「幼児の母目線より、素敵な作品」未来のミライ てゃさんの映画レビュー(感想・評価)
幼児の母目線より、素敵な作品
なんだろう、もう好きで何回も見ているのはわたしくらいなのでしょうか?
竜そばを見て細田作品を見返しまくっている私ですが、悲しくなりました…!
結論から言うと、私的には素晴らしい作品でした。
ですが子供嫌いな方、育児経験のない方、ファンタジー作品が苦手な方には理解しがたいところもあると思いますので万人受けはしないのも事実ですね。
気を取り直して感想を言わせてもらうと
私はもうすぐ4歳になる男の子を育てている母親です。
幼児特有のコロコロ変わる表情、怒った顔も泣いた顔も笑った顔も寝ている姿も、くんちゃんとってもかわいいです。声についてはたしかに上白石萌歌ちゃんの声は女の子!という感じですが、無邪気な演技が素敵で伝わってきますし声質は慣れるのであまり気になりません。むしろ本物に近い泣き声を流す方が批評が起こりそうな…
どちらかというと、赤ちゃん未来ちゃんが綺麗すぎて、赤ちゃんってもっとくしゃくしゃだよ〜と、思いました。
物語の繋がりがわかりにくい
どうして突然こうなるの?
と思う箇所についてですが、私個人の意見ですけど、子供って凄い不思議な体験で溢れていると思うんです。
夢であったり、想像力であったり、私たち大人には見えていないものも見えているかもしれませんよね。
大人が当たり前でスルーしていることも子供にとっては新しい発見で、
くんちゃんがアルバムを見たことで彼の感性が大きく刺激されたのだと思っています。
そこに理由など要らないのです。
それでくんちゃんの成長に繋がったならそれだけでいいじゃないですか。
4歳、もう言葉も沢山覚えて自我もしっかりある。けど、完璧には程遠い。
お母さんに甘えたい、どうしてこうしてくれないの。そんな幼児の姿、私にはしっくりくるところばかりでしたし、私の息子の口癖ともよく似ています。
だからくんちゃんを思いっきり抱きしめて、よく頑張ったねー!って言ってあげたいです。
あと絵が毎度のことですが素敵すぎますよね、今回はさまざまな時代を行き来しますがノルタルジーな感じから未来的なところまで楽しめます。
あと、芸が本当に細かくて関心です。
哺乳瓶やチャイルドシート、抱っこ紐もなんか見た事あるぞという感じで、あるメーカーさんのものをモデルにしているのかリアリティがありますね。子育てをしている方必見です。
お爺ちゃんとお父さんが乾杯しているビールも皆さんお馴染みですよね。
あと感動したのは、リビングの段差?に置いてある絵本や図鑑は全て実在する有名な作品で大体私は知っていました。どれも素敵な作品です。細田守監督の息子さんも読んでいるのかな?なんて思ったり、あ!これうちにある!とか、読んだことあるぞ、懐かしいな〜なんて気持ちになります。
なんか小ネタを見たみたいで嬉しいですし、細部まで拘っているところに感動を覚えます。
ここから先は少しネタバレなのですが、
?と思った箇所
未来ちゃんと未来のミライちゃんは同時には現れないのに、何故くんちゃんは高校生のくんちゃんと話すことができたのでしょう?
ミライちゃんが現れた時点で不思議なことが起こっていますし、ゆっこもそこについて考察?していたので細かいですが不可解でした。
ですが個人的に細田作品の男子高校生はクールかつリアルで好きです。かっこよくなってしっかりしている、それでいて年頃の尖った感も出ている成長したくんちゃんを見ることができて嬉しかったので良しです。
あと最後のシーンですが、両親の完璧じゃなくてもいいんだよね、頑張ってるよね、の台詞に批判している方は見かけましたが
私はそうは思いません。日々親も勉強ですし、完璧な親などいません。子供のために頑張って働き、面倒をみている。お父さん、お母さんは忙しくあまり構ってあげられないだけで怠らず育児はしっかりしていますよね。二人三脚で子育てをできる両親は正直理想です。お母さんのように育児で自分を責めること、私も沢山あるのでそういった親世代に向けての労いのシーンだと捉えております。
ただそれより、私が思っていたのはくんちゃんを抱きしめてあげて欲しかったです。
未来ちゃんを受け入れられるようになり、優しく接するくんちゃんの姿はとても立派でしたが、この映画のくんちゃんの願いはひとつ「かまって欲しい」だけだったのでは?
これだけ頑張ったくんちゃん、小学生や中学生ではなくまだ4歳です。お母さんはその事実を知らなくても、視聴者である私たちのためにもくんちゃんを抱きしめて欲しかったです。
子供の大切さ、また自分がここに存在する意味について考えさせられる
ファンタジー要素でワクワクできる
素敵な映画だと思います。
特に、子育て世代に見てもらいたい映画でした。