「良く出来ている。しかし上位2割の人しか共感できない。」未来のミライ tanmyaさんの映画レビュー(感想・評価)
良く出来ている。しかし上位2割の人しか共感できない。
緻密な表現、限られた空間での効果的な演出、よく観察された子供の動きと独自性のある成長ポイントの表現。良いところも沢山ある意欲的な作品だと思う。子を持つ身としては共感出来る部分もあるし、あるあるを楽しむこともできる。しかしそれ以上の感動を得ることは出来ない。理由は先に書いた通り経験済みだから。得てしてクリエイティブを生業にする人は子供が出来ると子育てこそが最大のクリエイティブ業だという罠に堕ちいってしまう。特に映画に描かれている年齢層は強くそう思える時期だ。本当の子育てはまだまだこれからだということも多くの経験者は知っているからこういう時期もあったよねぇ以外の感情はそうそう湧いては来ない。何より見せ付けられるのはなんともオシャレな家に住み子供を二人育てる余裕のある今の日本においては上位2割の勝ち組リア充生活。この映画を見に来る人たちの殆どが共感できないだろうし、ただ不快な思いをするに違いない。リアリティがあるゆえに恋愛すらままならない今の日本の多数とは隔世の話だ。ミニシアター系の映画であるなら許せても細田監督はもうロードショー公開監督である。サービス精神とエンターテイメント性は必須の条件であることを忘れてはいけないと思う。
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