ミスミソウのレビュー・感想・評価
全136件中、1~20件目を表示
初主演映画にスプラッター復讐劇を選ぶ山田杏奈の心意気
はかなげな美少女の山田杏奈、本作が映画初主演だという。本人も所属事務所もよく受けたものだと感心する。凄惨なスプラッター描写にばかり目が行きそうなジャンル映画ではあるが、実はこのヒロイン、悲しみや絶望、激しい怒りといったさまざまな感情をあまり表情を変えず繊細に演じることを求められる難しい役だ。しかも雪が降りしきる極寒地での過酷なロケ撮影で、他の若いキャストたちも含めよくぞ演じきったと思う。
内藤瑛亮監督の作品は『パズル』『ライチ☆光クラブ』を観たが、良い意味で「狂気をはらむ映画」の作り手の有望株だ。これからどんどんメジャーになっていくのだろうが、優等生的な作り手の多い商業映画の世界で異彩を放ち続けてほしい。
冬のファンタジー
人が人に酷いことをする描写が、どんどんエスカレートしていき、どんどん血の量も多くなる。
グロいけど復讐劇が無双で楽しい。
卒業式を迎えたのは君かぁ~と思った。
ガラケーを使う時代の田舎の切ない話。たぶん警察がいない世界で、行方不明になっても捜索してる様子もなく、「春になったら(雪が溶けたら)わかる」という、冬のファンタジー作品。
スプラッター映画だったのね
前知識なく鑑賞。いじめのシーンを見るのは苦痛だったが、それでもと思って見続けたら、目玉に釘が刺さるとか、指が簡単に吹っ飛ぶとか、血しぶきがあがりまくるとか映像がぶっ飛び過ぎてて逆に笑えた。
R指定版『中学生日記』
愚かな中学生たちが愚かな理由で憎み合い愚かにも殺し合う映画。社会派なのか露悪なのかイマイチ判然としない不気味さが荒唐無稽な殺戮劇にある種の神聖さを与えているという演出は原作由来であり、本作はその秀逸な再現といえる。
派手な殺傷は単なる中学生のナイーブな衝動の誇張表現であり、その根底にあるのは『中学生日記』的な本当にしょうもないありふれた愛憎譚だ。そんなものを見せられたところで中学時代の思い出が一つ二つ明滅するだけで、間違っても現代社会についての深遠なる何事かが判明したとは思えない。
「青春の誇張」で思い出すのは相米慎二『台風クラブ』だが、こちらはグロ描写という安易な飛び道具に頼らず、登場人物一人一人の個性に由来した身振りやセリフによって青春の痛みを描いている。本作の殺傷シーンはどれも見てくれは派手だが、「ただいま、おかえり」と繰り返しながら少年がドアを開閉する『台風クラブ』のワンシーンの衝撃には遠く及ばない。
唯一良かった点といえばいじめの舞台として設定されている学校の裏庭の地形だ。真ん中に直径10メートルほどの大きな穴が空いていて、そこには粗大ゴミやら何やらが不法投棄されている。主人公は冒頭にてこの穴に突き落とされるのだが、関係性の高低を物理的な高低によって示すものとしてこれほどわかりやすい地形もない。
この場所は中盤に主人公の逆襲の舞台となるわけだが、そこでは穴の中に落とされたいじめっ子たちが獲物を持った主人公に追い回され、あの手この手で暴虐の限りを尽くされる。穴の底は常に悪意と怨念に満ちている。
めくるめく殺戮劇は案の定救いようのない結末へと辿り着くが、当たり前といえば当たり前だ。中学生という生き物は基本的に死んだほうがいいくらいのバカだから。そして万物が誇張されている本作においては「死んだほうがいい」という比喩表現が本物の死として表出する。ただそれだけのこと。
いやあ、死ねないまま25すよ、俺は。
ツッコミどころ満載ではあるが、高評価を与えたい。
原作はアニメらしいが、主要登場人物(特に主人公)の服の色にはアニメ感が出ていた。主人公とその家族以外はクズばかりが住んでいる雪国の村(ロケ場所から考えると新潟)が舞台のホラー映画だが、殺される人達に全く憐みを感じられないので途中からは胸の痛みを感じずに観られた。復讐劇がよく出来ていると思った。ツッコミどころは多々(灯油を持って大声で殺人計画を話しながら歩く子供達が誰にも目撃されない、こんなに人がいなくなっても警察は何もしない、血だらけの子供がうろうろしても通報されない、毎日ドカ雪が降っているのに数日前に殺された死体がすぐ出てくる、血だらけで帰宅する孫に何も言わない祖父、などなど)あるが、それでもよく出来ていると思った。主演の女性は多分初めて見たが、よくこの難役を演じたと思う。見た目も悪くないし演技力もあるので役を選べた筈なので。
田舎舞台による全員が狂気する復讐劇
よくあるいじめドラマにスプラッターホラーを濃く練り込んだ作品。主人公を含めた登場人物のほとんどがいじめが原因ということ、また中学生という純粋悪ということで、殺害に躊躇なく行動。スプラッター描写はなかなかの出来、ほとんどが純白の雪の上での戦闘なので血が吹き上がる吹き上がる。特に主人公の恋人君がなかなかのサイコパス。いじめっ子たちに両親を焼身された後、カメラマンで燃えるところを撮影。その後主人公と落合、自宅が火災であることを知った上で妹を助けに行くというヤベーやつでした。
このいじめという問題は人間社会のランキング、格差、競争の社会地位獲得からの構造上無くならないのかもしれない。
原作を読んでから映画を観たけれど、最初はこんなにもグロい内容のもの...
原作を読んでから映画を観たけれど、最初はこんなにもグロい内容のものを映画に出来るのか、と言う所があった。
だけど、原作に忠実なくらいグロくドロドロしていて胸糞。
良い意味で終わり方がモヤッとする。
所々ハッピーツリーフレンズ
作品の雰囲気、出てる俳優さんでしかこの作品を知らず、どういう物語かはあらすじ程度しか知らなかったので、ここまで非現実的なグロを全面に出してる映画だとは思いませんでした。
画角のせいなのか、内容のせいなのか、所々ギャグなのか?と思ってしまうようなシュールなシーンは多かった印象です。特に先生が除雪車に巻き込まれるシーンだったり、母親が燃やされるシーンなどはギャグにしか見えませんでした。
ですが、雪原でのシーンや、雪に飛び散る血等の映像美は凄かったです。大変感動致しました。美しすぎて目から血が出そうでした。
俳優さんの演技、作品の鬱々としたような雰囲気が好きな自分にとっては、少し残念だったかな。と思ってしまいました。
コミック
だからの奇異な設定に異常さの演出。
これを実写映像化しようと思った、製作陣の思いは一体何処にあるのかな?
と思いながら見続けてみたが。
若気の至りで、バカったー騒動を起こす
馬鹿者世代なら、あり得る話なのかな?
と思えた自身の感覚を思い出してゾクっとした。
怪物だーれだ。
どころではない。
怪物オンパレードの作品で
東京と田舎の差別化を訴求するのも
センス悪りーだし
イジメする子も
実は不幸だって設定もどーかと思うし
まぁ、つまりは、製作自体がバカもの集団なんだろうな。
と色んな意味で、ゾクゾクした。
初主演の山田杏奈も違う意味で選択センスすげーな。
と驚き、より一層の興味関心。増し増し◎
逆張りで急上昇!
ホラーかと思ったら
虐めグロだった。
序盤、担任に虐め被害を訴えた時の対応は北海道での虐めを思い浮かんでしまった。
灯油じゃあ、そんな一気に燃え広がらないだろうと思ったら、直接人に灯油を掛けたり、口封じに殺そうとしたりで序盤からみんな壊れてる。なんで、そこまで壊れているかの理由が無いから、単にグロさだけしか感じられない。
序盤の不安は後半で吹き飛ばしてくれる
自分が好きそうな内容だったし、ここでの評価もまずまずだったから、それなりに期待していた。
どんな闇を抱えた興味深いキャラクターが出てくるのだろうかと期待していたわけだ。
しかし序盤はかなり退屈なイジメの場面ばかりで、ちょっとおかしな(常軌を逸した)キャラクターもいたけれど、特に掘り下げもないので面白味もなかった。
復讐が始まれば良くなるかなと思っていたが、バイオレンス場面は、少々チープだったことと、痛みが伝わってこないせいで、何だか安っぽいコメディみたいだった。
これはハズレを引いたかなと半分諦めかけた。登場人物たちの背景が全くわからずペラペラなのが問題だと感じた。これは放火の場面が描写されていないのがいけないんだと考えていたら、まさかの後半で登場。
死んでしまってからキャラクターの闇を掘り下げる荒業にびっくりしたが、この辺りではもうかなり面白くなっていた。
決定的だったのは、ある人の手が血まみれだったシーンで、このからは斜面を転がるように面白さが加速していった。
結果としてなかなか楽しめたけれど、目玉なのかもしれないバイオレンス描写はちょっとイマイチだったかなと思う。
真っ白な雪に映えるコートの赤と血の赤は印象的で鮮烈ではあったけどね。
あとは、タイトルにもなっているミスミソウが、テーマや内容に絡んでなくて、極論を言えばほぼ全く関係なかったのが少し残念。ミスミソウの話があまりなかったというか、掘り下げ不足だったと思う。植物の掘り下げっていうのも何だかなあという気もするけれど。
映像美
フライヤーの美しさで気になってた作品、Netflixにあったので観てみたけど前半からスプラッター満載で驚いた!
グロいの嫌いだけどいじめから始まる家族への復讐、なんとなく嫌ではなかった。
嫌じゃなかった理由は映像の美しさかな、雪の中の白と赤のインパクトが凄かった。
田舎あるある?(先入観?)、娯楽が何も無い、力溢れる青年たちの欲は吐き出し口を失って悪い方向へ向かうとか。
結構グロ
ガッカリすることがあまりにも多くて、邦画ホラーは全く観なくなってしまったのですが、あまり期待しないで見て観たらわりとグロくて面白かったです。
過疎化している排他的な村で起こる壮絶なイジメ、というか完全に凶悪犯罪。閉塞感で息苦しいほどの過疎の村で、中学生たちが自発的に始めた「バトルロワイヤル」という感じ。
よくある邦画ホラーは、出演者のアイドルがキャーキャー切迫感のない演技だったり、意味もなく学生を性的に映すシーンでシラケることが多いですが、この作品には全くなく、出演者全ての演技が素晴らしかったです。
とくに大塚れなさんの迫真の演技が、無理目のトンデモストーリーをカバーしており、この作品のレベルを高く上げてくれていると思いました。大塚れなさんはこれからも期待したいです。
その他の生徒たち、先生、保護者役の俳優さんの演技力も素晴らしかったと思います。
漫画の実写版ということなので、トンデモストーリーなのは仕方がないのかなと思いました。
スノーバトルロワイアル
安物のホラー映画。
同級生の父親を階段から画鋲のついた靴でけり落としたり、いくら勢いとはいえ中学生が灯油ぶっかけて家族皆殺しにするとか、とにかくリアリティーがなさすぎる。コロンビアの麻薬カルテルじゃあるまいし。
原作は未読だが、漫画のセンセーショナルな部分だけを抽出して無理矢理映画にしたような、まさに継ぎ接ぎだらけの作品に思える。あるいは原作漫画が元々そんな作品なら映画化の際に脚色して、もっといい作品にできただろうに。
主人公をはじめとして、登場人物たちの人物像の描きこみが出来ておらず、生身の人間としてのリアリティーが一切感じられない。だからいじめのシーンを見ても不快ではあるが、それ以上のものを感じ取ることが出来ない。
全編通してごっこ遊びを見せられてるようだ。悩んでるごっこ、苦しんでるごっこ。よって登場人物たちの痛みも一切伝わってこない。
本作はうわべだけなぞっただけでまったく人間が描けてないのだ。
割り切って、スラッシャームービーとして楽しもうと思ったが、ゴア描写も新鮮味がないし、何を楽しんだらいいのか困る作品。
雪国が舞台なんだから血の色にもこだわらなきゃあダメ。あの血の色はないよ。白い雪に映える生々しい血の色でないとダメでしょう。
山田杏奈初主演作でご本人はつらい役を頑張ったと思うが、監督の才能がまったく追い付いてなかった残念な作品。
イジメが酷い
イジメものは観ていて辛くなるが、コレも酷い。イジメの対象の家に放火したり、家族を焼き殺したり、殺人であり、イジメどころの話ではない。野咲が逆ギレして殺したくなるのも無理はない。とはいえいくら怒りがMAXに達したとはいえ、今までおとなしかった子があんな残虐にはなり得ないけどね。
ボス的存在のたえちゃんは決してイジメを命令していないし、強要もしていない。取り巻きが勝手な思い込みでご機嫌取りをしているように見えるが、どんどんエスカレートしていくイジメにストップをかける事が出来たのにしなかったことはやはり良くない。
野咲が殺戮する際に、雪の中に都合よく釘やらペンチやらボーガンがあるところはちょっと出来好き。担任の先生も、イジメにより病んでいたんだから、まず、カウンセリング受けるなり治すべきでしたね。そうアドバイスする人が周りにいなかったんだろうこともまた悲劇。
白い雪に血が飛び散ることで、残酷だけど絵的に汚く見えないし、雪の中に咲くミスミソウも綺麗。
想像できる範囲ではあるが、唯一の味方の相葉くんが実は、いちばんヤバい奴だったところは面白かった。
全136件中、1~20件目を表示