劇場公開日 2018年9月14日

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「はみ出された主人公、響」響 HIBIKI @Ryota_daze27さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0はみ出された主人公、響

2018年9月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

天才女子高生小説家の響を中心として周囲の人間が彼女に影響を与えられていく。
自分を曲げないというスタイルは欅坂の楽曲にも通ずるところがあるし、さらにポーカーフェイスという部分では世間一般的な平手友梨奈の印象にも当てはまる。
全体的にもキャスティングはピッタリだったと思うが、一つの作品としての迷走感は否めなかった。

主人公の響は理屈っぽく、自分に正直で、ときに過激な行動に出たりもする。しかし、あくまでも漫画原作だということを忘れてはならない。漫画であるが故に了承できるシーンも、実写になると拍子抜けしてしまうことがある。それが原因でいくつか笑ってしまいそうになる部分があった。社会というリアリティを追求し、その世界観を観客に信じ込ませても、次第にアンバランスになってしまう状況への徹底的対処が必要だった。また、主人公に感情移入できないというのも致命的であったと思う。そこを配慮してか、友達想いな一面や憎たらしいキャラも出てきたが、それだけではまだ弱い。物語としても目的。或いは終着地点が曖昧で、小説家として名誉ある賞を取ることなのかと思えば、主人公本人としては名声を得ることに興味はなく、至って小説が好きだから。という一点張り。結局どこに向かいたいのかがわからなかった。小栗旬のキャラにしても、天才と努力家の対比をやりたいのかもしれないが、直接的な主人公との接点は薄く、イマイチ活かしきれないまま、物語そのものも収束していく。破天荒なキャラがどうこうというよりは、そんな魅力的なキャラを自由に動かせられるだけの土台が欲しかった。
「漫画の実写」という難関な壁にぶち当たった感あり。

キャラはさておき、天才小説家という役にこれだけハマっている、というより当てはめられる人物は彼女しかいないでしょう。現実でのオーラや活躍ぶりからしても天才の役は遜色ない。
小栗旬の映像だけで語る演技は見物。
ビンタ合戦も見物。

@Ryota_yade27