、祖父江凛夏との関係を重視するなら「天才を受け入れる周囲・周囲と打ち解けようとする天才」「社会から偏見を持たれる女子高生たちの大人への反抗」というテーマを押し出せたと思います。
ポイントを絞れなかったがゆえにテーマもボヤけた物になり、メッセージ性が失われたと思います。
一つ一つのエピソードに注目して見ればメッセージは見られなくはないのですが、映画の中で一貫したそれは私には感じられませんでした。
演技・配役については素晴らしかったと思います。
平手友梨奈は、本職のアイドルでの姿と響の人物像が重なることもあり、ハマり役だったと思います。
ただ、100点満点だったかというとそういう訳ではないです。
動物園のシーンであれだけ動物に興奮するなら、動物以上に好きなはずの小説を書いている小説家と握手するシーンではもっと感情を見せてもいいのではないかと思います。
あるいは逆に、動物に対して感情を出し過ぎない方が良かったと思います。
あの場面では鮎喰響ではなく、平手友梨奈として映りすぎです。
動物園ではあえてホームビデオ的に撮る監督の意図があったのだとは思いますが、矛盾を感じるので、日常的シーンの表現には繊細になって欲しかったです。
今後の期待としては「無表情なヒロイン」以外の役ができるようになって欲しいです。
幅のある演技をできるようになるまでの伸びしろは大いにあると思います。
アヤカ・ウィルソンにはもう少し成長を求めたいです。
周囲に本当の感情を見せなかった凛夏が、響と心を通じ合わせるようになる様子が上手く表現しきれていません。
感情をむき出しにしきれておらず、ずっとどこかに何かを隠している様に見えます。(原作でさらに秘密を抱えているという設定があるのなら私の誤解ですが)
印象に残ったのは柳楽優弥と小栗旬の演技です。
柳楽優弥のイケイケなところから響に怯えるまでの振り幅は素晴らしいです。
小栗旬については、この映画のために小栗旬を撮ったシーンだけでショートムービーを作れるのではないか、と思えるほどの名演です。
最近の邦画は見ていなかったのですが、お二人ともこんなに演技が上手いとは思っていませんでした。
その他の男優陣も味があり、彼らの演技をもっと観たくなりました。
文句をつけるとしたら、野間口徹がさらに気味悪さ・気持ち悪さを押し出した方がよかったかもしれないくらいで、その程度です。
この映画は小説家の機微を描いた知的な作品でも、女子高生の日常を描いた作品でもありません。
ただの中途半端なメッセージ性に欠けたアクション映画です。
アイドルが映画初出演で主演、脇には名優を揃えた漫画原作映画と聴けばものすごくありきたりで脚本も前述したとおり陳腐なものですが、そのそれぞれが良い演技をしており、自分には星1をつけることができませんでした。
最後に蛇足ですが、宣伝活動について。
内容をあらすじに書きすぎです。
原作があるとはいえ、ストーリーの8~9割を先に明かしてしまうのはいかがなものでしょうか。
公式ホームページもそうでしたが、特に「ケヤキのキセキ」という欅坂46の公式ゲームアプリとのコラボ企画でほとんどのシナリオを知ってしまったのは残念です。
アクションシーンもCMに使いすぎで映画館で観ても驚きはなく「あ、これ見たことある」と思うだけです。
主題歌を映画公開まで明かさないという取り組みは面白かったですが、それよりも隠しておくべきことがあるのではないかと思います。
この映画を大コケさせてはならないのは分かりますし、これが最近のトレンドならしょうがないですが、映画館で映画を観る楽しみが失われます。やめてほしいです。
自らの目で観て感じること
レビューを読んで観た気になり批評している人にこそ観てほしい作品。
暴力シーンは鳥肌が立って嫌悪すら覚えた。
それでも鑑賞後のモヤモヤと残る気持ち、自分の一つ一つの言動について考えたくなる
予告編で観た気になってたけどそれを上回った、人に伝えたくなる
好き嫌いが別れるというのは本当。
最後のエンドロール(主題歌)までが本編です。
響は15歳。
社会や大人に対して鋭く切り込んでいるが、彼女が成長していく過程で社会を見る目はどう変わっていくのか?
彼女はいつから暴力的な行為を奮うようになったのか?
小説版も映画でもまだ続きがあるように思わせるオチ。
まだ序章に過ぎないのかもしれない。
興味深い映画でした。
気になった点
・季節が移り変わり冬の設定のところで木が生い茂っている?
・冬の制服の服装もっと厚着でもよいのでは
・小栗旬のブラインドタッチのシーン、列で打ち、変換もしていない…?セリフ数が少ないのに印象的な演技に心奪われただけに、やや興ざめ
映画を見ずに原作漫画を買った方がマシ
漫画原作を読んで実写化も気になったので見てみたが見始めて本当に心の底から後悔した。
結果から言えばタイトル通り原作漫画を買った方がマシだ。
映画は4巻までの内容なので公開日と同日に発売された「響~小説家になる方法~ 公式映画原作本: お伽の庭 」の上下巻を買えば良い。
キャラクターの配役はまぁ及第点と言ったところで演技に関しても動物園のシーンを除けば悪くはなかった。(動物園のシーンはホームビデオか?と言う程度の出来栄え)
しかしいくらここまでが良く(?)ても内容の方が本当につまらなかった。
確かに104分と言う短い枠に単行本4冊分を纏めるのは時間が足りないとは思うが、準レギュラーである文芸部員のかよを抹消し、たかやのキャラの角を徹底的に削ぎ落とし、りょうたの異常加減を極力減らし、祖父江リカの1番の見せ場とも言える自分の姓のカミングアウトのシーンが一切なく気付けばみんな知っている。その上主人公響が小説をりょうたに黙って書いているにもかかわらずラストでは文芸部員(抹消されたかよは除く)と共に授賞式の中継を楽しそうに見守るなどと言う冒涜的とすら言える設定には憤りすら感じた。
そもそも原作ではノミネートの段階では作者名は「響」だけのはずであるのに今作ではフルネームを使いその結果家にまでマスコミが来ているのにも関わらず授賞式では突然フードで顔を隠す。
そして例のマイク投げつけシーンでは自らフードを取ると言うストーリーとして整合性が取れていないなどといったここでは言い尽くせないほどの不満が沢山あった。
ただ、この感想は原作ファンの感想なので純粋に女優、俳優などが見たいのであれば見ることには反対はしない。
つまらなかったです
原作が面白かったので観たのですが、期待は裏切られました。
平手さん、小栗さんをはじめとする俳優陣の演技は良かったで、星+1。
一方で、演出、構成、脚本にはがっかりしました。
原作の表現を残したところと、修正されたところが上手く噛み合ってなくて、全体として深みを感じられませんでした。
ブレない響と響を通して変わっていく周囲が上手く描けていませんでした。
さらに、最終的に、響が賞の重みや混乱の大きさなどの権威性に屈したようにも感じられて残念でした。
また、文芸部のメンバーが上手く表現されておらず、響と凛夏が殴りあえるほど親密になったようには思えませんでした。
花代子、涼太郎をもっと掘り下げて、権威との対立だけではない、響の人となりをもっと表現して欲しかったです。
衝撃作
響の漫画を読んでいますが、忠実に再現されていて、とても良かったです。ですが、できればテレビ局に殴りこみに行くところまで、映画化できていれば、良かったです。そこで、響の暴力に対する信念?が垣間見れるので。主役の子も映画初出演で大丈夫かなと思っていましたが、きちんと響を演じきっていました。とてもよく考えさせらる映画でした。主題歌も、映画の内容にあっていて、良かったです。
ブレない響
予告編の印象は今一つだったんですが、ここの皆さんのレビューの評価が良かったので鑑賞しました。
結果、皆さんを信じて良かったです。楽しめました。
月川監督、明るい映像のイメージがあったんですが、この映画はそうでも無かった気が。
(あくまでも素人の私の印象です)
それが、響のイメージに合っている気がしました。
平手さんが演じた響、声のトーンは低いですが台詞は聞き取り易い。平手さん、滑舌良いのかな。
私は原作を知らないですが、平手さんが演じた響の雰囲気、良かったです。
それと、平手さんと相性が良いのか、北川景子さんがとても活き活きとして感じました。
役者さんが、活き活きと演じてくれると、その職業が魅力的に感じられますね。
さて、ストーリーですが、自分をしっかり持っていて、周りも大切に思う主人公が真っ直ぐ進む話です。
こうやって書くとオーソドックスな映画ですね。
そして、この映画の特徴は、主人公の響が心の葛藤を一切見せない。
最初から最後まで一直線に駆け抜けた感じでした。
だから、感情移入するよりも、観てるこちらもグイグイと引っ張られて見入ってしまう感じです。
作家と編集者と言う職業の魅力、主人公の響の真っ直ぐな勢いで、とても楽しめた映画でした。
平手さん、良かったですね。
あと、山村紅葉さんにはやはり大物作家の雰囲気がありますね。
生き方、考え方がシンプルで正直
主人公は十五歳、なら、こんな刹那的な考え、生き方でも不思議はないと思えました。
原作が好きで映画化が決まってから、どんな内容になるんだろう、原作では色々な人々が出てくるので終わり方も気になっていましたが、うまくまとまっていると思います。
客席に年倍の方もいて、これは小説家に、というタイトルのせいかなあと思いましたが。
小栗旬さんの演じる産みの苦しみの姿、観ているこちらが苦しくなりました。
書きたいものがあるから書く、では、それがなくなったらどうするのか、それでも必死にしがみついて書く人もいるのとてうこと。
傑作を書かなくては作家でないのか、駄作を書くと認められないのか作家でなくなるのか。
舞台は現代だけど昔も今も作家という人間は変わらないんだじゃないか。
そんな事を考え、彷彿とさせてくれる内容でした。
大人にはスカッとというよりはモヤモヤ・・・
響の生き様に関するバックグラウンドの説明が不足しているため彼女のバイオレンスな行動に「大義名分」が見当たらない。もっと巨悪と闘う前提なら通じるかもしれないが、口喧嘩が高じて同級生の指をへし折る女子校生に正義を共感しろと言われても私には無理だ。
いちいちセリフが心象の説明っぽくてリアリティを損なうのは原作の影響なのだろうか。正直言ってテーマを感じないし、やっぱり漫画止まりの作品かなと感じる。中高生に「自分に正直に生きる(行動する)」ことを誤って伝えやしないかとむしろそっちが心配だ。
主役の平手さんは初主演にしては頑張ってるとは思うが、先ほど書いた説明っぽいセリフのせいで棒読み感が増長され気の毒な面も。
最近CMや宣伝でも見かけるが画一的な表情の作り方が多く、もっとバリエーションをつけて売り出してあげればいいのになと思う。
なめてました。
小説の世界の話だと思っていたので根暗なイメージだったが、期待を裏切ってかなりのぶっ飛び具合が良かった。小栗旬との絡みがなかなか出てこないのでちょっと引っ張りすぎ、踏み切りでのやり取りは面白かった。
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