ファントム・スレッドのレビュー・感想・評価
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アルマに共感できる自分が怖い
サスペンスあり、ラブロマンスあり、いろんな意味で面白い映画だった
世界的なドレスデザイナーのウッドコックが、休暇のために訪れた田舎町で、デザイナーから見て完璧な体型のアルマと出会い、彼女に心を乱されていく姿を描く
この映画は、困ったことに、少しでも余計なことを言うとネタバレになってしまうので、内容についてはこれ以上は語らないことにする
ダニエル・デイ=ルイスは、寸分の狂いもなく神経過敏なデザイナーのウッドコックを演じていて
本当にこの人は凄いなと思った
しかし、私としては
そのウッドコックのお相手であるアルマの気持ちに共感できてしまって、
そんな自分がちょっと怖くなる映画だった
私もアルマのような「支配欲」が確実にあって
それを突き動かしているのは「私が世話しなきゃ」という母性本能。
見えない亡霊や小姑と彼を奪い合うのは、とても難しいけれど、アルマは最も有効な方法を探していたのだと思う
ということで、私は完全に女性目線で観たけれど、男性が観たら、全然違う作品に観えるだろうし、そこが、この映画の面白さなのだと思う
好みが大きく分かれそう
試写で拝見しました。
この作品は豪華絢爛な衣装と、1950年代のロンドンにお似合いの音楽が素晴らしい!
作品内の恋愛表現については、非常に男性目線的。
隷従させるのか、するのか…
心理戦より、精神的なマウンティング合戦とでもいったほうがいいのかも。
ここは観る人でかなり好みが分かれると思います。
男女の愛の形は人それぞれだから、どんなにアブノーマルかつ変態プレイでも「あり」だけど。
本作では精神的なアブノーマルさであって、エロくはないのでご安心を。
気持ちは、分かる?
意味深なタイトル通りの怖い映画でした
1950年代のロンドン、レイノルズは彼の秘書を務める姉シリルと共に大勢のアシスタントを従えて活躍する社交界で絶大な人気を誇るファッションデザイナー。レイノルズは朝食をとろうと立ち寄った帰省先のレストランでウェイトレスのアルマと出会う。運命的な出会いを感じたレイノルズはすぐに彼女をディナーに誘い、食事を終えたレイノルズはアルマに体の寸法を測らせてくれないかと提案する。アルマは当然戸惑うが、彼女の背後には静かにシリルが立っていた。
予告を観る限りでは古めかしいロマンスのような雰囲気でしたが、内容は全然違いました。レイノルズに訳分からず振り回されるアルマを見つめる物語が次第にあらぬ方向に転がり、淀川長治先生なら眉間に皺を寄せて「怖い怖い」を連発したであろうこの意味深なタイトルが醸す通りの怖い映画になっています。
フィルム撮影に拘った映像は途方もなく美しく、尋常ではないレベルで当時のロンドンの風景を再現しているのでスクリーンでの鑑賞がベスト、ずっしりと重い重厚な作品です。
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