「ロック」志乃ちゃんは自分の名前が言えない Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
ロック
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志乃ちゃんのラストの独白、実にロックなメッセージ。「わたしがわたしを追いかけてくる」加代ちゃんに、作詞のセンスを見込まれただけある。ロックとは何か?この作品のモチーフ、裏のテーマかもしれない。
自信がなく、殻に逃げこむことで安堵する。加代を取られたという感覚じゃなくて、「こんなつまらない私ではなくて」と投げ出す感じかな。「二人でやろう」は志乃ちゃんにとっては解ではない。自分と向き合い自分を動機づけられるか?自閉に寄り添った深い脚本と演出、素晴らしいできばえである。
深いと言えば、驚くべきキャラに進展する菊地。演技、演出が実にきめ細かい。衝撃的な高校デビューから半年、周りの菊地に対する態度の変化が画面から滲み出る。菊地のキャラ作りは完璧。志乃ちゃんの菊地に対する頭部死球のような仕打ちは、罪はないにしろ、菊地に寄り添わなければならないとは、想定外の展開であった。
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