「リアル青春!」志乃ちゃんは自分の名前が言えない CBさんの映画レビュー(感想・評価)
リアル青春!
青春! そして吃音の人の苦労が少しわかる映画。
吃音の苦労は、うっすらと感じていたが、この映画の価値は、吃音のように誰もがある程度、その苦労がわかる特徴だけでなく、音痴、出しゃばり過ぎて浮いてしまう性格など、本人が気にしていることは様々で、もちろん比べるものではないが、他人からはどんなに小さく見えることであっても、気にしている当事者本人にとっては死活問題なんだ、ということを描いた点かな。
自分には、二人が初めて路上ライブに行った日に、(音痴の)加代が言ったセリフ「絶対にやる。初めて部屋から外に出られたんだから」が響いた。
性格は志乃と正反対と思っていたが、実は志乃と同じく、自分が気にしている点にとても苦しんでいたんだ、とわかった。
誰にも気にしている点があり、それはその人の個性とも言えて、ずっと一緒に暮らしていくもの。大切なのは、それとつきあう自分のあり方なんだなあとしんみりした。
しかしこの映画の魅力は、映画の中盤、二人がバンドを組み、弾き方も歌い方もだんだんスムーズになっていく夏の様子。それはとても爽やかで、こんなにキレイに青春の、友情の輝きを描ける腕は凄い!観ていて、ほんっとに気持ちいいよ。
秋の文化祭で二人が見事なデュオを見せて同級生たちがびっくり、というエンディングなら、爽快映画だなと思って観ていましたが、その結末は…そこはみなさん自分で観た方がいいです。
飛び抜けて美人というほどではない二人が、数々の瞬間、本当にキレイに見える。映画の醍醐味であり、監督の腕ってヤツなんだろうな。関係ないけれど、主人公がよく鼻水たらす映画でした。
いずれにしろ、素敵な映画だった。おすすめです。
場所は沼津と下田だったんだ。静岡県東部出身の自分が「なんだか見たことあるような景色だな」と感じるわけだ。
後日談
この映画は、その後も何度か「もう一度観てもいいな」と思った映画でした。「きみの膵臓を食べたい」「ハローグッバイ」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」(女優見たさかな?)
おまけ
なるほど、脚本は「百円の恋」の人か。納得。
CBさんこの映画見ておられたんですねえ。前に好きな女優さんを聞いた時に映画名でてきて、あっと思ったけどレビュー読んでませんでした。爽快ハッピーエンドをかなり期待してしまいガクリと来た印象強いです。それが逆にいいという人もいますね(・o・)
今晩は。
”壁を突き抜けて”新しい友達が沢山できました!ではなく、志乃が相変わらず一人で昼食を取る机に、ある少女が飲み物を置くシーンが、絶妙だと思いました、私は。
では、又。