「結婚で偽りの自分になりたくない」ファントム・スレッド kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
結婚で偽りの自分になりたくない
完璧な体形。胸は小さいなどと恥じることはない。とにかく完璧なんだから。「食いしん坊さん」と言われたレイノルズだけど、その食事に関してもストーリーがあった。いつしか、着せ替え人形だったアルマが徐々に主導権を握り始めるのもファッションではなく食事だった。それは朝食は静かにというこだわりを教えられたことから始まったのです。
それでも「ドレスがかわいそう」と言ったことでレイノルズのハートを鷲掴み。ことファッションに関してはいつも一緒にいることで十分に知識や感性を受け継いでいたアルマだったからこその台詞だったのだ。妖しげなボディタッチから始まった恋愛劇もここで急展開。彼にとってアルマはなくてはならない存在に変化していたのです。
恋愛観の違いから、いつも仕事させられた形だったけど、毒キノコを見てピーンときたアルマ。やばい、やばいよ、それ。などと思いつつも、死んだとしてもかまわない覚悟で自分の恋愛をレイノルズにぶつけてみた結果・・・という感じで急展開。
それで結婚してめでたしめでたし・・・かと思ったら、またもや仕事熱が一人の女性により削がれてしまう。食事は食べてもらいたいものを食べてもらう。いや、さすがにトマトに砂糖はかけないし、納豆にソースもかけないよ!それよりキノコに嫌いなバターたっぷり入れてオムレツにするなんて・・・うげげ。
芸術的な仕事に誇りを持つ男、姉ちゃんになら何でも託せる男。そして亡き母への自責の念。すっごく気持ちは伝わってくるし、納得いく対応。むしろアルマの方がビビってたけど、こちらもよくわかる。
ベルギー王家に嫁ぐプリンセスのウェディングドレスに“never cursed”の縫込み。やっぱりウェディングドレスは呪われるんですかね・・・
アルマの言葉「ドレスがかわいそう」がレイノルズの彼女への愛を確かなものにしましたね!そうですね、ホテルの朝食で出会った二人だから彼女は食事で対決、勝負したんですね!