「いまや多様性は主人公まで「ゆらぎ」」スパイダーマン スパイダーバース うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
いまや多様性は主人公まで「ゆらぎ」
話題先行型の公開で、ちょっとだけ早く見ることが出来た。アカデミー賞を受賞したばかりで、話題性は抜群。ほぼ同じ条件の『グリーンブック』よりも、やはりこっちの方が人気は高い。見終わった感想は「なんかごちゃごちゃしてたな、画はキレイだったけど」というところでしょうか。
ドラえもんは、アニメも、実写作品も、CGアニメーションでも製作されましたが、それぞれに評価があり、人の好みもさまざま。それでいいと思うんですが、どうやら、マーベルスタジオ製作で、夏に『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が公開予定に上がっており、私の期待度としては、そっちが大本命で動かず。でした。
このアニメの感想ですが、多次元宇宙を介してたくさんのスパイダーマンが存在しており、それが一堂に会して世界を救うというシンプルなストーリー。ヒスパニック系なのか、黒人なのかはっきりしない主人公はマイルス少年。アート系の才能が豊かで、クモに噛まれてスパイダーマンと同じ特殊能力を得てしまう。同時に、ピーター・パーカーはキングピンの陰謀に巻き込まれ、不幸にして命を落とす。別に差別意識はないけれど、ピーターじゃないスパイダーマンなんて!やっぱり拒否反応のほうが強い。
例えが適切か分かりませんが、酢豚にパイナップルが入っているなんて!
「食べてみて。おいしいから」
こんな感じの違和感が最後まで消えませんでした。私の頭は古い価値観に凝り固まってしまったようです。大体なんでスパイダーマンだけが他の次元から集まったの?だったら、グリーンゴブリンが7人集まってもおかしくないし、細身のキングピンや、小柄なキングピンが登場しても良かったんじゃない?悪役はその世界に一人だけで、ヒーローだけが何人もいるなんてズルくないか?
もちろん現代の価値観のもと、多様性に寛容な世界を反映した設定なのは承知していますが、じゃあ、レズビアンのグエンとか、ビーガン(菜食主義)のピーターとか、果てしなく価値観も多様化していくのか?
内容と全く関係のないことであれこれ考えさせられた作品でした。
2019.3.1