劇場公開日 2018年7月20日

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「解説。」未来のミライ チョコミントさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5解説。

2018年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

幸せ

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チョコミント
2018年8月17日

楽しく拝見させて頂きました。
肝心のタイトルについての解説がありませんが?
自分としては、このタイトルが低評価の原因だと思うので。

なつみみかん
2018年8月15日

解説がすばらしい。
ミライちゃんを叩こうとする列車のおもちゃがまさかドクターイエローだったとは。
パンフレット見返しました。
ありがとうございました。
となりのトトロ、ハウルの動く城の様な少し前の宮崎アニメを思い出しました。
観た当初は分かりづらい。
ただ、後々設定を聴かせられると「なるほどな」感がある。
そんな作品に似てますね。

巫女雷男
チョコミントさんのコメント
2018年8月14日

続き

家族でキャンプに行く事になった。新しい家族が出来て初めての遠出だ。しかし家中に電車のおもちゃが広げられていた。(これから起こるファンタジーの東京駅のようでもある)
今回はミライちゃんに嫉妬するんじゃなくて、ズボンの色が気に入らない。くんちゃんはどうしても黄色いズボンが良かった。(ドクターイエローと同じ色。もしかした最初のパートと同じ様にくんちゃんの心のメンテナンスを必要としていたのかもしれない。様々なファンタジーでくんちゃんの心は癒され、少し成長したのかもしれないが、ミライちゃんを好きになるという所までは達していない。親に構ってもらえない不満もまだまだ残っているだろう。欲求不満なくんちゃんは満たされない分、わがままを言いう事で心を満たそうとしていたのかもしれない。それがどうしても黄色いズボンがいいという事だ。ドクターイエローと同様に、わがままだが心の叫びでもある。(暴力を振るわない分成長はしている事を見逃してはならない))
ついには家出をしようとした。(自転車に乗れるようになり自分の力で遠くへ行けるようになったくんちゃんは、行動も大胆になっていた)
だが親は自分を探そうともしなかった。
それはとても寂しい事でまるで親に見捨てられたかの様だった。
親に依存している子どもにとってそれは全ての人から見捨てられて、一人ぼっちの孤独の恐怖を味わう事に等しかった。

ファンタジーが生じ、どこかの田舎風の駅にいた。
そこには高校生の男子(未来のくんちゃん)が電車を待っていた。(もしかしたら未来のくんちゃんも家出というか、自分探しの旅でファンタジーの世界に迷い込んだのかな。横浜という都会に住んでるのに田舎の駅を出発しようとしているのがファンタジックに感じた。電車の行き先がファンタジーの東京駅だから、もうここからファンタジーは始まってるんだろう)
そしてくんちゃんの事をわがままだと文句を言った。
言い合いがエスカレートし「好きくない」と言い合うまでになった時に電車がやってきた。
その電車に未来のくんちゃんではなく、くんちゃんが乗ってしまった。
するとファンタジーの東京駅に来てしまった。
迷子になってしまったくんちゃんは、持ってきていたジュースを飲んで(これからの事に備えてエネルギーを補充するように)、仕方なく落とし物係の元へ行った。
そこでなくしたのは自分自身と言われた。

チョコミント
チョコミントさんのコメント
2018年8月14日



(くんちゃんは自分自身をなくし存在意義を失っていた。ミライちゃんが生まれてた時からそれは始まっていた。だから親の愛を一人占め出来ていた過去に戻りたかった。わがままやミライちゃんへの攻撃は存在意義をなくしたくんちゃんの抵抗でありもがきだった)

自分の存在を証明するためにこの不思議な落とし物係に家族の名前を聞かれたが、くんちゃんは答えられない。(親に依存する事は自分の存在意義にならないかのようだ)

答えられずにいると黒い新幹線に乗せられて一人ぼっちの国へ無理やり行かされそうになる。(存在意義をなくし家族に見捨てられたくんちゃんの恐怖を怖いデザインがうまく表している)

必死に乗らないように抵抗をしたくんちゃん。そこに突如、ハイハイしてるミライちゃんが表れた。くんちゃんはミライちゃんを助けた。

ここで自分はミライちゃんのお兄ちゃんだという新しい存在意義を見つけた。

(親への依存とミライちゃんへの嫉妬するだけだったくんちゃん。
昔に戻ろうとしていてもがいていた。
しかしファンタジーの旅の果て、こんな遠くまでやって来た末に、ミライちゃんのお兄ちゃんへと成長した。
ずっと続いていた嫉妬を乗り越えて成長したのだった)

落とし物係がミライちゃんを呼びだして未来のミライちゃんが時空に迷っていたくんちゃんを連れ戻しに来た。

東京駅を飛び去り、庭の木、家族の歴史のインデックスから現在を探そうとした。

探している内に他のインデックス、家族の歴史が見えた。

猫が燕を殺して泣いているお母さんがいた。(3パートで寝てる時に涙を浮かべたのは、ばぁばとの思い出話でこの記憶が蘇り夢に見たのだろう)

自転車になかなか乗れずに悔しい多いをしているお父さんがいた。(くんちゃんが自転車に乗れた時に、泣きながら喜んでいた。大げさすぎる喜び方にはこんな理由があった事があったんだ)

海で足を怪我したひいじぃじがいた。必死に泳いで助かろうとしてた。(自分が足が悪いから、それを埋めるためにバイクに凝っていたのかな。足が悪い事に強い劣等感があったのかもしれない。4パートの時に書いたように、くんちゃんがじぃじがかっこいいと言った事は大きな意味を持つ。足の劣等感を抱えているひいじぃじは人として自信を失っていた。そんな自分を純粋にかっこいいと言う言葉は、劣等感を克服させ自信に変えたのかもしれない)

チョコミント
チョコミントさんのコメント
2018年8月14日



求婚のかけっこをしているひいじぃじがいた。

(足の劣等感を克服したからこそ、以前は諦めていたプロポーズを申し込めたし、足を引きずりながらでも走り続ける事が出来たんじゃないだろうか。
評論家の方が指摘しているようにお父さんと間違われた事が結婚して父になる事をイメージさせ、後押ししたのもある。
ミライちゃんが未来からやってきたように、くんちゃんも過去へ行ってひいじぃじを救った。
ファンタジーによってくんちゃんが助けられているだけではなく、もしかしたらくんちゃんがひいじぃじ以外にも家族を助けていったのかもしれない。
ゆっこの追いやられた気持ちを聞いた。いいドックフードを買ってもらえるように言った。
ミライちゃんの恋心に付き合った。
お母さんが猫のショックな事を思い出した時に頭を撫でた。
お父さんの自転車に乗れなかった辛い気持ちを、自転車を乗れるようになって慰めた。
そして最後は、高校生になって何かの壁にぶつかって悩んでいた未来のくんちゃん。
自分探しの旅に出ようとしていた変わりに電車に乗って救った。(未来のくんちゃんが怖い新幹線に乗っていたのかもしれない)

余計な話だが、かけっこのゴールの木がくんちゃんの家の庭に木だったらすごくロマンチックだったのになと思った。ミライちゃんの手のあざのような目印があったらよかったのだけど)

そして家に戻ってきたが田舎の駅にいた高校生がいた。ミライちゃんはバナナを食べていた。

現在ではなく未来に来ていたのだった。

(ミライちゃんが生まれる前に戻りたいともがいていたくんちゃんが未来へ来れたのは、象徴的に前進したのを表しているようでもある。
 しかもそこでは、くんちゃんが当然のようにミライちゃんのお兄ちゃんをしている様子が見られる。

現在に戻ったくんちゃんは、あれだけこだわっていた黄色のズボンには見向きもしない。

ミライちゃんの所へ行って、未来で知った好物のバナナをあげた。

(最初はドクターイエローでたたいが、最後はバナナをあげた。
同じ構図、黄色い同じ様な形のものをミライちゃんの前で持っているくんちゃん。
変化した点は暴力からやさしさ。
成長してお兄ちゃんになった)

二人は豪快に笑い合った。

今までは嫌だとか好きじゃないというネガティブな事を言い続けてきたが、最後はお母さんに呼ばれてはーいと肯定的な返事で幕を閉じた。

チョコミント
チョコミントさんのコメント
2018年8月14日

   続きラスト

くんちゃんの声について、最初から違和感を感じませんでした。

細田監督は子どもっぽくしないでくれと演技指導してたみたいですね。

現実的な4歳児を描こうとしているのではなく、4歳児と通して人の持つ嫉妬や寂しさや怒りや悲しさやわがままや喜びや嬉しさを、原始的で本能的に描きたかったんだろうと思います。

4歳児が面白い出来事を体験するのではなく、体験を通じた4歳児の内面を描こうとしているので正しい演技指導と思う。

自分を抑え込んで4歳っぽくするのではなく、思い切ってありのままの声を出していかなければならない。

わんぱくでもあり寂しさも感じさせる声質もくんちゃんにぴったり。

だから大正解のキャスティングだと思います。

美しい映像、丁寧な登場人物の動き、音楽、歌、それに緻密な脚本。

とても素晴らしい作品だと思います。

評価が分かれているのは、作品として見ている人と、エンターテイメントとして見ている人がいるためだと思います。

カンヌでも評価されたように、作品としてはすばらしい。

しかし、エンターテイメントとしてみたら、4歳児という共感が難しい主人公、兄弟葛藤という馴染みのないテーマと、解釈を必要とする表現と、外的に派手な出来事が起こらないストーリーにより、残念ながら退屈な映画になってしまいました。

チョコミント