ゲティ家の身代金のレビュー・感想・評価
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リドリー・スコットが描く70年代!
実際にあった誘拐事件、実際にあった大富豪の身代金拒否...という、実録物という事で、プロット的にはこうなるだろうなーの域を脱していなかったので、若干の肩すかし。でも傑作だった!ケヴィン・スペイシーがスキャンダルを起こして降板、急遽代役で撮り直し...という、色んな苦労話と逸話が絶えない作品なれど、そこばっか強調されたら、この映画の素晴らしさを見逃してしまう!リドリー・スコット爺といえば、やはり「ブレードランナー」「エイリアン」諸作の退廃した近未来~未来か、「コロンブス」「デュエリスト」「グラディエイター」などの古代を舞台にした作品が多いが、今作は1970年代。その描き方がエグイ位に素晴らしい!完璧主義者(だと思っている)のスコット監督が描く70年代は、細かい描写や大物小物、人の仕草に至るまで、完璧としか言いようが無いと思った。そしてその監督のオーダーを完璧に演じたミシェル・ウィリアムズがやはり素晴らしいのでした。プラマーの天然演技もいいし、こんなちょい役(でもいい奴。しかもイタリア人!)でフランスの国民的俳優=ロマン・デュリスを使うのも凄い。素晴らしき演技者が入り乱れるが、その根っこには、傑作になりそうもない題材を傑作にしてしまう、リドリー・スコットありきの映画だと分かる。結局のところは傑作です!
誰が為に、銭はある
巨匠、リドスコおじさんの、出汁ほとばしる快作にて、怪作。ゲティ坊やの世話をする小悪党に、いちばん人間味を感じるくらい、善悪の尺度が狂っているのが、天晴れ。燃え盛る闘魂で、石油を堀り抜く銭ゲバ野郎の一代記「ゼア ウィル ビィ ブラッド」と、ヤバいイタリア観光案内「ゴモラ」を、同時に観た気分です。 ゲティ爺さんの、不気味さ、得体の知れなさは、ほぼ地球外生物ですね。つまり、エイリアン。どうも、銭ゲバエイリアンは、初めからヒトの心に棲息。今にも、内面を突き破って出てくるようです。宇宙船も、クローン技術も要りません。 舞台は、レプリカントの1人や2人、いそうなくらい怪しい街。(ご丁寧に、グラデュエーターの養成所まで、あります。)ここで、ビジネスとしての人さらいと、節税としての身代金が、せめぎ合う姿は、プレデターvs エイリアンかと、思いました。 そんな銭ゲバエイリアンから、家族を守り抜く女性こそ、リドスコおじさんの理想なのかな。ミズ・ゲティの力強さが、リプリー宇宙飛行士に、受け継がれてゆくようです。 それはともかく、誰が為に、銭はある?。
ある意味怖い
計れる富は本当の富豪ではない。 トップになるには特出していないといけないのであろう。 一般人には中々理解し難い。 実話は知らず、 孫の誘拐ということで勝手にもう少し小さな子どもを想像していた。 結構良い年だった。 そしてミシェルウィリアムズの表情に毎回驚く。 ヒステリックな役が多い印象。
家族主義と金儲け主義へのアイロニー
アメリカ映画は自分と自分の家族さえよければ他は関係ないという価値観で溢れ返っているようで、家族だけのハッピーエンドがそのまま世界のハッピーエンドであるかのように描かれることが多い気がする。 しかし本作品では、結局は家族が大事みたいなシーンもあることはあるが、金儲けと家族という、アメリカ人の最も関心の高い二つをいっぺんに笑い飛ばしているように思えてならない。この映画はリドリー・スコット一流のアイロニーではなかろうか。 人間の欲望は無尽蔵だ。金持ちはどれだけ金持ちになってもまだ足りないと、ゲティ老人は言う。もちろん欲深いのは金持ちばかりではない。自分さえよければいい、今さえよければいい、金さえあればいいというのが現代の風潮だ。いや、現代だけではなく、昔からかもしれない。原始貨幣経済が始まったときから同時に拝金主義も始まった。何でも無限に交換できる貨幣は、人間の欲望を集約する。 本作品の原題は「All the Money in the World」である。直訳すると「世界中のすべてのカネ」だ。どれだけカネを集めても飽き足りない金持ちに対する揶揄なのか、それとも人間にとってのカネそのもののありようを嘆いてみせているのか。 登場人物が家族主義と金儲け主義の間で揺れ動くさまは哀れであるが、映画は必ずしも彼らを否定してはいない。どの人物にも激しい執着があり、人間エネルギーのドラマがある。そのどちらの主義にも属さないゲティ3世が、ただ生き延びるために様々な手段を試みる場面は秀逸で、それこそがリドリー・スコットの描きたかったことのような気がする。状況が目まぐるしく変わるので、見ていて飽きなかった。
お金があってもなくてもやっかい
儲けるのは簡単。金持ちになるのは難しい。 資産が数えられるのは金持ちとは言わない。 なんとも名言がたくさんありましたが、お金って何だろう?お金持ちってなんだろう?と思った。 あっても使えなくては意味がないのに、お金を持って死ねないことをまざまざと見せた映画。 あの時代だから誘拐が成立して、あの時代だから生きてかえって来れたんだと思う。 映画は展開が早くて、結論がわかってるんだけど、おもしろくみれた。 教訓とするなら、お金持ちのゲティさん、生きる目的を間違えてしまったんだろうと。 お金は手段にしかならないんだということかな。
大金持ち
クセがすごい。 見ごたえある映画でした。 ドキドキハラハラ どないなんのー?! 思いながら観てました。(パパラッチ嫌やな!) 帰り道 お金って何なんやろ… 考えながら… あの女優さん…グレイテストに出てた人なんやぁ (個人的に注目やな!)
目が覚めました
結構ハードル低めで鑑賞。 けどさっきまでの眠気はどこへやら。 意外に始終ドキドキハラハラ。 いい意味で予想を裏切る。 敏腕助っ人がおいしいとこ持っていくとか人質の行方とか金持ちゲティの行く末とか、想像(映画あるあるストーリー)とは違ってておもしろかった。
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