「これが真実だというのだから驚き!」ゲティ家の身代金 ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
これが真実だというのだから驚き!
『オデッセイ』のリドリースコット。
『グレイテストショーマン 』のウィリアムズ。
『カールじいさんの、空飛ぶ家』のクリストファープラマー。
『トランスフォーマー』のマークウォールバーグ。
映画通には知る人ぞ知る、錚々たる映画監督の方々!
そんな凄腕の監督がお届けするのは、スキャンダラスな誘拐ミステリー。
SF映画、ヒューマン映画が中心の彼らが、まさかのサスペンスを手がけるとは驚きです!
この映画は、実話を元にしている誘拐事件。
1971年のとある繁華街で、一人の少年が拉致られてしまいます。
18歳の少年ポールを誘拐するは、共産主義の過激派組織。
彼らは、金を存分に蓄えたゲティ家の資産を奪おうと壮大な犯罪計画を企てるのです!
その身代金の総額はは、な、なんと!
1.4兆円という壮大な金額。
ポールの母親は、なんとしても息子を助けようと、ゲティおじいさんに助けを求めます…。
しかし、このおじいさんがとんでもない曲者!
自分の稼いだお金はびた一文他人なんかに払いたくないと、孫の誘拐に関わらず、援助金を突っぱねてしまうのです。
唯一、金を出す所は、税金対策のための骨董品収集代という…。
お金だけが友達という、孤独な老人の姿が腹立たしくもあり、哀れでもあります。
母親の必死の助けにも頑なに金を払わず、豪邸に引きこもる姿はまさに金の亡者。
こんな爺さん、金はあっで誰も同情したいと思わないのではないでしょうか。
ポールの残虐な虐待シーンは、思わず目を覆いたくなるような殺伐としたものばかり。
脱走しては捕まり、脱党しては捕まり、どこまでも追いかけてくる犯人の魔の手から必死に逃げる様子に、心臓のバクバクが止まりませんでした。
ようやく母の手に抱かれた瞬間は、「安堵」という二文字しか浮かびません…!
これが本当に実話だとしたら、まさに20世紀最大の誘拐事件だと思います。
正直、よくもまあ助かったものだと、感心させられました。
今回は、大好きなクリストファープラマー氏が、大悪党を演出していたことにショックでした!
しかし、迫真の演技に最後の最後まで目は釘付けでした。
最後まで孤独に骨董品を愛しながら一人死んでいった老人にとって、愛する人は誰もいなかったのでしょうか…。
孤独に一人命を絶った姿に、切なさと虚しさで胸がいっぱいになりました。
今回は、初めて旦那様と一緒に試写会に参加しました。
この作品は、記念すべき作品として、印象残るものとなりそうです(o^^o)