「ろくでもない映画なのだけれど…」アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル CBさんの映画レビュー(感想・評価)
ろくでもない映画なのだけれど…
スカッともしない、知恵も知識もつかない、クソみたいな映画なのだけれど…
貧乏な中で生まれ育ちながら、類い稀な運動能力で、フィギュアスケートで頭角をあらわす主人公って、どう見ても青春スポーツ映画になりそう。なのに、母ちゃんは鬼だし、周りにいるのは、極めつけのバカばかり。
挙句の果ては、周りがライバルを襲うという愚行に及び、とうとうスケートまでも失ってしまう。
いやはや、こう書いていても、どこにも救いのないクソ映画だ。
なのに、なんだろう。心に響く。主人公は、泣かない。母に罵倒されても、夫に殴られても、果ては撃たれてさえ、泣くことがない。
スケート以外 何もうまくいかず、挙句の果てに、そのスケートまで奪われる話だけれど、ほんとうに彼女はクールにまっすぐで、ライバルを襲えなんて指示はしてなかったのかも、と思わせる。
主人公の境遇を哀れむでもなく、主人公の生き方に肩入れもせず、ただ淡々と底辺、どぶの中を描き切ったという点で、「百円の恋」といい勝負なのかも。
マーゴットロビンがプロデューサーしてまで撮りたかったわけが、少しだけわかるような気がした。
CBさん、コメントありがとうございます😊
1人の人間の半生を描いているので、仕様が無いといえば仕様が無いんですけど、やっぱり彼女は10代には見えないっすよね💦
会えて老けて見えさせることで、彼女の生き急いでる感を演出したかったという可能性もありますが…。
主人公もその母親も、救いのないクソだけど、なぜか続きが知りたくなる。自分を線ではなく点で重ねあわせて、なぜか共感している映画でした。
マゴロビちゃん、今やハリウッドの稼ぎ頭ですね!