「いのちの“軽さ”は少女の“叫び”」ミスミソウ 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)
いのちの“軽さ”は少女の“叫び”
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わたしが思うラストの解釈です。
スパッとサクッと簡単にヒトを殺傷します。
「そんな簡単にヒトの身体に致命傷を与えられる?少女が?」
…と、ふつうはツッコミを入れるでしょう。
「ただ派手なだけで、真に迫るものがなくシラケる。
いのちを軽く扱っていてけしからん!」
…と、少なからず皆さんのレビューにたがわず、わたしもそう思いました。
エピローグを迎えるまでは…
この映画が公開され話題になっていた時、
近くで上映されている劇場がなかったので
とりあえず〈完全版〉と銘打った原作を読みました。
映画はほぼほぼ原作に忠実なお話だと思います。
でも、決定的に違うのはラストです。
妙子が生き残っていたのです。
最初に春花と過ごした時間を、卒業式のあとに妙子は思いだしています。
このラストシーンがわたしには
閉塞された街で、鬱屈した少女の、声なき叫びのようにみえました。
最初から春花もいなく、事件もなく、
もしかしたら、妙子がすべて頭の中で妄想していた物語なのでは?
とすら思えてきました…
よって、傍らに武器が転がっている都合の良い展開や
想像上によるであろうところが、(あくまで仮定ですが)
いのちが簡単に失われていく表現に繋がっているのだと思いました。
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