劇場公開日 2018年5月4日

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「たまらないくらいゲスでクズな人間が勢揃い」アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル bionさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0たまらないくらいゲスでクズな人間が勢揃い

2020年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 たまらないね。ここまでゲスな人間が勢揃いすると。事実は小説よりも奇なりっていうけど、こんなストーリーは天才脚本家でもなかなか考えつかないと思う。トーニャのエキセントリックぶりは、当時テレビで見ていて知っていたけど、トーニャの母親までもがぶっ飛んでいたなんて知らなかった。

 トーニャ役のマーゴット・ロビーの身体能力はすごいね、CGをつかった箇所もあるみたいだけど、ハーレイ・クイン役で見せる華麗なアクションがキレッキレなのがわかる。その上、トーニャになりきりぶりがすごい。トーニャの生霊を降ろしたんじゃないかと思うくらい。

 見ているうちにトーニャにだんだんとシンパシーを感じるようになってしまった。とんでもないお母さんから生まれ、両親は離婚して貧乏。フィギュアスケートの天賦の才を授かってしまい、ゲス母は、貧乏から脱出するためにトーニャのフィギュアにかける。なのに、クソみたいな男と結婚してしまう。神様から愛されているのか、はたまた、もてあそばれているのか。
 金持ちのスポーツであるフィギュアにいて、ホワイト・トラッシュ(貧乏白人)であるトーニャは差別をうけるが、トリプルアクセルを武器にオリンピック代表に選出される。ほんとだったら、ここで金メダルをとってハッピーエンドになるところなんだけどね。ダークヒーロになるために、この世に生をうけたんだろうね。

 鬼母ラヴォナ・ハーディング演じるアリソン・ジャネイが、これまた凄い。ここまで、ゲスな人間を演じきるなんて、アカデミー賞も納得。トーニャ宅にマスコミが殺到しているなか、トーニャに会いに行くシーンは、最高。何がなんでも、お金に変えようとする執念が、もう笑うしかない。
 ポール・ウォルター・ハウザーがこの映画で注目されたのもわかる。彼女のいない歴=自分の年齢のデブでさえない白人を真面目に真剣にやっているから、吹き出しそうなる。こんな連中が周りにいたから、トーニャも可哀想。

 ハートの「Barracuda」が流れていたけど、マーゴット・ロビーは好きなのかな。もう、マーゴット・ロビーのテーマ曲みたい。

bion
かいりさんのコメント
2020年3月28日

天気も悪いですし、寒いですし、神様が都民よ!家にいろ!プレイステーションでもしてろ!(←イタリアの市長)とおっしゃってるんだと思います。今週末は私もおうち映画です。
24ヲタとしては、やはりジャックの「くそーーーーぅ!」を聞きたいがために吹替にしてた部分もありますし、キムのビッチぶりや、パーマー夫人の顔圧を出せる役者さんって誰だ、、🤔🤔24に関してはヲタを自称しているので(笑)不安です。

かいり
かいりさんのコメント
2020年3月28日

bionさん。おうち映画中でしたか?また楽しく映画館に行ける日まで、おうちでも楽しく映画を観て過ごしましょう。
なんだか『ジュディ』と重なる部分がありますね。私のような凡人からしたら、何かに秀でた方って恵まれてるなんて軽く考えてましたが、彼女といいジュディといい、それゆえのつらさを知りました。

かいり
Bacchusさんのコメント
2020年3月28日

確かにミシェル・クワンを登場させずともこれだけみせてくれたら充分ですね。

Bacchus