「きっと評価は真っ二つ」劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 よっぴーさんの映画レビュー(感想・評価)
きっと評価は真っ二つ
まずは良かった点。
ドラマの延長としては楽しめたし、2時間ドラマだと思えば、よくあれだけの要素をまとめたなという印象。
レギュラー陣一人一人を立てようという想いも汲み取れて、製作陣のやりたいことはよく分かった。
各エピソードも王道だけど、ポイントはズレてない。
ただ、ここからは悪かった点。
要素が多すぎて各エピソードの内容はとても薄い。真剣佑や花嫁の家族の苦しみ、彼女の死後立ち直るために、藍沢を始めとする医師たちが活躍するべきだった。そもそもコードブルーとはそういう話だったはず。
今回でいうと、花嫁と冴島、フェリー乗り場の親子と雪村&かたせ梨乃親子が大きなリンク軸になっていたが、あまり相互による影響は感じられず、勿体ない印象。
特に雪村親子のところは、せっかくフェリーの親子の話があるのに、藍沢に家族がいないとかの設定はいらなかった。要素が混在しすぎて、どこに感情を持って行くべきなのか分からなかった。あのお父さんがどうなったのかも分からなかったし。
あと、脳死の話がとてもいい話だったのに、ついでのように扱われてこちらも勿体ない。あの話だけで2時間いけただろうと思う。ただあのシーンは心臓移植された橘の息子に、脳死の子供の両親が勇気をもらって、橘の息子を抱きしめるんだけど、あそこは自分の子供を抱きしめるべきだった。あの状況で他人の子供を抱きしめる夫婦には違和感しかなかったし、自らの子に生まれてきてくれたことを感謝し、これからも誰かの命として生き続けて欲しいと願うべきだった。
とまぁ、色々、書いたが、
ドラマとしては80点
映画としては50点くらいだろうか。
個人的には映画館で金を取るには稚拙な作品だった。
純粋な映画好きは酷評だろうし、コードブルーファンには満足の出来だったのでは。
ひとつの物語を紡ぐには起承転結が基本、全部いきなり結を持ってこられても、泣けるものも泣けない。
最後の手紙のくだりはいらなかったし、二人の結婚式もいらなかった。もっと他に割ける部分はいくらでもあった。
結局ガッキーと山Pの影が一番薄かったのは大きな失敗だったのでは。
最後に選曲は最悪。
はい、ここからみなさん泣けるシーンですよ!と言われてるような曲のタイミングは、話の薄さを誤魔化すために感じられて残念。
要素は揃っていただけに、テレビドラマでじっくりと見たかった。