未来のミライのレビュー・感想・評価
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「社会」という閉域
「通過儀礼」図式のストーリーで、離陸→混融→着陸を通して、くんちゃんが大人になるビルドゥングスロマン(成長物語)だ。しかし、肝心の「混融」にあたるエピソードが断片的すぎる。
また、周囲の大人たちの過去を知って成長するという展開が説得力に欠ける。相米慎二監督『お引越し』も、やはり「通過儀礼」図式の物語だが、「混融」にあたるエピソードは、「社会の外」との接触だった。社会の外=「世界」に開かれて、社会に帰ってくると大人になっている。
『未来のミライ』でも、たしかにくんちゃんは不可思議な体験をするのだが、徹頭徹尾「社会」の域を出ない。すべてくんちゃんが生きる時間軸の上にある出来事ばかりだ。それでは体験として弱すぎる。宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』を意識したのかもしれないが、遠く及ばない。
「嫌い」とは一回も言わなかったな
公開から評価が割れに割れた今作。過去の細田作品はかなりのストライクなので、楽しみな気持ちと不安な気持ち、期待と疑問が混ざりに混ざっての観賞でございました。
夫と私は仲良く行儀よく、妹を(正確にはおかあさんを)待つくんちゃんを見守ります。
待ちに待ったおかあさんは新生児の妹ばかり世話を焼き、くんちゃんとは遊んでくれません。拗ね拗ねで中庭に出るくんちゃんの前に「元王子」という謎の男が現れ、くんちゃんの感情を鋭く指摘。
その辺りで隣から「これはダメだ~!」と絶叫が!どうした夫?!
「こんな演出ボケッと観てたらわかるわけない!低評価になってしまうのも仕方がない!(盛大な嘆き)」
うん、落ち着け。とりあえず落ち着け!
私は好きだぞ?こういうの、スゴく好みだ。説明すっ飛ばしてのファンタジー展開、いっぱい考えることがあって最高じゃないか!
君もそうだろう?だから嘆いてるんだろう?落ち着きたまえよ。どうどう。
未来からやって来たミライちゃんと会ったりする度に「どうやら事件は中庭で起きているようだぞ?」「くんちゃんの感情が爆発することがスイッチか?」などと、ストーリーの謎を埋めていくのも楽しい!
誰かと出会う度に課題を解決するくんちゃん。誰かと出会う度にその人のバックボーンを知るくんちゃん。私たちが大人になるまでの間に、本当はこんな奇跡が起きていて、だから自転車に乗れるようになったりしていたのかもしれない。そう考えると楽しくなる。
私が一番姉心をくすぐられたのはやっぱり東京駅だ。散々「好きくない」と言っていたのに、自分1人の時はオロオロするだけだったのに、妹のピンチに気張らねえ兄貴がいるかよ!とばかりにミライちゃんを守ろうとする姿に熱くなる。
何なんだろうな?
時に邪魔で目障りな存在である妹や弟なのに全身全霊守ってあげたいと思うきっかけは。
全く覚えてないのが不思議だ。やはり大人になるまでの間に(略)
無事にお出掛け前の時間軸に戻ったくんちゃんは、もうお気に入りのズボンなんて履かなくても良いと思えるくらいに成長していた。
ミライちゃんは自力で移動しようとするくらいに成長していた。
おとうさんは前より優しくなった。おかあさんは前よりイライラしなくなった。
この映画は、みんな少しずつ成長している。それこそが大切な積み重ねであるかのように。
家族の絆が再生していく物語は、実写でもよくあるテーマだし良作も沢山ある。けれどこの映画は妹が生まれる「事件」を通して家族の絆が「生まれる」物語だ。これを4歳児を視点キャラに描くとなったらアニメ以外のアプローチはないと思う。アニメでしかなし得ない素晴らしい作品だと思う。天晴れ!
テーマ性が高いがゆえに娯楽度が低いのが低評価の原因じゃないでしょうか?冒険活劇と言うには少し物足りないのは認める。
夫も今作の作家性の高さに満足したようでございました。大人向けの映画、ってことなんでしょうね。
タイトル通り時空を超える内容です。 自転車の練習、妹への嫉妬など、...
タイトル通り時空を超える内容です。
自転車の練習、妹への嫉妬など、微笑ましいエピソード満載です。
登場人物は、クレヨンしんちゃんと比較してリアリティが有って良いと思います。
戦争エピソードも少し有り、気に入っている作品です。
思っていたよりは良かった
ここでの平均評価がとても悪くあまり期待しないでTSUTAYAでレンタルしたが想像より見応えがある作品でした。
私は一人っ子で育ってきたのと、現在は子供がいないので子育ての大変さや兄弟が増えた時の気持ちは残念ながら全くわかりませんが、話を見ていくにつれお母さんとお父さんが互いに成長していくのが面白かったです。
家族一人一人のエピソードも断片的ではありますが見ていて、くんちゃんやミライちゃんに対する心情も理解できましたし、何よりひいおじいちゃんのかっこよさが一番響きました。
戦争で足を負傷してしまいビッコを引かないと上手く歩けないのにも関わらず、それにめげる事なくバイクでくんちゃんを乗せ、颯爽と走る姿はカッコよすぎ。
二輪免許を取りに行こうかな?とつい感じました。
黒木華・星野源の声優がとてもよく、特に黒木華は連続ドラマ小説"純と愛"やイチケイノカラスなどで幅広く活躍している女優さんですが、声優も上手いとは…演技も上手ですが声優も上手いとは…
上白石萌音には賛否両論がかなり沸いてますが、確かにもう少し幼い雰囲気の声を起用した方が良かったと感じます。
これで小学校低学年の役なら頷けますが、くんちゃんの設定は"4歳"ですから…
Eテレのおじゃる丸ですらこんなはっきりとは話せませんし、自分の幼少期ですらここまで話せた記憶は皆無です。
インディビジュアリズムに対する警鐘
行き過ぎた個人主義に警鐘を鳴らしている作品だと受け止めました。
主人公は今まで親の愛情を独占していたのに妹が誕生して両親が妹ばかり世話を焼くので嫉妬心や疎外感により感情を上手くコントロールできない。大人なら下の子の世話が増えるのも上の子に対する愛情が希薄になった訳ではないのは分かります。が、主人公は子供(自己中心的=個人主義)なので理解できない。
そんな主人公がタイムスリップして幼少期の母親や既に亡くなっている祖父等に会い今の自分が存在するのは歴史の連続性、連綿と続いてきた流れの途中に自分がある、と実感し最終的に妹もその流れの一部であると認める(個人から集団、共同体の一部である)ことで成長を果たす。
印象に残っているシーンで未来の駅にて親の名前が言えない(歴史が断絶している)とおぞましい電車に吸い込まれて虚無に落ちるところ。人は個人では生きられない、もしそうだとしたら、ただ生きているだけ、というメッセージを感じました。
年齢重ねてもそんな大人いるよね?早く本当の大人になろうぜ、という監督の皮肉?も感じ取れ楽しく鑑賞できました。
人間離れした魅力的な人物、ど派手な演出、どんでん返しのストーリーが好きな人には退屈と感じてしまう映画かな。
細田サイケ
金曜ロードショーで初めて見て、相当困惑しました。
が、再度見て検討した結果、細田守監督作品では「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」と並ぶ好きな作品になりました。
…別の意味で。
まず、公開規模を完全に間違えてます。
都市圏のミニシアター単館上映が相応しいです。
全国公開するには相当前衛的な内容です。
意味不明なストーリーラインと、主人公たる「くんちゃん」はじめ個性的な登場人物は全て細田守の投影であり、つまりは「家族人となった細田守の自己開示」です。
(この解釈はとあるレビューからの受け売りですが、一番腑に落ちました)
家族人としての不安感、異物としての乳児、ケモノや少年への思慕、グイグイ来る妹etc...が巧みな演出と共に描かれます。
描かれますが、特に合理的な説明は一切されないので観客はおいてけぼりです。
…が、この各シーンこそが表題の「細田サイケ」と称せる箇所です。
ぶっちゃけそれだけの映画です。
が、先に挙げた「細田守の自己開示」という補助線があるとメタ的に楽しめます。
そんな難解かつ私小説みてぇな映画を全国公開すんな、って話ですが。
子供が小さい頃を思い出して、ほっこりする
次女(9歳)のススメで、細田守作品を初めて見た。
子育て頑張ってた頃を思い出して、ほっこり。
自転車の練習をして乗れるようになるシーン、昔を思い出して、グッときた。
くんちゃんわがままだけど、可愛かったなぁ。
くんちゃん見てると、男の子の子育てもしてみたかったって思っちゃった。
この映画は、くんちゃんの小さな成長がメインテーマかな。
細田守作品、けっこう好きかもなんで、次は同じ時空を越える系の時をかける少女を見てみようかな。
子どものうちから
自己探求をしちゃった。って話
時をかける少女のアニメ化で味を占めた監督が
時をかける少女を越える気概で製作したのだろうが
パッケージだけ豪華で中身サッパリなスナック菓子のような作品だと感じた。
だが、スナック菓子故に
なんだかわからない後味が残ってるw
声優って
もうね、主役のくんちゃんが出てきてすぐ
あ、ダメだって。
全然4歳の男の子じゃないんだもの。
やたらとわがままなくんちゃんが全く可愛く思えなくてね。
そして優しい夫とクールな妻ってのもなんだか。。。
あとから声優みて
星野源! 黒木華! とくんちゃんだけじゃなく女優、俳優勢揃いだった事を知りました。
くんちゃん以外は違和感なかったので、まぁ
子供役とかムズカシイのはちゃんと声優つかいましょうよ。。。
子供と楽しめる素晴らしいファンタジー作品
細田作品は竜そばが初めて。気になって過去作品をアマプラで色々見出した。
息子と大笑いする場面もあり、監督の人間観察力、想像力、繊細で躍動感あふれる作画も凄い!って思った。子育てしてると自分の子供の頃を思い出す。子供の知育玩具とか自分も楽しめるし、自分の幼い頃や親や周りから受けた愛情ってなかなか覚えてなかったり、人間て辛い過去の方が記憶に残って幸せだった思い出に黒いシミが広がって心に穴が開くのを感じて底なしの孤独な闇に落ちてしまったりする。
自分は弟がいたけど、お前はお姉ちゃんだから我慢しなさいってよく言われて、弟が産まれてくんちゃんみたいに駄々っ子になってた事思い出した。
くんちゃんはすごく賢い子で、周りの大人達の会話やお部屋の絵本を読んであんな凄い想像の世界を作ったんだね。ホント凄いよくんちゃんは。
子供って大人が思うより大人で大人の言う事や姿をちゃんと理解してたり。ドキッとさせられることもあるし。
自分も子供の頃から、母親は理想の娘像しか見えてなくて、母の期待に沿うよう必死に頑張って喜ばせたかったし。私の気持ちは全く理解されないし興味もない人だった。家出しようとか早く宇宙から迎えが来ないかなとか、なんでこの家に生まれてきたんだ?ここは自分の家じゃないとかよく思ったわ。
弟より成績が良かったし、くんちゃんのママのエピソードが一番グッときたなぁ。
ママの弟はくんちゃんの白昼夢には出てこない。ママのアルバムの話題には詳しいエピソードが出てこなかったかな?でも、ママは結婚するまで片付けられないって話してるの聞いてたから?子供のママと思いっきり家中散らかして壊して楽しんでママを理解しようとしたんだよね。
泣き寝入りしてるママをよしよししてあげたくんちゃん。自分も両親の心の苦しさを分かってあげたいって思ってた。
世の中のママ達がよく男の子はやっぱり可愛いって言うの聞いて、その通り。母も弟には全然怒らないけど私にだけ厳しくて勉強して良い大学に行き結婚するより企業戦士として生きる事を望まれたし。そう言う世代か?
男の子は純粋でママ大好きで可愛いんだよね。
外面が良くてイクメンアピールしたい父親の設計した家が段差だらけでとても家族で住む家とは思えない。
監督の話では依頼した設計者がやたら段差の多い図面を勧めてくるって言ってるの聞いて。
それって父親やこの家族の本質に関わる大事な話だしwあの家じゃ家族や子育てに全く興味ない人だってのバレるし。
イクメンなんて嘘くさいと思ってるし、男は台所に入ってくるな。台所奉行は一人が上手くいく。
家事とかやる男に限って、オレはこんなに我慢してるんだ!とかキレてDVしたりね。外面の良すぎる男は要注意なり。
未来のミライちゃんは将来ちゃんと結婚したいって思ってるみたいで。ウチは祖母からもらった立派な雛壇ずーっと飾りっぱなしで、子供ながらに母は結婚させる気ないなって子供ながらに思った。
母は大家族で育ったけど、父は単身赴任の多い仕事人間で共働きだったから。母なりに必死に彼女が願う子供の幸せの為に頑張っできたのは頭では理解するし。
幼いくんちゃんが未来ちゃんにバナナあげてて、大きくなった未来ちゃんがお兄ちゃんバナナ食べる?って聞いてたのほっこりした。仲良し兄妹って感じでは無かったけど。
それも分かるんだよな〜。
この夫婦この先大丈夫かな?
って思わせる現実世界で締められた。
子供の描写や白昼夢の世界はとっても素晴らしかっただけに。
他の作品とは違う方向性を目指したように思える
「時かけ」「サマーウォーズ」「バケモノの子」はどれも面白く見させていただきました。
本作は、前述の作品のような起承転結を期待すると、
つまらない映画と感じると思います。
なんとなく記憶にあるCMの構成もよくなかったと思います。
というのは、本作は、
あたかも従来の作品と同じように「何かが起きて主人公が解決する」というCMでしたが、
そんな大仰なものではなく、
日常の一コマから話を膨らませていったようなお話になっています。
「誰もがみんな“くんちゃん”だった」という作中の表現からも、
”大人になった皆さんは忘れてしまったかもしれないけど、
子供にとっては日常の些細な出来事をここまで大きく感じてるんですよ。
それを映像化してみました。”
という意図が薄いオブラートのようにおおわれている感じで、
見ていてすっきりしませんでした。
大冒険的な表現寄りにした方が、作品の視聴層からしてもあっているのではないかと思います。
幼児の母目線より、素敵な作品
なんだろう、もう好きで何回も見ているのはわたしくらいなのでしょうか?
竜そばを見て細田作品を見返しまくっている私ですが、悲しくなりました…!
結論から言うと、私的には素晴らしい作品でした。
ですが子供嫌いな方、育児経験のない方、ファンタジー作品が苦手な方には理解しがたいところもあると思いますので万人受けはしないのも事実ですね。
気を取り直して感想を言わせてもらうと
私はもうすぐ4歳になる男の子を育てている母親です。
幼児特有のコロコロ変わる表情、怒った顔も泣いた顔も笑った顔も寝ている姿も、くんちゃんとってもかわいいです。声についてはたしかに上白石萌歌ちゃんの声は女の子!という感じですが、無邪気な演技が素敵で伝わってきますし声質は慣れるのであまり気になりません。むしろ本物に近い泣き声を流す方が批評が起こりそうな…
どちらかというと、赤ちゃん未来ちゃんが綺麗すぎて、赤ちゃんってもっとくしゃくしゃだよ〜と、思いました。
物語の繋がりがわかりにくい
どうして突然こうなるの?
と思う箇所についてですが、私個人の意見ですけど、子供って凄い不思議な体験で溢れていると思うんです。
夢であったり、想像力であったり、私たち大人には見えていないものも見えているかもしれませんよね。
大人が当たり前でスルーしていることも子供にとっては新しい発見で、
くんちゃんがアルバムを見たことで彼の感性が大きく刺激されたのだと思っています。
そこに理由など要らないのです。
それでくんちゃんの成長に繋がったならそれだけでいいじゃないですか。
4歳、もう言葉も沢山覚えて自我もしっかりある。けど、完璧には程遠い。
お母さんに甘えたい、どうしてこうしてくれないの。そんな幼児の姿、私にはしっくりくるところばかりでしたし、私の息子の口癖ともよく似ています。
だからくんちゃんを思いっきり抱きしめて、よく頑張ったねー!って言ってあげたいです。
あと絵が毎度のことですが素敵すぎますよね、今回はさまざまな時代を行き来しますがノルタルジーな感じから未来的なところまで楽しめます。
あと、芸が本当に細かくて関心です。
哺乳瓶やチャイルドシート、抱っこ紐もなんか見た事あるぞという感じで、あるメーカーさんのものをモデルにしているのかリアリティがありますね。子育てをしている方必見です。
お爺ちゃんとお父さんが乾杯しているビールも皆さんお馴染みですよね。
あと感動したのは、リビングの段差?に置いてある絵本や図鑑は全て実在する有名な作品で大体私は知っていました。どれも素敵な作品です。細田守監督の息子さんも読んでいるのかな?なんて思ったり、あ!これうちにある!とか、読んだことあるぞ、懐かしいな〜なんて気持ちになります。
なんか小ネタを見たみたいで嬉しいですし、細部まで拘っているところに感動を覚えます。
ここから先は少しネタバレなのですが、
?と思った箇所
未来ちゃんと未来のミライちゃんは同時には現れないのに、何故くんちゃんは高校生のくんちゃんと話すことができたのでしょう?
ミライちゃんが現れた時点で不思議なことが起こっていますし、ゆっこもそこについて考察?していたので細かいですが不可解でした。
ですが個人的に細田作品の男子高校生はクールかつリアルで好きです。かっこよくなってしっかりしている、それでいて年頃の尖った感も出ている成長したくんちゃんを見ることができて嬉しかったので良しです。
あと最後のシーンですが、両親の完璧じゃなくてもいいんだよね、頑張ってるよね、の台詞に批判している方は見かけましたが
私はそうは思いません。日々親も勉強ですし、完璧な親などいません。子供のために頑張って働き、面倒をみている。お父さん、お母さんは忙しくあまり構ってあげられないだけで怠らず育児はしっかりしていますよね。二人三脚で子育てをできる両親は正直理想です。お母さんのように育児で自分を責めること、私も沢山あるのでそういった親世代に向けての労いのシーンだと捉えております。
ただそれより、私が思っていたのはくんちゃんを抱きしめてあげて欲しかったです。
未来ちゃんを受け入れられるようになり、優しく接するくんちゃんの姿はとても立派でしたが、この映画のくんちゃんの願いはひとつ「かまって欲しい」だけだったのでは?
これだけ頑張ったくんちゃん、小学生や中学生ではなくまだ4歳です。お母さんはその事実を知らなくても、視聴者である私たちのためにもくんちゃんを抱きしめて欲しかったです。
子供の大切さ、また自分がここに存在する意味について考えさせられる
ファンタジー要素でワクワクできる
素敵な映画だと思います。
特に、子育て世代に見てもらいたい映画でした。
アニメーションが見てて楽しかった
Amazonプライムで観られるようになってたので。アニメーションの楽しさ。お父さんが料理してて吹きこぼれて湯気がぶわぁーってなるところとか、日常描写のアニメーションが、見てて楽しかった。くんちゃんのめんどくささは、今2歳の私の子どもに通じるものがあって、うわぁ・・・って、、くんちゃんの目から見た世界なので、よく分からない不思議が起こってもよく分からないままでよくって、最後の駅のシーンで急に夢感が増して、なんかその前までと違い過ぎてちょっと違和感があったけど、松之丞(伯山)さんの声はとっても良かった。話はすごく個人的なような、小さな話だった。家がおしゃれ過ぎて親近感が湧かなかった。
児童の統合失調症と、利己的な遺伝子
【細田守の作風】
細田守は忠実な表現する監督なので、実は表現にファンタジーを用いていない。
ファンタジーを用いて表現したい場合は、ちゃんと別の世界を作ってちゃんと境界線を引いている。
サマーウォーズならアバター世界、バケモノの子ならバケモノの世界がそうだ。
逆に、時をかける少女や、おおかみこどもの雨と雪は、ファンタジーな表現をしていない。
【隠れホラーアニメ】
親と子の成長を、トトロや千と千尋の神隠しと同様、隠れホラーで綴った作品。
まず、親も子供も成長したいなんて一つも思っていないのが、面白く、細田が中実に人物を描いていると感じた点である。
わがままをしたい子供と、子供を叱りつける親の構図を明確に描くことで、「成長したい=相手を思いやって自己を犠牲しよう」と誰もこれっぽちも思っていない点を起点とし、お互い自己を優先することで、他の家族と摩擦が起き、物語が線となって展開していく。
【表テーマ:児童の統合失調症】=物語の横の広がり
主人公は精神的に不安定になると幻覚を見てしまうことから、この主人公は統合失調症であることがわかる。児童の統合失調症は、100人に一人に罹る精神疾患である。
【裏テーマ:利己的な遺伝子】=物語の深さ
主人公は幻覚の中で、自身の曽祖父から大人になった自分や妹、子供時代の家族から背中を押されて何とか自我を取り戻し、結果、精神的に一歩一歩成長する。
逆をいえば、自我を取り戻せない=死に繋がるということから、遺伝子の繋がりが主人公を助け、成長を促していると言えよう。
また、遺伝子は他の生物=家族も利用している。まさに「生物は遺伝子の乗り物に過ぎない」とするリチャードドーキンスの利己的な遺伝子そのものである。
【総評】
考察のしがいがある興味深いテーマではあったものの、
全体を通して話の筋がごちゃごちゃしており、
1クールや2クールのテレビアニメをギュッと映画サイズに圧縮した感があり、
いまいちまとまりがないので減点した。
細田守家のホーム・ムービー。この脚本にダメ出しをしてくれる人が周りにいないのか?
4歳の男の子くんちゃんの、時を超えた冒険と出会いを描くファンタジー&ファミリードラマ・アニメーション。
監督/原作/脚本は『時をかける少女』『サマーウォーズ』の、日本を代表するアニメ監督である細田守。
未来から来たくんちゃんの妹、ミライを演じたのは『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』などの細田守監督作品にも出演している名優、黒木華。
くんちゃんのおとうさんを演じたのは『地獄でなぜ悪い』『夜は短し歩けよ乙女』の星野源。
くんちゃんのおかあさんを演じたのは『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』にも出演している麻生久美子。
くんちゃんのじいじを演じたのは『渇き。』『バケモノの子』のレジェンド俳優、役所広司。
くんちゃんが過去の時代で出会う青年を演じたのは『ガリレオ』シリーズや『るろうに剣心』シリーズの福山雅治。
第42回 日本アカデミー賞において、最優秀アニメーション作品賞を受賞!
第46回 アニー賞において、長編インディペンデント作品賞を受賞!
『サマーウォーズ』や『おおかみこどもの雨と雪』など、「家族」を題材としたアニメを作り続けている細田守。
今回もテーマはやはり「家族」。
とはいえ、親と子、もしくは兄弟や親戚という枠を超えた、もっと深く長い、謂わば「家族の歴史」を描こうとしており、これまでとは違う切り口へと挑戦している。
主人公はお父さんやお母さんに対して反抗的な態度を見せる、いわゆる「イヤイヤ期」の男の子。
家の本棚に仕舞われている、中川李枝子先生の名作「いやいやえん」がやけに目立つことからも、この作品は「イヤイヤ期」の男の子の成長の物語なんですよ、ということが見て取れる。
『クレヨンしんちゃん』にしろ『ポニョ』にしろ、アニメに登場する4〜5歳くらいの男の子は割としっかりものに描かれている気がする。本作のようにイヤイヤ期の子供を主人公に据え、その様子を真っ直ぐに描いたアニメなんて思い浮かばない。
そういう意味では非常にオリジナリティを感じさせる作品でもある。
因みに、中川李枝子は宮崎駿が姉と慕うクリエイターであり、宮崎駿の影響を強く受けている細田守が彼女の作品からインスパイアされたとしてもなんの不思議もない。
『時をかける少女』を彷彿とさせる、時間を超えた冒険という題材も細田守ファンにとっては嬉しいところだろう。
作画のレベルの高さは今更言うに及ばす。日本最高峰であることは明確で、特にくんちゃんの動きへの拘りには、監督の性癖すら感じられる。
原画には『カリオストロ』や『じゃりン子チエ』時代から高畑・宮崎コンビを支えて来た田中敦子女史や、鳥山明の影武者とまで言われた細田守の東映動画時代の先輩、中鶴勝祥などが参加している。
声優に関しては批判的な声も多いが、個人的にはそこまで気にならない。
例えばくんちゃんの声優が寺田心くんや、それよりももっと幼い子役だったとしても、くんちゃんというキャラクターがより良いものになったとは思えない。
小さな男の子の声優をどうするか問題は、考えれば考えるほどよくわからなくなってくる。
高山みなみや矢島晶子、田中真弓の声が少年に聞こえるかといえば全然そんなことない。
でもピッタリとハマって聞こえる。
アニメにおける少年声はリアルの少年声とは全く別のものな訳で、単純に男の子を使えばいいという訳ではないし、かといって成人女性なら誰でも演じられるかと言われればそんな訳でもないし…。う〜ん、分からん😕
そういえば、赤ちゃんミライの声は『クレしん』のひまわりと一緒かな?と思ったけど、本渡楓さん(『ゾンサガ』のさくらちゃん)だった。上手い!
イヤイヤ期の子供や、それに悩まされヒステリックになるお母さん、よそのお母さん達から"良い父親"に見られたいお父さんなど、人物描写にリアリズムを追求する姿勢は評価したい。
むしろあまりに家族をユートピア的なものとして描いている『サマーウォーズ』や『おおかみこども』よりは、本作の方が断然好きかも。
じゃあ本作が面白いのか、と問われれば「すげえつまらない😅」と答える。
もう一回観たいか、と問われれば全力で「NO😠」と答える。
よく出来た映画かと問われれば「全然ダメ〜🙅♂️」と答える。
もう壊滅的に脚本と設定がダメ。
この映画、めちゃくちゃプロデューサーが多い。
ラインプロデューサーだのアソシエイトプロデューサーだの、聞いたことのないプロデューサーまでいる。
こんなにプロデューサーが多いんだから、誰か一人くらい「この映画つまんないっすよ」って言わなかったのか?
それとも船頭多くして船山に登る的な、口出しする人が多すぎてこんなよくわからない話になってしまったのだろうか?
この映画の問題は、とにかく物語の求心力が弱すぎる点。
なんの事件も解決もなく、ただただ短いエピソードを5つくらい並べてみただけ。
全然知らないお金持ちの、というかお父さんの容姿を見てもわかるように(髭、眼鏡、髪型、机に向かって黙々と仕事をする姿etc…。この作品のお父さんって完全に自分のポートレイトを美化したものやないかい💦)、細田家のホームビデオを延々と観させられる。家でやれ家で。
山場が無いにも拘らず、クライマックスにオチだけは用意されており、こんなものを感動的な感じで観させられてもどう言うリアクションをして良いのかわからん。
大体くんちゃんが辺獄みたいな所に連れて行かれそうになった理由って、ただ青いパンツが嫌だったからだからね。こんな理由で辺獄に落とされていたら、世界中から子供がいなくなるつーの。
児童を主人公にした物語といえば、あずまきよひこの名著『よつばと!』が思い浮かぶ人も多いはず。
『よつばと!』だって別に物語に求心力がある訳では無い。基本的には日常のやりとりがダラッと続くだけ。
しかしそれでも面白いのは、キャラクターの魅力が強いことと、やはり短いエピソードを紡いでいく1話完結の物語だからだろう。
月刊連載の漫画で少しずつ展開していくからこそ、こういう子供の日常を描いた小さな物語は輝くのであって、100分の長編でヤマ無しの作品はやはり無理があるよ。キャラクターに愛着も湧かないし。
身内のイヤイヤ期だって辛いのに、赤の他人の子供のイヤイヤ期なんか観たくないって…😅
ポイントで観ていくと、1番上手くないと感じたのはひいお爺さんの扱い。
福山雅治演じるイケイケおじいは良いキャラしていると思う。でも、ひいおじいちゃんの若い頃と出会うのならば、現在のタイムラインでのひいおじいちゃんを観客に見せておかないと。
現在のヨボヨボおじいが、実は若い頃はめっちゃイケメンだった!という驚きが観客を楽しませるんだから。
子供の頃に読んでいた冒険漫画『REVE』。この作品でも主人公が過去へタイムスリップするんだけど、主人公のメンター的な禿げたじいちゃんが、若い頃はイケイケの勇者だったという展開が物語を盛り上げた。
『スター・ウォーズ』だってそうで、まずヨボヨボのオビ=ワンを観客が知っているからこそ、『ファントム・メナス』で若いオビ=ワンを観るとそれだけで興奮しちゃうという効果がある。
この王道展開は、ベタだけどやっぱり抑えておくべきものだと思う。
細かいことを言えば、新築のお家の庭に生えている樹が一族のインデックスになっているという点があまりにも飲み込みづらい。『サマーウォーズ』みたいな旧家の庭に生えている樹だというのならいざ知らず。
すごく細かいことを言えば、初めてくんちゃんが不思議な現象を体験する場面。具体的に言えば謎の王子様と出会う場面。そこで王子がくんちゃんに向かって「ひざまずけ」といって、くんちゃんがその言葉に従うという描写がある。
…イヤイヤ、4歳の男の子が「ひざまずく」なんて言葉を知っているわけがない💦
児童ものを描く場合、こういう細かいミスをしちゃうとそれだけで「ああ、この物語で描かれる子供は所詮監督の都合で動くコマなんだな」と思って冷めてしまう。宮崎駿や高畑勲なら絶対にしないミスだと思う。
あと、お雛様を片付けると言うエピソードで、未来のミライと原作のミライは同時に存在出来ないと言うことが描かれていた。同一のタイムラインに同一人物は2人存在し得ないと描いているのに、くんちゃんは自分の未来の姿と出会ってしまう。
これは設定上の大きなミスですよね。ただでさえ荒唐無稽な設定を扱っているんだから、作品内のルールくらいは守ろうよ、SFなんだから。
せっかく『未来のミライ』というタイトルにしたのだから、現在のくんちゃんと未来のミライがそれぞれ反抗期を迎えており、2人が家族の歴史を遡る冒険を行うことで、それぞれが成長し家族の絆を再発見する、みたいな王道SFファンタジーにしてしまえば良かったのに。
題材は良いだけに勿体ない、と感じてしまった。
正直、細田守には脚本家としての才能は乏しいと思う。
日本アニメ界では、宮崎駿にしろ高畑勲にしろ富野由悠季にしろ庵野秀明にしろ押井守にしろ、脚本も書ける監督が尊敬を集めて来た。
でも本来監督の才能と脚本の才能は違う訳で、どっちも出来なくちゃいけないという決まりはないんだよね。
アニメでは無いけど、リドリー・スコットやデヴィッド・フィンチャーは脚本は人に任せて監督に専念しているし、ピクサーでは複数の脚本家が物語を作っている。
細田守も他人に脚本を任せて、自分は監督に専念した方が良い作品を生み出せると思うけどなぁ…。
細田守といえば、『ハウルの動く城』の監督を制作途中で解任されるという事件があった。
ジブリの鈴木敏夫プロデューサーも酷いことするな、と思ったものだが、もしもこんな出来の脚本なりコンテなりを提出していたとするならば、解任も已む無しだわな。
全然関係ないのに鈴木敏夫の株が上がってしまう、そんな映画でした。はい。
本作は正直アカンと思う。とはいえ、アニメファンとしては細田守作品には期待してしまうし、今夏公開の新作だって多分観るだろう。次こそは頼むで!
面白いと思うが…
普通に面白いと思います。
が、細田守監督の作品の中だと下の方かなと。
くんちゃんの声は別に気にならなかったけど、子供っぽくないとは思う。
しっぽを刺すシーンが良くない?
別にそんな事ない。そういう風に考えるバカな人達がいる事に驚きだわ。
監督に失礼極まりない。
同一人物が同じ時代に入れない設定は、例外があるのかな?
まぁ、評価見ても声がキモいしか書いてないので、声優選びはちゃんとやった方が良いですね。
くすくすとするシーンが多かったけど
自分の環境にタイムリーな内容で非常に面白く観れた。数ヶ月後には長男は同じ境遇になります。ただ、くんちゃんの声がどうしても引っかかって集中できませんでした。あまりにも浮いている。慣れようと頑張りましたが、途中でまた気になる始末。正直これで点数が下がります。もったいない
想像してたのと違うストーリー
未来のミライちゃんはそんなに重要ではない。
最初の時空の歪みで未来のミライちゃんが初登場して、出しっぱなしの雛人形を片付けてとお願いしにくる。
これのせいで婚期が遅れると。
これがメインストーリーだと思ってた。
未来のミライちゃんが未来で好きなひとと結婚できなかったから未来を変えるために過去に戻り奮闘するストーリーと想像。
実際雛人形をしまうのに、くんちゃんと(主人公の男の子)とミライちゃんとペットの犬がなぜか擬人化してて、3人で奮闘する。
が、割とあっさり雛人形はしまい終える。
あれ、もう映画おしまい?と思ったけど、これはメインストーリーではなく、くんちゃんが何か嫌なことがあるたびにタイムリープして、家族の過去や未来を見に行くお話でした。
なのでショートストーリーがちらばってて、あまり入り込めないまま次のストーリーへ遷移する。
くんちゃんが4歳の男の子とは思えない喋り方(声優合ってない。。)、理解力でこれもまた感情移入できない。タイムリープの概念そんなにあっさり理解できるもんなのだろうか。
あれは過去のママなんだ、とかあれはひーじいじだったんだ、とか分からんでしょ。4歳で。
そういう天才4歳児みたいな描写ならまだしも、パパがなにかすると、ママじゃないと嫌だと駄々こねたり、ミライちゃんばかり構う両親にわがまま言って泣き喚いたり、普通の4歳児。
ペットのワンコが擬人化したのはタイムリープの力が、そうさせたのだろうか?そこもよくわからず。
空からの俯瞰の映像、過去の横浜の街をバイクで走るところ、未来の東京駅など、映像美はよかった!
ストーリーとしては、うーん。
どの層向け?
DVDにて視聴。
最初は全然面白くなかったが、最後のインデックスの件からはよかったと思う。
ひいじいちゃんのかけっこが出たところはよかった。
しかし、そのインデックスに行くところまでがダルすぎる。突然擬人化する飼い犬、未来から来た妹、突然の場面転換の数々…
頭が全然追いつけなかった。
タイトルが『未来のミライ』だからくうちゃんとミライちゃんの冒険ものか何かかと思ったらそういうわけでもなかったし。
ってか、タイトルにするほど未来のミライちゃん出てなくないか。
見ていて終始どの層向けなのかもよくわからなかった。子供達は当然理解できないだろうし、高校生以上の子供いない世代も共感しにくいだろうし(僕はここ)、親世代は子育てシーンに共感できたとしても、それ以外のシーンはどうだろうか。
他の人の評価を見ると「くうちゃんがわがまま」とヘイトが多いが、僕は4歳児ならあんなものだろうと思う。急に妹が現れて親や周囲の視線がそっちに行ってしまい、今までの分の愛情が注がれなくなったら、あんな感じになるのが自然だろうと思う。
トータルで考えると微妙なアニメだったな
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