触手のレビュー・感想・評価
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地球の女に飽きたところよ!うっそー!
ストレート、バイセクシャル、アブノーマル。日本のエロ漫画は英語ではhentai manga。そうした日本のhentai漫画には異星人との性描写もよく見かけるが、この映画はそこからヒントを得ているのか?口の中にタコの足が入ってくるのが強烈だ・・・
もっとすごいのがキャラの相関図。アンヘルとアレハンドラの夫婦が基本となり、夫アンヘルは妻アレハンドラの実弟とホモセクシャルな関係。SFエロティックスリラーなどと謳ってはいるけど、SFアブノーマル作品と言ってもいいような気がする。
森の奥の老夫婦ヴェガとマルタも異様な雰囲気。しっかりソーラーパネルも備え付けてある小屋はおんぼろだが、科学者でもあり、未知の生物を研究している気配もあるし、この二人もやっぱり変態なのだろう。タコ型エイリアンを使い、女性を中心に快楽を与え、想像ではあるが、覗き見でもしてたんじゃないのか?さらに隕石によって出来たクレーターではアニマルセックスの聖地みたいになっていて、こんな描写にわざわざCGを使うなんてのはやっぱり作者も変態なのだろう。
グロさばかりではなく、人間ドラマもしっかり描いてるところに好感が持てるのですが、「飽きたら殺す」というタコと同様、人間世界にもドロドロした家族関係があることを皮肉っています。そして、やっぱり性の達人はタコ!ヴェロニカはタコに飽きられちゃったみたいだけど、もう人間の男じゃ感じません!そして最後には屍の山・・・性の貪欲さのツケが死生観を無くすってところにあるのかもしれません。
ホラーでもSFでもない難解アート系か?
難解な映画。
パンフレットなどで解説をしっかり読みたくなる映画。
人寄せのためなのか。この「触手」という邦題、いかがなものか。そういう自分もジャケットからして、謎のモンスターがうごめくホラー映画だと思って観たのですが、これはB級のSFホラーではないでしょう。エンターテイメントとは無縁の映画です。
女主人公が2人いるようにも思える。冒頭、触手と交わっているヴェロニカ。一組の夫婦の妻アレハンドラ。夫は実弟ファビアンとの情事にふけり、アレハンドラは満たされずストレスを抱えて生活している。医師であるファビアンは、腹部を噛まれたヴェロニカを診察したことにより、2人は親しくなる。互いが抱えている問題を語り合う仲になる。ファビアンは「この世で一番美しい」というものをヴェロニカから教えてもらい、森の奥へ進んで行くが・・・、
という人間関係のドラマが静かな展開で続いていきます。
触手はほんの数分しか姿を現さないのですが、全体の映像は結構、ちゃんと作り込んでいるようで自然の描写は美しく、森に充満する霧の中にヴェロニカが入っていくシーンなど、不穏な空気が漂っていて、台詞ではなくて、映像で不気味な感じを見せてきます。
話の流れとしては、ヴェロニカが触手の次の生け贄としてファビアンを差し出したり、アレハンドラが傷を負う夫を触手の小屋へ連れて行ったり、ほぼ植物状態のファビアンの生命維持装置をアレハンドラが勝手に止めてしまったりと、人を死に追いやっているので、普通の倫理観では観ることのできないストーリーです。
結局、触手は何を意味しているのか?
悪なのか神なのか。快楽だけを与えて、欲に溺れた人間を破滅に向かわす、恐ろしい何か。
人間が持つ、やめられない「依存」がテーマなのか。
後半のアレハンドラとヴェロニカが触手について語り合うところが怖い
「あれが弟をやったんでしょ?」
「残念だけど。やりすぎることがあるの」
「ウソをついたのね。でもそれも分かるわ。
あまりの快感に怒りも憎しみも消えてしまうの」
隕石が墜落したクレーターのスポットに、動物たちが集まり、交尾をしている光景は異様ながらも見入ってしまいます。
触手はよく出来たビジュアルで、女性とからまるシーンは「これが快楽か」というほど絵になっていました。
日本のエロ漫画重要ジャンル
いわゆる『触手モノ』と呼ばれるジャンルであるが、古くは葛飾北斎の作品でもあるように蛸の足が女体をまさぐるという性戯は、古今東西、どの国にもあるようで、今作品はメキシコ映画である。内容は、宇宙から隕石に乗って墜ちてきた得体の知らない生物が、人間と交わることで生き存える。そして交わった人間はその得も言われぬ快楽に、幸福感を与えられるというコンセプトである。但し、ストーリーのキーは、その生物は交わる人間に飽きるようで、飽きたらその人間に攻撃を加えること。飽きられたとしても、その快感を忘れられない人間は、もれなくその生物を関係を持とうとして返り討ちに合い、殺される運命になる。それがベースに,人間の嫉妬や愛情が如実に影響を及ぼしていくところが肉付けであろうか。単純な話であるし、男女だけでなく、男同士の情愛も話の一つに加わっているので複雑怪奇ではあるが、自分としてはもっとその生物との絡みのシーンが少なすぎる事にいささか残念な心持ちである。隕石が墜ちた場所のくぼみに、動物たちがおもいおもいに交尾を繰り返すシーンはかなり面白かったアイデアだったのだが。
あの悦楽を知ってしまったら二度とは元に戻れない、人間とは欲深き動物である。
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