「色々なコントラストがうまく表現されている皮肉映画」フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 てちさんの映画レビュー(感想・評価)
色々なコントラストがうまく表現されている皮肉映画
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インスタやディズニーのようなカラフルで美しい映像、笑い合う母親と娘、嫌味なおじさんに子供同士のちょっとした冒険。
一見ポップで明るい内容だけど、少し触れば壊れてしまいそうな何とも言えない緊張感がずっと流れていた。役者が表現する優しさと厳しさの裏表、夢と現実の裏表が凄くうまく表現されている。
徐々に終わりに近づく生活の中で、母親はそれを分かりつつも娘のためにできることをしようとしていたと思う。それでもどうしようもなく訪れたラスト、カメラに向かって叫んだシーンは監督から世の中に対する悪態だろう。
おふざけや汚い言葉で自分を守っていた娘が親友に別れを言おうとするも、突き付けられた現実に初めて泣いてしまう姿を見て、思わず私も号泣してしまった。
最後のディズニーの城は、ディズニー映画のオープニングを最大限に皮肉っていると思う。映画が終わり、視聴者の夢のような世界が始まるのだ。
良い映画でした。
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