「スパイダーマンが大勢いることの意味」スパイダーマン スパイダーバース とみしゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
スパイダーマンが大勢いることの意味
「異なる次元で活躍するスパイダーマンたちが集められた世界」とは、どんな世界だろうか?
この映画では、文字どおりに「描かれ方が異なるスパイダーマン」として見せている。
主要なスパイダーマンたちはタッチが似ているけれど、白黒のスパイダーマンもいれば、日本アニメっぽいスパイダーマンもいるし、ひと昔前のコメディ アニメのようなスパイダーマンもいる。
異なるタッチのキャラが同一の世界で共存する。その絵柄を見ているだけで、単純に楽しい。
IMAX 字幕3Dで鑑賞したのだけれど、僕が想像するアメコミっぽい世界がスクリーン上で見事に構築されていることに驚いたし、目が釘付けになった。
ヴィラン(悪役)もちゃんと出てきて、善vs悪とのエンタメとしても楽しめる。
そして、スパイダーマンがなぜ複数出てくるのか?というシンプルな謎の答えが、ちゃんとこの映画のテーマに深く関わっていて、感動を呼び起こす仕組みになっているのもうまい。
21世紀になって、ディズニーを始めとした「ヒーロー&ヒロインの作り手」たちが、ヒーロー/ヒロイン像の再構築を積極的に行なっている。
本作も「大いなる力には、大いなる責任が伴う」というスパイダーマンお馴染みのフレーズ(信念)の再定義を試みているように思えた。
年代を問わず楽しめる傑作だと思う。できるだけ大きいスクリーンでご覧あれ!
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