「子供の孤独を描いた作品」未来のミライ たまさんの映画レビュー(感想・評価)
子供の孤独を描いた作品
今までの細田監督の作品が楽しかったので今回も見てみましたが、一体どうしたの?と言いたくなる内容でした。
雰囲気で見る作品だとしても理由や伏線、回収が不明瞭過ぎて普段からアニメ作品に触れている人にはぺらぺらに見えると思います。
くんちゃんの癇癪は4歳児であれば当然のことで、くんちゃんを無視する親の表現が極端過ぎて見ているほうがつらかったです。
ファンタジーを挟んで夢の中?で色んなことを学んでくんちゃんは成長していきますが、親からは何も学んでないんですよね。
親から与えられた孤独をフィクションで埋めていく姿が痛々しくて見ていられませんでした。
親たちが最後に子供達と過ごすことで自分たちが変わった、ということを言うときにうろ覚えですが「あの子達のせいだよね」という言い方をしたのも一気に子供がつきはなされたように感じました。いい意味で言ってるはずなのに言葉の選び方が冷たすぎると感じました。
家族愛を謳っているわりにはとにかく親のありかたに疑問をもちます。
また、未来のミライという作品名なのに対して未来のミライちゃんがほとんど出てこないのもタイトルとしては失敗だと思います。
未来からやってきた理由がないのも物足りない。
良かったところは映像の美しさとひいおじいちゃんのエピソードです。ひいおじいちゃんの生きざまを作品にしたほうが良かったんじゃないですか?
同監督の今までの作品と比べてしまうのでかなり厳しめの評価となりますが久しぶりの上映の途中で帰りたいと思う作品に出会いました。
普段あんまりフィクションを見ない、育児経験のあるママあたりが見たらこんなことあったな~と楽しめるのかもしれません。
子供の孤独表現として結構ホラーな演出が入るので小さいお子さんにも向いてないと思います。夏休みなのでお子さんを連れて映像見に行くなら別のアニメ作品にされることをオススメします。