劇場公開日 2018年5月12日

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「厳しい現実を映し出しているのに、なぜだか愛おしい気持ちが止まらなくなる」フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0厳しい現実を映し出しているのに、なぜだか愛おしい気持ちが止まらなくなる

2018年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

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楽しい

この映画のことを考え出すと、愛おしい気持ちが止まらなくなる。大注目の米配給会社A24が送り出す本作は、冒頭から圧倒されるほどの子供達のパワーが満載だ。それも演技慣れした子役ではなく、純然たる子供の素の表情を次々と活写し、もはやこの時点で我々は夢心地な瞳に陥ってしまう。

ストーリー的には、ケン・ローチの映画を思わせるような格差社会のリアリティにフォーカスしているものの、それを直接的に突きつけるのではなく、あくまで子供の目線を通じたワンダーランドとして提示しているところに独自性がある。思えばどんな境遇で暮らしていたって、子供達はその状況の中で最大限の夢想の羽根を羽ばたかせるもの。それが痛いほどわかるから微笑ましく、その先にあるリアリティについてより深く考えさせられてしまう。この手法もまさに魔法だ。そして、プロ俳優でない人々の中で一人優しい輝きを放つウィレム・デフォー。その姿が胸から離れない。

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牛津厚信