「値段を見極めるために人は苦労するんだ」ゲティ家の身代金 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
値段を見極めるために人は苦労するんだ
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映画「ゲティ家の身代金」(リドリー・スコット監督)から。
冒頭「実話に基づく物語」と表示されて、ドキュメントに近いのかと
思っていたら、けっこう脚色されている気がした。
(まぁ、それは映画だから、それはそれで良しとして・・)
まだ事件が起きるだいぶ前、アメリカの大富豪ジャン・ポール・ゲティと、
その孫が、初めて出会うシーン。
さりげなく、そしていて事件のキーワードどもいえる、
「モノの価値」について、語る台詞があった。
「どんな物にも値がある。値段を見極めるために人は苦労するんだ」
このフレーズは、孫の命の価値ともいえる、誘拐犯の身代金でも同じ。
それが「高いのか、安いのか」の判断は、その人の考え方次第だ。
特に「人の命」(それも孫)となると、その見極めは難しい。
だからこそ、この2人のはじめての会話が、のちに輝いてくる。
冒頭のナレーションで、誘拐された本人(孫)がこう呟く。
「ゲティ家の者は一般人とは違う、祖父が僕にそう言ってた」と。
だから僕が誘拐され身代金を要求しても、祖父は応じないかも知れない、
そんな思いがあったのかもしれない。
人の命だけでなく、絵画などの美術品、彫刻等の芸術作品でも同じこと。
「本当にそれ相当の価値があるのか」は、常に念頭に置いているはずだ。
言い換えれば「値段を見極めなければ、人は苦労しない」とも言える。
さて、どんな生き方がいいものやら・・。
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