「イタリア式誘拐狂想曲」ゲティ家の身代金 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
イタリア式誘拐狂想曲
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実話ということだが、この大富豪がおよそ落語にしか出てこないような極端に因業な人物で、現実の人間とは思えない。金がないならともかく、唸るほど持っていながら払わない。表明する理屈も、テロリストの要求を政府が拒絶する際に言うならわかるが、親族が命の危険にさらされている時に口にするようなものではない。
細部もよくわからないことが多い。顔を見られた犯人の一人が殺された経緯とか、人質の売り買いをした二つのグループの性格や“赤い旅団”との関係とか。
最近実話ものが多いが、映画そのものの評価とは別に実話であることによって価値が水増しされている部分はあるように思う。
ロマン・デュリスは「タイピスト!」や「ムード・インディゴ」の時も悪党づらだなぁと思っていたが、今回本当に悪役だった。
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