「次々に問いかけられる命の尊さと、それ故の人と人との絆。」劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5次々に問いかけられる命の尊さと、それ故の人と人との絆。

2018年7月30日
PCから投稿

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【賛否両論チェック】
賛:命の脆さを次々に問うてくる救命救急の現場にあって、その命を救い続ける主人公達の姿を通して、人と人との絆の尊さや大切さを、改めて痛感させられる。
否:どうしても治療のシーンが多く、傷口の描写もリアルなので、苦手な人には向かないかも。予備知識もやはりあった方が良さそう。

 一応冒頭で簡単にこれまでの経緯は説明してくれますが、登場人物も多いので、やはり予備知識はあった方が良さそうです。
 まず1番に改めて考えさせられるのは、救急救命の現場で否が応でも次々に突きつけられる、命の儚さです。自分の身を賭してでも救助に当たる姿や、どんな手段を使ってでも要救助者を助ける覚悟、臓器提供に当たっての葛藤等、観ていて胸が締めつけられるようです。個人的には、末期ガンの富澤に戸田恵梨香さん演じる緋山が告げる、
「あなたに残された時間は少ない。でも『今をどう生きるか』なら、選ぶことが出来る。」
という言葉が印象に残りました。
 そしてそんな命に寄り添うように描かれる、「大切な人々」の存在も見逃せません。末期ガンの富澤に寄り添う岸田や、疎遠だった母と改めて向き合うこととなる幸村、そして新しく家族になろうとしている藤川と冴島。命と向き合う現場だからこそ紡ぐことの出来る人と人との絆に、思わず目頭が熱くなります。
 なかなかテレビドラマを観ていないと感情移入は難しいかも知れませんが、奥深い人間ドラマを是非ご覧になってみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド