劇場公開日 2018年9月14日

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「無敵の純粋さが響き渡る」響 HIBIKI R41さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0無敵の純粋さが響き渡る

2024年12月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

何て心に響く作品だろう。
彼女はある意味スーパーマンであり、孔子でもある。
最近はみんな漫画を実写化するのが鉄板となっているのだろうか?
漫画の世界観こそ面白さの原点になったようだ。
また、原作から抜き取った脚本とその表現方法は見事だった。
2018年
この時期はまだアイドルとか人気俳優を揃えなければならないという概念が残っていたのだろう。
しかし配役はどれも見事だった。
行き過ぎた不必要さもなかった。
君膵の監督だと知り、なるほどと思った。
君膵の原作と映画の違いの様なものはきっとこの作品でも表現されているのだろう。
主人公鮎喰響
このアクイという発音は、悪意とも取れるし悪を喰うとも取れる。
しかし彼女と善悪という概念は一致しない。
むしろ彼女が気に食わないことが悪、世間に蔓延る一般常識なのかもしれない。
無敵の純粋
これが彼女から受けた感覚だ。
面白いのが彼女のフィジカルパワー
そして不屈の信念
15歳の目に映る大人社会の在り方に対する是非
真実を曲げることなく、嘘偽りを良しとしない。
体裁を繕うことはないし、信念ために遣う暴力を躊躇わない。
この部分は伊集院静さん本人と同じだ。
物語の設定も面白い。
芥川賞や直木賞
それに向けて書く人々
「他人が面白いと思った小説に、作者の分際でケチ付けてんの?」
彼女は何故踏切の中から動かなかったのだろう?
「私は死なないよ」
死にたい人間に対し、本気をぶつけて見せた行為
鋼の体ではないが、鋼の心であるのは間違いない。
いい加減な人間に対する制裁
その責任は自分で取る。
100万部の印税は山本の目覚めのために使われた。
田中も「心が震えた」
みな彼女の生きざまに惚れこむのだろう。
内容はすべて彼女を引き立たせるためだけにある。
だから彼女は決してピンチに陥らない。
この痛快さも見事だった。

R41