劇場公開日 2018年4月28日

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「パルムドールの聖域」ザ・スクエア 思いやりの聖域 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5パルムドールの聖域

2019年1月9日
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鑑賞方法:DVD/BD

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2017年度のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品。
個人的にカンヌ・パルムドールは当たり外れが激しいが、こちらは…。

まず、話の概要がいまいち分からなかった。
見始めたら何となく分かってきたけど。

現代アート美術館のキュレーター(美術館や図書館などで作品を管理・研究する専門職)として、信頼され、尊敬されるクリスティアン。
彼が次に手掛ける展示作品は、“スクエア”と呼ばれる正方形の中では、誰もが他人に対し信頼と思いやりの心を持ち、平等の権利と義務を有する…というもの。
何だかよく分からない現代アート。
これをモチーフに、話が進められる。

人の善意を促すクリスティアン。
そんな彼を、次々と災難が見舞う。
財布とスマホをスラれる。
GPS機能で場所を特定し、思い付きで脅迫文を送る。
それが原因で、スリと間違われた少年から容赦なく非難される。
展示作品のトンデモPR動画がネット上に出回り、大炎上。
二人の娘は大喧嘩…。
人の善意を促す彼が、果たして他人に対して親切に思いやりの心を保てるか、風刺的に試される。

彼の周囲でも、不条理な災難の数々。
冒頭、困ってる人が居ても街行く人々は無関心。
人の話を聞かない。
えげつない野次。
とばっちり…。
無関心や欺瞞、格差やネット炎上など、現代社会や現代人が抱える問題をブラック・ユーモアたっぷりに描く。

題材や見せ方は斬新でユニーク。
それはそれでいいんだけど、自分的にはシュール過ぎた。あの“モンキーマン”とか…。あれも一種のパフォーマンス・アートらしいが…。
思ってたよりかは見れたのは見れたけど、良かった/面白かったはまた別の話。
よく分からなかった。

ひょっとしてこれも試されているのかもしれない。
パルムドールの聖域…。

近大