「子供と楽しめる素晴らしいファンタジー作品」未来のミライ むみんはなさんの映画レビュー(感想・評価)
子供と楽しめる素晴らしいファンタジー作品
細田作品は竜そばが初めて。気になって過去作品をアマプラで色々見出した。
息子と大笑いする場面もあり、監督の人間観察力、想像力、繊細で躍動感あふれる作画も凄い!って思った。子育てしてると自分の子供の頃を思い出す。子供の知育玩具とか自分も楽しめるし、自分の幼い頃や親や周りから受けた愛情ってなかなか覚えてなかったり、人間て辛い過去の方が記憶に残って幸せだった思い出に黒いシミが広がって心に穴が開くのを感じて底なしの孤独な闇に落ちてしまったりする。
自分は弟がいたけど、お前はお姉ちゃんだから我慢しなさいってよく言われて、弟が産まれてくんちゃんみたいに駄々っ子になってた事思い出した。
くんちゃんはすごく賢い子で、周りの大人達の会話やお部屋の絵本を読んであんな凄い想像の世界を作ったんだね。ホント凄いよくんちゃんは。
子供って大人が思うより大人で大人の言う事や姿をちゃんと理解してたり。ドキッとさせられることもあるし。
自分も子供の頃から、母親は理想の娘像しか見えてなくて、母の期待に沿うよう必死に頑張って喜ばせたかったし。私の気持ちは全く理解されないし興味もない人だった。家出しようとか早く宇宙から迎えが来ないかなとか、なんでこの家に生まれてきたんだ?ここは自分の家じゃないとかよく思ったわ。
弟より成績が良かったし、くんちゃんのママのエピソードが一番グッときたなぁ。
ママの弟はくんちゃんの白昼夢には出てこない。ママのアルバムの話題には詳しいエピソードが出てこなかったかな?でも、ママは結婚するまで片付けられないって話してるの聞いてたから?子供のママと思いっきり家中散らかして壊して楽しんでママを理解しようとしたんだよね。
泣き寝入りしてるママをよしよししてあげたくんちゃん。自分も両親の心の苦しさを分かってあげたいって思ってた。
世の中のママ達がよく男の子はやっぱり可愛いって言うの聞いて、その通り。母も弟には全然怒らないけど私にだけ厳しくて勉強して良い大学に行き結婚するより企業戦士として生きる事を望まれたし。そう言う世代か?
男の子は純粋でママ大好きで可愛いんだよね。
外面が良くてイクメンアピールしたい父親の設計した家が段差だらけでとても家族で住む家とは思えない。
監督の話では依頼した設計者がやたら段差の多い図面を勧めてくるって言ってるの聞いて。
それって父親やこの家族の本質に関わる大事な話だしwあの家じゃ家族や子育てに全く興味ない人だってのバレるし。
イクメンなんて嘘くさいと思ってるし、男は台所に入ってくるな。台所奉行は一人が上手くいく。
家事とかやる男に限って、オレはこんなに我慢してるんだ!とかキレてDVしたりね。外面の良すぎる男は要注意なり。
未来のミライちゃんは将来ちゃんと結婚したいって思ってるみたいで。ウチは祖母からもらった立派な雛壇ずーっと飾りっぱなしで、子供ながらに母は結婚させる気ないなって子供ながらに思った。
母は大家族で育ったけど、父は単身赴任の多い仕事人間で共働きだったから。母なりに必死に彼女が願う子供の幸せの為に頑張っできたのは頭では理解するし。
幼いくんちゃんが未来ちゃんにバナナあげてて、大きくなった未来ちゃんがお兄ちゃんバナナ食べる?って聞いてたのほっこりした。仲良し兄妹って感じでは無かったけど。
それも分かるんだよな〜。
この夫婦この先大丈夫かな?
って思わせる現実世界で締められた。
子供の描写や白昼夢の世界はとっても素晴らしかっただけに。