フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のレビュー・感想・評価
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アメリカのDQN。
めちゃくちゃ面白かった!!
「アメリカのシングルDQNマザー」の話。
プロジェクトってのは、何か計画があるのではなくて、「貧困層向け集合住宅」をプロジェクトと呼びます。
フロリダと言えば、ディズニーワールド。皆んながバケーションで行く観光地。
そんな優雅なイメージとは懸け離れた生活をする親子と、付かず離れずで見守る管理人さん。
娘のムーニー役のブルックリン・プリンスは天才です。
めちゃくちゃ可愛いし、母親譲りの言葉遣いの悪さも最高。
母親も、まともな仕事に着かないダメママ。
でも、子供は人一倍可愛がるし、ムーニーもお母さんが大好き。
近所の子供たちも、皆んな楽しそうに一緒に遊ぶ。
小銭かき集めて一つのアイスクリームを分け合ったり、近所の老婆を茶化して隠れたり…。近くのディズニーワールドの花火を近所の子供連れて観に行くシーンなんて、「なんて幸せそうなんだ…。」と。
管理人さん演じるウィレル・デフォーも着かず離れずの距離感で子供達やダメな親を見守る良い管理人さん。
この作品の名演技でアカデミー助演男優賞にノミネートは納得。
本当に8割方楽しい、微笑ましい映画。
でも、もちろん現実は厳しいし、ラストは本当に観てて辛い…。
この映画、笑えるし、可愛いし、単調だけど難解な映画ではないのでサクッと観れます。
頑張れムーニー
ある底辺に暮らした子供達の日記
それ以上の意味を見出せなかったのだが、不思議と引き込まれる。
常識的な社会通念に照らせば、ムーニーは不幸な少女に違いない。住むにも食うにも困る生活。母親が抵触行為で得る現金。絵に描いたような底辺生活。
しかし、柄は悪いがムーニーはフロリダの太陽のごとくキラキラと、ケラケラと遊びまわっていて、不幸には見えない。いや、この生活しか知らない彼女は、幸せなんだと思う。ネズミの国に、現実逃避を求める必要もないくらいに。
堕ちて行く母親を誰も止められない。児童保護局の介入が、最悪の事態から救済はしてくれるはずだが、保証はない。
フロリダプロジェクトでの、おそらく最後の日、2人の子供は現実逃避の門をくぐり、ズンズンと奥へ進みます。夢の国に吸い込まれる様に消えて、映画は終わる。
夢無し、救い無し、ヒーロー無し。デフォーも期待ハズレ。僅かな救いは、ジャンシーがムーニーの手を引いて走り出したこと。状況を変える為に行動を起こしたのは、発達障害でもあるのではないかと疑われる少女で、これが物語の登場人物の中で、唯一、違いを感じさせるものなのだが、余りにも微力。
何かを変えたかったら行動を起こさなければ、とのメッセージとしては、弱過ぎるし、実際、何も変えられないだろう。
救いは期待するな。
頑張れ、ムーニー!
そう言うしかない、奇妙な暑苦しさを感じさせる作品でした。
魔法の国はふたりを受け入れたのかな?
映画を見てるのか、本当に生活している彼らをのぞいているのかわからなくなった。そこが良かった。
ムーニーはママのヘイリーとファンシーな紫の壁のモーテルに暮らしている。
1泊38ドルの宿泊料(家賃というとボビーが困るよね)で生きる。
30日だとして1140ドル。日本円で約114000円?
そんだけあれば家借りられないのかな?
家借りる方がハードル高いのかな?
ヘイリーはたしかにダメで、自業自得なんだけど、彼女も、よくない環境で育っていたならば、自業自得で片付けるのはどうだろうかと思う。
ヘイリーの育成歴は知らないけれどもね。
ディズニーワールドのすぐ側にある貧しい暮らし。
子供らは与えられた環境の中で、ただ順応する。
廃屋を放火したりね。
放火は多分悪いこと。やったらダメなことっぽいからで、私は廃屋だろうと民家だろうとやらない。
でもムーニーとジャンシーにはわからない。
スクーティーはちょっとあれって思ったみたい。
アシュリーは、スクーティーをムーニーから引き離した。
うん、責められないし賢明は判断。
ヘイリーはついに収入に困り、売春を始める。
売春中はムーニーを、お風呂に入れておく。
そのうちボビーにもアシュリーにも売春を咎められて万事休す。
無駄なプライド(最後の、ともいえるのか)が邪魔してなのか、これ以上見下されるのが嫌だからなのか、いうべきところへ助けを求めることもできないし、態度を改めることもできないヘイリー。
ついにムーニーを行政に引渡さないとダメになる。
ママと引き離されることを肌で知ったムーニーは、ジャンシーとディズニーワールドへ逃げ込む…
実際には逃げ込めないだろうけど、受け入れてあげてと、小さく祈った。
ヘイリーを責めて終わりにしたくない。
ではどうしたらいいんだろうか。
ヘイリーは悪いだけの母親ではない。
少なくともムーニーにとっては、十分。
なんでそれだけではダメなんだろうか。
いや、ダメなんだろうけど。
ボビーの気苦労には本当涙でそうだった。
変質者を追い出し、ヘイリー親子の外泊にお金を添え。
多分離婚してて、エレベーターで作業手伝ってくれてたの息子よね?
いいことありますように。
現実を理解した少女
アメリカフロリダのディズニーランド近くにある格安ホテル(モーテル)で暮らす母と子の物語。
「プロジェクト」には、低所得者層の住宅という意味があるらしい。
少女は自分が貧しい生活を送っていることなど知らず、毎日を友達と楽しく過ごしている。母親は、まともに働らくどころか部屋に男を呼んで自分の体を売ってお金を稼いでいる。そんな母親も少女にとっては優しい母親で大好きなのである。
映画全体が子どもの目線で描かれていて、決して悲しくもなく、暗くもない。ただ、それがむしろアメリカ社会における貧困層の現実を痛いほど感じさせる。
現実を理解した少女は最後、夢の国へと走り出すのだが、そこはあくまで夢の国。現実と向き合い、受け止め、生きて行くには時間がかかるのだろう。
ムーニーかわゆす
冒頭のシーンが好き‼︎
映像がとてもカラフルでカワイイ‼︎
貧困がテーマなんだけど
モーテルにも
何とか住めてるし
プールなんかあったりして
あのポップな感じだからなのか
貧乏なイメージがなかったんですけど
ラストは魔法にかかったね‼︎
下品ハツラツ❗️フロリダンP
他人事じゃない
プロジェクトというのは低所得者向け公共住宅のことらしいが、フロリダでは安モーテルがそこにすら入れない人々の受け皿になっているのだとこの映画は教えてくれた。語弊があるかもしれないけれど、一種の貧困ビジネスと呼べるのではと思う。
観たばかりの『万引き家族』と比べても、ヘイリーとムーニー親子のほうが状況はずっと厳しい。定収も貯金もなく、家もなく、支えあえる家族もなく、アメリカなのに車もない! 学歴も職歴もなく、あるのは若さ故の体力ぐらいだけれど、あんな食生活ではいつ病気になってもおかしくない。
なのにヘイリーは生活を立て直そうと努力するでもなく、全身タトゥーと唇ピアスと中途半端に青く染めた髪で悪態を吐き散らし、わずかな味方まで敵に回すような振る舞いをする。とても共感できないし同情もしがたいと思ってしまう。
でもムーニーにとっては最高のお母さんなんだ。その証拠にムーニーは全く萎縮していない。子どもの野生の生命力全開でその時その場を最大限に遊んでいる。子どもには過去も未来もなく、あるのは今だけ。それはヘイリーも同じ。ヘイリーはまだ子どもなんだ、そう気づくと痛ましさに胸を衝かれた。
あんな境遇に陥ったのはヘイリーだけの責任じゃないはず。ムーニーを生んだ時はまだ未成年だっただろう。彼女の親やムーニーの父親は必要なサポートをしたのだろうか? 学校の教師は、役所の人間は? そして社会は?
花火を見るシーンは『万引き家族』と同じように美しかったけれど、ヘイリーたちはヒッチハイクして安モーテルまで帰らなければならない。
印象としては『万引き家族』より『誰も知らない』により近いものを感じる作品だった。胸がチリチリする映画。
夢の国じゃない方のフロリダ
日本より警察が信頼できる土地
Florida はこんなところか、と思いながら見た。よくある Motel.
“Magic Castle” という名前が可笑しい。言われてみると、本家では使っていない名前。
遊んでいる子供達の悪戯も、自分がやっても不思議ないものばかり。悪意を持ってやったことはなかった、と自己正当化しそうになったが、明らかに悪意があった例を思い出した。半世紀前の自分の鏡。
「ある出来事」は重大だが、あくまできっかけに過ぎない。摘発されたようには描かれない。日本だったら摘発されただろう、そこが違いか、と思った。
Motel で Bed worm が発見されたのが、大変なことのように言われるが、表面化されないだけで、大都会のホテル、例えば Manhattan でも問題になっていると聞く。マットレスを「厳重」そうに巻いているので、どう処理するのか期待していたら、ゴミ箱に入れて終り。巻いておかないと、収集してもらえない?
何度も映る “Seven dwarfs ln.” の “ln” が気になり、おそらく Orlando に実在するのだろうと探したら、あった。気にしたことがなかったが、やはり “Lane” の略か。:
Seven Dwarfs Ln
Kissimmee, FL 34746
https://goo.gl/maps/DQV7dXauMQn
撮影場所がほぼ特定できる。
近くに helipad があったが、それを Google Maps の地図ではみつけられなかった。合成?
実際には池が多い。この池の多さこそが、Florida なのだろう。
映画を見ながら思い出した。Florida には二度も行ったことがあった。Jacksonville と Tampa。
鉄道の管制センターの見学と学会発表で、ホテルと会場 (Tampa では同じ場所) しか知らないが、タクシー運転手の言葉が全然聞き取れなかったのを思い出す。でも、ホテルの名前は通じたようで、無事に着いた。
映画だからかも知れないが、「鈍っている」と感じたことがなかった。北部や場所不明の映画と同程度に、聞き取れ聞き取れない。子供達は学校に行っていないように思うが、言うことはよくわかる。子供に訛りの演技は無理ということか。現代、子役に出て来るような層には、訛りはない、と。
描かれているのは「底辺」ということになるのだろう。このどこに「Florida 性」があるのか、わからなかった。どこの州でもどこかにありそうな場所。
警察による摘発があった。同じことは日本でも違法だろうが、果してこの映画のように的確に摘発されているだろうか? 日本より警察が信頼できる土地、という印象を受けた。
なぜこんなに高評価なのか?俳優の演技力の高さとか子役の可愛さにみん...
隠れた名作。
『命取りだよ トリだけに』
アバンタイトルのクール & ザ・ギャング『セレブレーション』がご機嫌に流れる、フロリダの発色の強い原色の映像が眩しい作品。
テーマは、貧困層、そしてしたたかに生きる子供。正に、アメリカの影の部分を、フロリダの太陽が照らす内容に仕上がっている。
子役の天才的演技力に、ハリウッドの底力がヒシヒシと伝わってくる。果たしてここまでの演技が日本でも出来るのだろうか、正に『万引家族』との対決の様相を呈している演出だ。但し、『万引』との対比で考えた場合、今作はやはりアメリカでの話ということで、実感が湧かないというのが正直な意見。特にお母さんのあの気の強さ、そして子供の悪戯の演出過多は、リアリティに欠けるのではないだろうか。そこがついていけない一つの理由。他のレビューでも盛んに評論している、モーテル管理人の、助けてあげたい意識も、自分が観ると、単なる自己満足に固執しているように感じるのだが。。。 スクリーン一杯に建物を横長に撮す構図等、興味深い絵作りにはなっていたが、ストーリー的には、冗長なところも多かった。
今作品の白眉は、悪戯をしかけた家族の子供の成長なのではないだろうか。主人公の女の子がいろいろな悪巧みや冒険を彼女に経験させることによって、引っ込み思案だった暗さが段々と氷解してゆく。そしてラストの、今までのお礼とばかりに、行ける筈もない、目の前にある“ネズミのの王国”という天国へ誘う、それは多分、夢、幻なのであろう、幸せの妄想を、魔法に掛けたように二人に体験させる、そんなシーンである。『親友』だと告げられた彼女のあの焦点の定まった瞳、今までのフォーカスの合っていない力のない目からの変貌は、まさに“マジック”そのものである。
最後の涙の意味
最高でした!今年度ベスト!
とにかく、見に行くべき!!
タンジェリンのショーンベイカー監督の最新作。安モーテルにくらす「隠れホームレス」の人々の暮らしを描いた今作。夢の国ディズニーランドのすぐそばにある残酷な現実を、鮮やかな画面作りと徹底した子どもの目線で描き出しています。
まず、びっくりするのは、厳しい現実の中に生きる子どもたちが、毎日を本当に楽しそうに過ごしていること。やってることは、ひどいのだけれど、本人たちはいたって楽しく生きているのです。夢の国に行けなくたって、世界はこんなに楽しいことに溢れてるじゃないか!!といわんばかり。
でも、やっぱり、そんなことはなくて、じりじりと迫り来る、そんなくらしの限界が、はじめの明るく楽しい雰囲気を蝕んで行きます。
その過程の描き方の上手いこと!何気ない会話の端々や、登場人物の行動から色んなことを伝えてくるのです。ああ、そうか、、、と。
ウィレムデフォー、ブルックリンキンバリーの演技が最高。この子、すごすぎる!
最後のシーンには、面食らいましたが、ゆっくりと自分なりに咀嚼していくのも鑑賞後の楽しみだと思います。
絶対に見に行くべき!!
ちょっぴり物足りない!
子供の演技、演出が凄まじい映画だった。本当にあの子達がそこで暮らしているようにしか見えない。
ショーン・ベイカー監督は是枝監督作品の子役演出を参考にしているそうですが、子役に台本を渡さず現場で直接子役にセリフを伝えるスタイルの是枝監督と違って、ショーン・ベイカー監督は台本と演技を子役に叩き込んだ上でのアドリブを採用しているそうです。
素人同然のあの子役達からどうやってあそこまでの演技を引き出したのか。ベテランのウィレム・デフォーとその息子役ケイレブ・ランドリー・ジョーンズがまたいい味を出していた。
ラストシーンで一気に涙腺崩壊。是枝監督もラジオ番組で言っていたが、ここはもう少しじっくり堪能したかった。
さすがに長時間泣く演技はまだ難しかったのかな。あのシーンがあと30秒くらい長ければ、私の涙も出し切れた気がする(笑)
そしてラストのラストでこれまたすごい展開に。
ディズニー・ワールドの撮影は許可なしで、ゲリラ的に行われたそう。そこでiPhoneでの撮影!
友達の玄関先からディズニー・ワールドまでひとつながりで、子供達を背中から追っていく。本当に目と鼻の先に夢の国はあった。
現実から救い出してくれたようにも見えるし、生々しいしい人間ドラマを観た後なので周りの幸せそうな人達が嘘臭くみえる。二面性のあるシーン。そして唐突に終わる(笑)
最後の10分がすごい!とか色んな映画の宣伝文句がありますが、この映画が一番当てはまると思う。
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