ハッピーエンドのレビュー・感想・評価
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コミュニケーションの不可能性
ひとつの家族の物語であるが、それぞれがバラバラで気持ちがつうじあっていないので、まるで群像劇を観ているような気分になる。家族は人が生きるうえで最小単位の共同体であるはずだが、本作ではそれすら満足に維持できていない。
本作の舞台は移民・難民問題に揺れるカレーという街だが、移民問題は遠景として登場するのみ。それよりも小さな単位の共同体の家族にもっぱらフォーカスしている。そしてその家族が壊れている。複雑な問題をたくさん抱える欧州だが、コミュニケーションの不可能性は、家族にまで及んでいる、あるいはコミュニケーション可能だという幻想がここまで剥がれ落ちているのだとすれば、移民や多文化の共生など考えうるのか、もはや現代人はそれ以前の問題に直面しているのではと思わせる。
イザベル・ユペールとジャン=ルイ・トランティニャンは相変わらず素晴らしいが、本作は子役のファンティーヌ・アルドゥアンの存在感がひときわ光った。新しいスター俳優の誕生かもしれない。
ある意味で眼差しが可愛い孫娘を見るよう。
この映画はミヒャイル・ハネケ監督の前作
「愛、アムール」の続編的な作品です。
登場する人物が同じです(人物のシチュエーションは違う)
後味の悪さで定評のあるハネケ監督作主しては、おとなしめです。
監督を大嫌いになることが「愛、アムール」あたりから少なくなったのは、
お年のせいでしょうか?
(写実的で説明的ですらあります)
フランスのあるプルジョア家族の抱える問題点を多層的に描いて行きます。
ある意味ホームドラマ的。
フランス映画の重鎮ジャン・ルイ・トランティニャンが
《自殺願望のある祖父》
その娘で会社経営者する社長が前作と同じキャスティングで、
イザベル・ユペールが演じています。
ユペールの弟で医師のトマスをマチュー・カソビッツが演じています。
この豪華キャストの中でストーリーの鍵を握るのはトマスの先妻の娘で
13歳のエヴ。
冒頭長々と流れるスマホで撮影した映像はエヴが飼っているハムスターが、
死ぬまでをエヴは記録しているのです。
母親の鬱病の薬を砕いてハムスターの餌に混ぜたらしい。
それから暫くして母親が昏睡して入院する。
(この昏睡の原因は、何なのだろう?)
一人になったエヴはカレーに住む祖父の家に引っ越すことになる。
大家族の同居生活が描かれる。
祖父と孫娘は正確に共通点があるようで、一見では仲良しに見えます。
結論から書きます。
ラストシーン、
エヴは車椅子に乗ったまま、ゆるーい傾斜を下って海に沈んでいく祖父。
その祖父を助けもせずにじーっとスマホで撮影しているエヴ。
しかしざわざわと家族たちが駆けつける人声と足音が・・・聞こえてくる
☆☆☆
ハネケ監督がこの映画を撮るキッカケは、
ある日本の事件の報道だったそうです。
それは高校生の娘が母親に毒物を飲ませて観察日記をつけていた。
この事件がヒントだったそうです。
冒頭のハムスターの苦しむ様子をスマホで撮影するシーンに重なりますね。
★★★
祖父が死んだのか?とか助かったのか?とかこの件が元で死期を早めたのか?
とか、の描写はない。
エヴがサイコパスだ‼️
とかの決めつけは一切ありません。
そこがハネケ監督らしいかも知れません。
それから、バッドエンドではないか?
との意見も多いようですが、ある意味では、ハッピーなラストかも?
タイトルが皮肉
どこがハッピーエンドやねん!!あの女の子サイコパスやな。あの様子やと奥さんと赤ちゃん大丈夫なのか…あのおじいさんも一体。さらっと人殺した発言してたけど、そういう意味でのシンパシーを感じてしまったのか?よくわからん映画やわ。
※愛、アムールの続編的立ち位置であると知らなかった。順番的に愛、アムールから見ればよかったのかな…
フランス人にとって、カンヌ地雷映画だぜ。
フランス人にとっては、カンヌ地雷映画だ。
かつての『アルジェの戦い』と同じ。
かつての映画賞はベネチアだったが、現在はカンヌにせざるを得ない。しかし、プライドで外したようだ。
蹂躙と白痴と病気の国
Longue vie à la Fra◯◯◯!!
フランスは一級市民と二級以下として絶対的な壁を国民にもうけている。そして、もうすぐ、選挙があるが、二重国籍者を、一級市民から外す事を公約をしている。多分、その政党が政権をとると言う事だ。
さて、
この映画に出て来るモロッコ人とかナイジェリア人は難民ではない。出稼ぎ就労である。(なぜなら、ナイジェリアもモロッコも内戦は起こっていない。しかも、ナイジェリアはアフリカ一番の経済大国ゆえ、難民になってまでフランスへは来ない)難民を認める敷居は高く、外国人排斥は大変に問題になっている国だ。もっとも、フランスに限らずだが。
フランス人の薄気味悪い所満載だが、演出家はドイツ系オーストリア人。だから、カンヌも表彰せざるを得ないのかも。フランスの仮想敵国はドイツではない。明らかに今も昔もイギリスなのだ。しかし、フランスは元々、イングランドの諸侯の作った国。この辺は複雑にナショナリズムが入り組んでいる。そして、フランス人はイギリス人とドイツ人を同じ民族として見ている。そして、カトリック教徒の国なので、反ユダヤ主義は結構多い。
しかし、フランスは
自由と博愛と平等の国!!
Longue vie à la France!!
『I LOVE JAPAN』ではない。アスタリスクなら『私は日本に疑義を持ちます』何だけど、アスタリスクは六角形だからね。この星はペンタゴン。まさか、アメリカ国防総省?!まさかね?
まぁ。カンヌにエールを送っているんだろう。最近は出来レース多いからね。
会話エロチャ会話、終始居心地の悪さ。
結構早い段階でこの家庭終わってんなって気づく。あとはその家庭がずーーーっと映し出される。なんだかんだで死が身近な存在の中学1年生エヴちゃんは、メンヘラぶってハムスター殺めた様子をSNSにあげちゃったり、臨海学校で自分が薬を盛った友達が卒倒して後悔はしちゃう可愛げがある。ただ意図的に整った顔の接写や長回しを結構な時間観客は観ることになるから、ちゃんとこの子役を売り出そうとしてるなって感じが少しくどい。
冒頭のシーンとかでエヴが死をiPhoneのカメラ越しで見るのは何故か。
祖父ジョルジュとの告白合戦でしっかり理由は分かるよ。
あとロラン家の家庭が終わってる原因は大体叔母のアンヌのせい。人の心が分からないのに母親面、家族の大黒柱面はしたがる周りにいて欲しくないタイプの人間。
そら息子も変人ぶりだす。
アンヌの息子は圧倒的閉鎖空間の富裕白人達の社交場で「わざと」家に仕えているモロッコ系の使用人に注目集めさせたり、その辺で拾ってきた移民のアフリカ系にその場の視線を集めるという地獄みたいな行為をします。あとエヴの父親トマとチェロ奏者のババアの生々しい中年放尿地獄エロチャットもみれます(娘にバレるというおまけ付き)。つまりハネケ的地獄をしっかり味わえます。
なんだかんだで結構面白い映画だった
死への尊重
皮肉たっぷりの題
上品で優雅な雰囲気を覆すミヒャエル・ハネケの突拍子もない変態性、登場人物が続々と混乱しそうになりながらもユックリと落ち着いた時間が流れる物語から理解できる演出描写、場面が切り替わる唐突さで起こる出来事が小まめに散らばり全く読めない展開が最後まで、テンポが良い訳では無いながらの勢いは止まらない。
どうであれ父親の弱みを握った娘はある意味で優越感に浸れそうな、何も知らない今の奥さんに対して憐れんでも良さそうで、赤ちゃんを抱く場面は勝手に想像してしまい怖くなり、父親が赤ちゃんと関わることも奥さんとの場面すら少なくてそこを中心にすら描かないのは観ていて気掛かりになる。
イザベル・ユペールがすれ違い様に振り返り一瞬だけ見つめる場面に旋律が走り、話の展開がもっと面白くなる期待と共に映画は勝手に終わってしまう意表を突く斬新さ!?
【砂上の楼閣に住む、壊れたコミュニケーション不全家族の姿を辛辣に描く。ミヒャエル・ハネケ監督の”イヤナ気分になる”テイストが、やや復活した作品。】
ー ロラン家は、瀟洒な邸宅に3世帯が暮らす、一見何の問題もない”家族”である。
が、その実態は・・。ー
◆感想<内容に触れています。>
・ロラン家の⻑、ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、建築家業を退き、娘アンヌ(イザベル・ユペール)に全てを任せている”フリ”をしている。
アンヌはやり手だが、取引先銀⾏の顧問弁護⼠ローレンス(トビー・ジョーンズ)を恋⼈にしている。
・アンヌの息⼦ピエール(フランツ・ロゴフスキ)は専務に就くが、やる気がない。移民問題には、問題意識アリ。
・ジョルジュの息子トマ(マチュー・カソヴィッツ)は家業を継がず、医師として働き、先妻との間に生れた娘エヴ(ファンティーヌ・アルドゥアン)と再婚した若い妻アナイス(ローラ・ファーリンデン)との間に幼い息子ポールがいる。
だが、トマは妻子が居ながらも、恋人と卑猥なチャットをする日々・・。
そんな父の姿を見て、エヴは呟く・・。”パパが遠い”と・・。
ー とまあ、ここまでで、ロラン家が、一家の態を成していない事が、良く分かる。
そして、愚かしき父親の行為(妻との離婚、チャット・・)で傷ついているエヴは、自殺を図る。ー
◼️ 一家の長、ジョルジュは、そんな愚かな家族の姿と、つい最近存在を知った孫娘エヴの、哀しき悩みに気付き、長年誰にも話してこなかった”秘密”を、”自分と同じ匂いのする”エヴに告げる・・。
エヴも同じく”秘密”を告げる。そして・・。
<前作、『愛、アムール』で、まさかの老夫婦の愛を真摯に描いたミヒャエル・ハネケ監督。(感動したけどね。)
今作では、御大の、本来の持ち味である”いやーな感じのする、後味の悪い作品”が戻って来た・・。>
主人公の子がクールでエロい あの年齢で つんつんした感じがほんとに...
主人公の子がクールでエロい
あの年齢で
つんつんした感じがほんとに魅力的。
おじいちゃんが
闘病中の妻を縄で首絞めて殺した感情はなんか
わかる
あと、主人公の子が、父親に対して、
パパが遠い
って言った
その一言、うまいなとおもった。
一丁上がり!
冒頭のエヴが撮ったと思われる携帯動画がえげつない。日常を撮るだけならいいのだが、ハムスターに母親が服用している抗うつ剤を与えるとは・・・ちとショッキング。そして本編が始まっても、建設現場での地滑り崩落映像。凄すぎる序盤の展開だ。
裕福な家庭でありながら、移民の使用人に対する無関心さ。家族の食事においても、無関心さが際立っていた。アンヌの弟で医者のトマがとにかく変態。一度関係を持った女性と変態プレイのチャットを続けているのだ。それを盗み見てしまった娘のエヴ。父親にも今の妻を愛してるかどうか問い詰めたりするところが凄い。
アンヌの息子も問題を起こすが、彼だけ心情が掴みづらい。何不自由なく育った坊ちゃんだからなんだろうけど、甘やかしすぎだったのだろうか・・・。それでも彼だけは移民に対する姿勢がはっきりしてた。ラストの海辺のパーティ。この海辺での車いすのじいちゃんとエヴとのやりとりが強烈だった。
自分しか関心がない家族
フランスの上流家庭、祖父(ジャン=ルイ・トランティニャン)は会社を長女(イザベル・ユペール)に譲り引退しているが認知症が出始めている。
長男は医者、前妻との娘を引き取るが、この娘はちょっと怖い。
長女の息子は会社を手伝っているが、向いてないことは長女もわかっている。
この三世代家族はみんな自分にしか興味がないようだ。
皮肉なエンディング
SiaのChandelierカラオケ
現代社会への絶望をぶちまけた超傑作
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