アンダー・ザ・ウォーターのレビュー・感想・評価
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少々判断が難しい作品
SF 近未来 海面上昇によって人類が滅亡仕掛けている。
この時代、量子力学の研究によってタイムマシンのようなことができるようになっていた。
しかしながらこれを行う場合、もう一人の自分ができてしまう。自分の分身ができてしまうのだ。
現代である2097年、これが何を意味するのかという研究はなされないまま、この{QEDA]はとても危険だと言うことになり使用するのが禁止される。
そしてこの時代、多くの人がそうなって死んでいくように、主人公も娘が塩病に冒され死を待っているのに耐えきれず、主人公の曾祖母の研究がこの時代を救うと確信し、主人公自らの分身を2017年に送り込んだ。
このSFの奇妙な点は、飲料水問題だが、これはもう20世紀に完成している技術だ。故にこれをどうにかする研究を未だ2097年に???
それはまあ良しとして、分身の一人が死ねばもう片方が死ぬと予想されていたが実際はそうではなかったことを主人公自身が証明した。
これはこの映画の核となることだと思う。
連絡が取れなくなった片割れを探すため、自分が2017年に行くが、些細な歴史的変化を確認する。
主人公本人が曾祖母に「過去を変えれるならどうする?」と尋ねるシーンがある。
曾祖母は「過去を変えるのなら、いままでの人生が無駄ってことになる。だからそんなことはしない」この言葉も物語の大きな核だと思う。
やがて曾祖母が予定通りに飛行機に乗るが、その直前チケットが購入できて、当初は乗せることが出来なかった娘(祖母)も一緒に乗ってしまった事を知る。
つまり、事故が起きれば自分が存在しなくなるという歴史になってしまうのだ。
絶望の淵に立つ二人の男。娘が書いた犬のイラストで彫ったタトゥーが徐々に消えていく。
しかしこのシーンで消えたのは分身の方のタトゥーだッタということに気づいただろうか?
そして二人は海に浮かび、絶望の中自分自身が消え失せるのを待つシーンで映画は終わる。
エンディングの最後に映されていたのが、動物園のシーン。
なぜ? そして、これは、いったい誰の視点だろう?
動物園の話は、分身が主人公に語るシーンがある。
これはおそらく、主人公本人の視点だ。分身が話した動物園なるものを見たかったのだ。
確かに曾祖母と祖母は飛行機事故で死んだ。
しかしながら、そのために消えてしまったのは、実は分身だけだったのではないだろうか?
それによって歴史は釣り合いを取り戻したのだ(この映画での設定)。
つまり主人公は、曾祖母の研究を受け継いで、新しい未来を作るため2017年から研究をスタートさせたというのが、この映画の隠されたエンディングだろう。
何がどうあっても、結局「希望」は失われないのだ。
それがこのSF映画のテーマだったのだ。
邦題なんて概念無くなれ
「何がアンダーザウォーターだ、分からんでもないけど、そこじゃないだろ」
1番初めの感想がそれです。
ストーリーとしてはSFと言うよりか哲学的なものを感じました。
映画序盤、ナレーションが多かったように感じます。その分設定が頭に入っていかなかった感じがしました。
そして最も、疑問となってしまった部分です。
「海水から真水を作る技術進んでないのに、分身作ってタイムトラベルはできるんかい」
という点。
矛盾している気がする。と思ってしまった時点で物語に入っていきずらくなるものですね。
ただ終盤に向けて、没入することが出来て言ったように感じます。雨の演出、とても素敵で心に残りました。
タイムトラベル系でありがちな、バタフライエフェクトはやはりオチに使われましたが、見ていてパニックになると言うよりは、静かに絶望を受け入れていかなければいけないように感じて、好きでした。
私は暗い雰囲気の映画が好きですので、結構好きな映画でした。演技もなかなか良かったですしね。邦題だけは許せませんが。
QEDA
全く邦題はなんなんでしょうね!バカなの?
原題はQEDA(Quantum Entangled Divided Agent:「量子もつれ」で分割されたエージェント)なんですが、日本の配給会社の人の理解を超えていたのでしょう凸。私だったら邦題は「エンタングルメント」とかにしたいところ。
なかなか新しい方法を駆使したタイムトリップものなんですが「量子もつれ」でタイムスリップできるかなあ?そこからしてちょっと疑問ですが意欲を買いましょう笑。
過去を変えてはいけない、といっても過去に未来の人が現れて何かしたら(たとえば呼吸するだけでも)絶対変わります。ほんとに幽霊みたいに没交渉で観察するだけでないと。無茶しすぎです。というか過去を全然変えないなら未来も変わらないのでは? タイムスリップ物はパラドックスが難しいですね。
全体の雰囲気はよかったしドラマ的には面白かったです。「犬に注意」みたいな細かいところとか。ところでひいおばあちゃんと関係を持つのはまずいのでは?
SF感は希薄
2095年の近未来、海面上昇や塩分濃度の急激な高まり、真水の希少化により多くの動植物は死滅し人類は苦しんでいる。北欧の某国ではQAEDAと呼ぶ特殊な人間は時間移動が可能になっている。QEDA(Quantum Entangled Divided Agent:「量子もつれ」で分割されたエージェント)は原題でもある。
なんと映画の冒頭で前提を一方的にテロップで告知するだけ、よほど予算が無いのだろう・・。
海面上昇なら国土沈没の方が大問題でしょうに、なんと水不足がテーマだった。
私などは地球温暖化による影響かと早とちりするが普通氷山や氷河が溶ければ海水の塩分濃度は下がるはずだし合点がいかないのだがどうも生態系のバランスが崩れたらしい。
水の確保には海水を真水に変える方法が必要、昔、変異したオキアミを使った浄化方法の研究者がいたが飛行機事故で死んでしまいタンパク質の組成が不明、そこで過去に行って探って来いとQEDAのファン・ルン大尉に指令が出る。そんなことしなくても逆浸透法膜フィルターを使えば良いと思うのだが持続性と言う意味では自然の有機物に頼るのが安上がりなのでしょう。
過去との行き来は湖にブラックボックスを浮かべ輪を作って行っていた、なぜタイムトラベルに多量の水が関わるのか説明はありません、唯一SFチックなのはトラベラーが量子分裂し分身が過去に行き現代の分身と量子もつれのテレポーテーションを使って意識の共有をはかるというところくらいでしょうか。とんでもない拡張解釈ですが量子コンピューターにも使われる用語なのでつまみ食いしたくなっただけでしょう。分身が死んでも、もう一方は無事というシーンは監督の個人的興味に思えます、人体実験はご法度ですよ・・。
オキアミの研究者はファン・ルン大尉の曽祖母だからファミリーヒストリーのような趣き、分身が彼女に関わった事で歴史が翻り子孫の大尉も分身ともども存在しなかったことになる古典的パラドックスでTHE END。エンドロールで動物園が出てきましたが自然保護へのメッセージが強いわけでもなく感傷的で凡庸なタイムトラベルものでした。
量子なんとかで、分裂
SFとして、科学的なことは良く分からないけど、過去と現在で意識の共有とか面白い発想でした。全体的に暗いのは理由があります。最初から言ってたなと後から気づきましたが。2017年が、とても眩しく見えました。
邦題がミスリーディング
理屈っぽいわりに大雑把な展開。地味で暗い場面の連続もラストへ向けてのタメと伏線に繋がればこそだがいまひとつ。
オチはありだが、このオチなら前半でもっと必要なシーンがあるでしょうよ。
そもそもタイトルで『ウォーターワールド』的なイメージを持ってしまいましたよ。
SF感が全くない。
地球のほとんどが水没した未来の話なのに、主人公が過去に戻って2017年をうろうろする話です。
SFXのようなものも無く、水没したと言っても、海を撮影しただけ。会話も少なく、主人公の独り言で終わります。
タイムパラドックス
分身、タイムリープ、意識の共有という強烈な設定は有りきとして、現在が変わるからという理由で過去との接触は最低限にといいつつも、過去の肉親との接触により揺れる感情をみる作品。
しっとりとドマジメな流れで言いたいことはわかるけど、変化が乏しく意外性もなく冗長。
最後はなるほどそう来たかという感じもあるけれど、唐突だし想定内だし、実はそのぐらいなら何度でもやり直せるだろうっていう…。
30分以内のショート作品で充分。
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