「真夏の魔法にかけられて…」フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)
真夏の魔法にかけられて…
ずっと気になっていた作品を映画館にてようやく鑑賞。美しい映像を映画館で観れて本当に良かった。
ストーリーはフロリダのモーテルで暮らす貧困層の暮らしを子供の視点から描いたもの。
遊んで、悪事を働く子供たち、それは家庭環境が関わっているが、子供たちは純粋な目でその生活を送っている。一方で、大人はどうにかして収入を得なければならない。ショーン・ベイカー監督は貧困層のリアルを映像美と対比させて見事に描写した。パステルカラーで色彩豊かなフロリダのモーテル、健気な子供たち、生活に苦しむ大人、それを見守るモーテルの管理人、絶妙なバランスとアイロニーが映画全体を包み込む。ストーリー自体は終始鬱屈したものなのに、カメラワークや演出が巧みで映画に引き込まれる。
モーテルの外でタバコを吸うウィレム・デフォーの眼差しがとにかく切ない。このモーテルの管理人が映画にとってかなり重要だと感じる。
フロリダの真夏の魔法にかけられた気分だ。貧困と映像美、その痛烈な対比が鑑賞者を夢の国へといざなう。
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